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「どこかで見たな」は資産になる。英語多読入門ガイド

こんにちは! 語学の裏設定のSlovarです!

今日は英語の読書のお話です。と言っても、頭を捻りすぎて異様にカロリーを消費してしまう苦しい読書の話ではなく、ゆるりと楽しめて英語力がグイグイ上がっていく読書術「多読」についてです。

どんな根拠で?
と言うと、

同じ人に合う回数が増えると仲良くなるのと同じ原理で、たくさんの英文に触れて「あれ、この単語どこかで見たな」というぼんやりした記憶を蓄え、その積み重ねで記憶の輪郭を形作って英単語を覚えるというものです。


この記事を読むと、

面接のようなガチガチの雰囲気ではなく、立食パーティーで広く浅く名刺交換をするようなイメージで楽しく洋書を読めるんだ!という発見もありますし、本の選び方から、挫折を避けるルール集まで、多読入門に必要な知識もまとめて得られます。


1.多読とは?またその価値とは?

多読とは、読んで文字のごとく「多く読むこと」です。しかし目に入ったものを全て読むことを指すわけではありません。

全部解ける問題集を繰り返しても、新たな実力はつかないように、今の自分にとって適切なレベルの英文を読みこなしていくことを指すのです。

このように、効果的に多読に取り組めた人は、次の3つのメリットを享受できると思っています。

・英語を読むスピードの向上

・英語に免疫が付き、長文を見ても臆することがなくなる

・「どこかで見たな」という経験値の卵が、次に同じ表現を見た時に孵化して実力になる

個人的には、3つ目の「経験値の卵から実力が生まれる」という点が多読の最大のメリットだと思っています。

事実、私自身も多読をする前は、定着しきっていない単語たちが浮遊霊のように頭の中をさまよっていたのですが、多読をした後は成仏!?したのか、定着してくれました。

多読は英語にとっつきやすくし、前のめりで英語を楽しむようになれる手段なのです。


2.どんな本を多読したら良いか

これまで自分の英語力より高い本、低い本、色々読みましたが、体感上「分かる単語が7割~8割」の多読がもっともストレスなく読めました。


ここで、あなたに最適な本を探す上で役に立つLexile指数のお話をしたいと思います。ざっくり言うと、英語の「読解力」と「文章の難易度」を表す指標のことで、もっと簡単に言えば「とっつきやすさ」を0から1500で数値化したものです。


単位はLexileの頭文字を取って「L」です。目安として、500Lなら小学校3年生レベル、1000Lなら小学校6年生レベル、1500Lなら高校3年生レベルです。 (リットルに見えてしまうのは私だけでしょうか?)


そして、適切な洋書選びは
自分のLexile指数から-150 ~ +50の範囲だと言われています。



冒頭でも書きました通り、簡単すぎる問題集を解き続けても実力は上がりませんし、逆に難しすぎても挫折するだけなので、「ほどよいレベル」を探し当てることが問題集でも多読でも鍵になるのです。


Lexile指数がどんなものか分かったところで、自分のLexible指数の測定法の話を進めていきましょう。

TOEICを受験したことがある人は、リーディングのスコアから知ることができます。


まだTOEICの点数を持っていない人は、amazonから知ることができます。こちらに、それぞれのレベルに対応したサンプルテキストがあるので、「読みやすい」が「読みにくい」に変わったところが、ご自身のLexile指数だということになります。


仮にもしご自身のLexile指数が800Lだと分かった場合は、先程の 「+50L - 150L」ルールを使って、650L~850Lに相当する洋書を探したら良いと思います。

そこで役に立つのが、amazonが準備してくれたLexileレベル別のリストです。この中から、自分のレベルと興味に合った洋書を探しましょう。



3.守ってほしい多読のルール3選

多読を楽しく続けるために是非守ってほしいルールが3つあります。ポイントは「いいかげんに読む」ことです。

1.辞書は使わない (あとで調べたい単語にはマルを付ける)
2.和訳はしない(代わりに、頭の中で情景描写)
3.わからないところは飛す。(苦痛になったら止める)


