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恐怖!家庭内パンデミック再び【前編】

楽しみにしていた運動会!…それなのに

またしてもパンデミックかと怯えた週末。→前回の話

この日は朝から子供達の保育園で運動会だった。…そのはずだった。

二男ももちろん参加の予定だった。本人の初めての運動会。兄弟揃って元気に参加して欲しいと、ここ数週間は体調にも気を配りながら毎日過ごしてきた。

が、二男。朝から微熱そして食欲も無い。機嫌もあまりよくないというか、心無しか大人しかったのでやばいかもと思っていたのだが…。

とりあえず心配しつつ、でも長男もいるしバタバタ準備して、子供達2人とも連れて集合時間ぎりぎりに保育園へ。二男の担任に微熱の事を伝えて引き渡す。場所取りして園庭に座っていたらさっそく呼び出しが。

熱が上がっている(38度)と。

とりあえずプログラムの最初が二男のかけっこだからそこまでどうにかと懇願し託した。

入場行進と準備体操中は特に問題ない様に見えた。笑顔でこちらを見ていたし。

かけっこもニコニコ走り、結果まさかの1位。

大丈夫かな…と思っていたら、担任がこちらへ走ってくるのが見えた。

あー、やばい…。

「39度に上がってます。どうしますか?(帰りますよね)」

もはやこれまで。


体調急変の二男を抱えて病院へ

長男のかけっこは辛うじて見られたが、夫を残して二男と私は病院へ駆け込んだ。

子供の体調変化はとても早く、見る間に症状は悪化。もう既にこの時ぐったり目が据わっていてこりゃやばいという状態だった。

間もなく待合室に通され診察室へ。顔色悪く寝ている二男を見て、医師はこう言った。

「お腹の風邪でしょう。吐き気止めと解熱の座薬を出しておきます。帰ったらすぐに(さして下さい)。」と。

追加の情報として、息子の保育園で現在お腹の風邪が流行っているという話も。

…ここで聞きたくなかった。事前に知りたかった!せめて保育園の先生から聞いて知りたかった!何故今なんだ?どうしてよりによって今日なの!?

私の心の声が大きくなる。

そのまま隣の薬局に駆け込んで、ソワソワ落ち着かないまま座薬が出てくるのを待つ。

途中起きた二男、顔が真っ青であくびばかりする。

嗚呼…これは嘔吐のサインではないか…!?やばいやばいここで吐くのか?
家で吐かれるのもキツイが外はやばい!どうしようどうしようどうしよう…

座薬の説明も殆ど聞かず、奪い取る様にして薬を受け取り真っ直ぐ自宅に戻る(薬剤師さんごめんなさい)。二男を乗せていたバギーに固定のまま待たせておき、すぐさま寝室に嘔吐対策セットを広げた。

その真ん中に二男を転がし、お気に入りの枕を持たせて直ちに座薬イン。しばらく泣いていたが、すぐにウトウト寝始めた。

油断するな、ここからだ。

また私の心の声がする。

このあと起きた時に大量マーライオンが待っている(かもしれない)。だから油断するな。前回の教訓だ。

座薬インした後30分が経過。今度は解熱の座薬イン。

「痛い…」と弱々しく呟く二男。しかしまたすぐにウトウト。

ひとまずパンデミック回避か?すり減る母親のメンタル

結局この日は嘔吐することはなく、しかし39度以上の高熱をたたき出しうなされていた。

隔離するため私と二男は寝室、長男と夫はリビングで寝ることにした。もしものパンデミックにならないよう出来ることは全部やった。

胃が痛い

長男に伝染ったらどうしよう。
夫に伝染ったらどうしよう。
吐かれたらちゃんと処理できるかな?
苦しそうで見ていて辛い…。
ずっと看病でしんどい…。
いつ終わるんだ?
心細い…。
誰か一緒に看病して欲しい…。
交代してほしい…。