【1.辞書は使わない (あとで調べたい単語にはマルを付ける)】

多読は単語の意味をしらみ潰しに調べる研究者スタイルの読書技術ではなく、ストーリーの流れを楽しむエンターテイメントスタイルです。

辞書を引いてしまうと、話の流れを忘れたりするので素直な読書体験を楽しむことができません。本来楽しいはずの洋書読書が過度な辞書ひきのせいで苦痛な時間になってしまった経験があり、結局その本たちは投げ捨ててしまいました。

どうしても調べたい単語がある場合は、マルを付けて、読み終わった時に調べましょう。



【2.和訳はしない(代わりに、頭の中で情景描写)】

書かれているものを書かれているとおりに楽しむ。これが多読の本来の姿だと思っています。要は映画と同じで、毎シーンごとに解釈を加えていたら自分の解釈の世界に浸ってしまい、肝心な映画の世界に浸ることができませんよね。

だから楽しくない、、、と。

もちろん、批判的に映画を見て楽しむ方法もありますが、それは批評家としての楽しみ方です。話の流れを楽しむエンターテイメントスタイルとは、別物なのです。

分かります、完璧主義になりがちな日本人にとっては和訳しないと気がすまない人も多いと思います。そういう方の目安として「英語を見て頭の中にイメージが浮かんだら良し」と割り切って、読み進めていきましょう。



【3.わからないところは飛す。(苦痛になったら止める)】


息抜きのために始めたゲームなのに、終始カッカして逆にストレスが溜まってしまう人は周りにいませんか?

多読も同じです。エンターテイメントなのに逆にストレスが溜まってしまうようでは、本末転倒なのです。だから分からない箇所は、読み進めたら話がつながって分かるようになると信じて飛ばして読みましょう

それでも読むのが辛くなったら、潔く別の本に切り替えましょう。元を取ろうというケチ精神は発揮したい気持ちは分かりますが、TOEICやら教科書の勉強という堅苦しい英語学習からの逃避として多読が役に立つので、多読本来の意義を思い出すのが吉です。


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多読は力を抜いてゆる~く読むことに、その意義があります。「なんか見たな資産」はできるだけ多くの英文に触れることを継続してこそ蓄積していくのです。だから変にいきんでしまうと、多読の良さを殺してしまうことになりかねません。

多読と反対の読み方が「精読」と呼ばれる方法で、簡単に言うと「高校の授業でやったヤツ」です。分からない箇所を徹底的に炙り出し、研究するスタイルなのでノートがやたらカラフルになったり線がいっぱい引かれたりします。

精読が悪だとは言いませんが、私が主張したいのは「ゆるりとした多読」に「ガチガチの精読」を持ち込むのが悪だということです。



まとめ

「どこかで見た」という経験値の卵と、「また見た」という経験が交差することで、その単語と文法は使いこなせるようになる。

多読も継続が鍵なので、自分に合ったレベルの本を多く読むのが良い。本選びの時に、本の難易度を数値化した「Lexis関数」という指標が役に立つので有効に活用しよう。

「どこかで見たな」は資産になる、と信じて多読に励みましょう。

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いかがでしたでしょうか。英語の読書、してみたくなりましたか?

今日の記事が皆さんの英語学習の糧になったことを祈って!

それではまた!

PS

物語を通して単語を覚えられるのは、単語に文脈を付与できるからです。逆に単語帳がつまらないのは文脈が無いからだと言えるでしょう。読書で単語に施す「文脈の肉付け」は楽しく英語を学ぶコツです。

以前これについて書いた記事があるのでもしよかったらどうぞ!

PPS

多読の続編を書きました。
ゲームみたいに前のめりに多読する方法です。


いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。