心の声がする。1人で子供の命の管理をさせられている気がして、プレッシャーで潰されそうだ。

夜中もハァハァと辛そうな二男。時々うなされ、目を覚まし「ママァ…」と呼ぶ。

その度に背中をさすり抱っこして布団をかけなおす。熱でホカホカしていてキツそうだ。大丈夫だよ、そばにいるよ、ねんねんしようね…などと声をかけているとまたウトウト。

結局二男は2日寝込んだ。

その間、普段私のやる家事と長男の面倒はすべて夫に丸投げ。

二男が苦しんでいる今、看病に全神経を集中するのでこのサポートは有難かった。というか、これが無かったらどうなっていたかとゾッとする。

欲を言えばキリがない。自分が作らなくても飯が出てきて、自分が面倒をみなくても長男が無事に生き延びている。その役割を担ってくれた夫には感謝している。

ビリビリした気持ちで看病し、どうにか持ち直して回復した(ように見える)二男。お腹の緩さは気がかりだけど笑顔も増えてきた。

夜泣きやら不機嫌やら随所であるので、もしかしたらまだどこか悪いのかもしれない。でも食事はできたしひとまず落ち着いていいよね…?


ひとまず落ち着きを取り戻したわが家

今回は嘔吐を回避できたので被害は最小限に抑えることが出来たと思う。嘔吐セットを準備しておき、すぐ広げられる様にして大正解だった。

しかし結局私は心身共に消耗し、ぐったり。毎回これだけしんどくて地獄を味わうのはもう辛い。何かを変えていかなければ自分が潰れてしまうのではないか。そんな気持ちにもなる。そもそも何故こんなに辛いんだ?もう少し自分の気持ちを掘り下げる必要もありそうだ。

看病中は、夫不在やシングルマザーとして日々ワンオペで看病するお母さんの話をネットで検索してしまい、うちよりも地獄を見ている家庭の多いことを知る。

でも、それってどうなんだろう?こんなに毎回大変なら、こども欲しいなんて気楽に思うことすら難しいのかも。などとこの国の少子化に思いを馳せて現実逃避したり。

ネガティヴになるのは脳みそが防衛本能を働かせているからだとなにかの本で読んだ。きっと今はまだ私の脳みそが自分を守る為にそういう思考になっているんだろう。自分で自分を守るためなんだ…と自分に言い聞かせてみたり。

ずっと苦しむ二男を見続けるのは辛い。だから彼が少しでも寝られる時は私も横になり、休める時は自分も休む様にして過ごした。


夫から聞いた長男の話

今回健気にがんばってくれていたのは長男だ。前々から踊りやかけっこの練習を保育園でがんばってきていて、私に見せることをとても楽しみにしていた。それなのに私と二男が途中退場となり、しかも唯一見られたかけっこでは無念の2位。悔し涙を流していたそうだ。帰宅して夫と話す時もしきりに悔しいと話していたとのこと。

私からすれば昨年の彼より足も速くなり、頑張る姿も努力する様子もしっかり見てきたので結果なんて二の次だと思う。しかし、長男としては1位になって私を喜ばせたかったのだろう。本当に本当に健気だ…泣けてくる。

誰が悪いわけでもないけれど、長男のがんばりもリアタイで見たかったし、二男も最後まで笑顔で楽しく参加させてあげたかった。私も笑顔で成長を見届けたかった。それが叶わずただただ悲しかった。

長男とはよくよくお風呂や寝る前などまとまって会話できる時に、今回の運動会の頑張りと私が看病している間に気をつかってくれた事にありがとうと感謝を伝えた。そして、変わらず愛してるよということも。

親として思うこと、そして自分を労う

きっとこんなことを繰り返し、気づいたら子供たちは成長して大きくなって、今とても心配になる様なこととはまた別のことに気を揉むようになるのだろう。

二男は可愛い盛りの2歳。言葉も増えて毎日親を楽しませてくれるかけがえのない存在だ。この時期は今だけなんだよね。そんな時を苦しむ姿ではなく、できるだけ笑顔で過ごさせてあげたい。親も笑顔でいたい。

今回もまた吐き出して整理して、明日への糧としていこう。どん底の私、看病で必死な私、余裕の無い中でがんばった私、お疲れさま。自分で自分を褒めよう労おう。あんたよくやってるよ。またがんばろう。お母さん業務お疲れさまでした。

看病地獄の無限ループ

…と、ここまで書いてあったのに。

今度は長男が発熱ダウンした。

保育園からもらうウイルスが強靭なのか、わが子たちが弱いのかは分からない。しかし家庭内パンデミックはまだ終わっていなかった様だ。

嗚呼、看病地獄の無限ループ。

明けない夜はないと誰かが言っていたような気もするが、わが家へさす光はいつになるのだろう。

後編へ続く。


2018/05/29 Sunao

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