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空色のうんち

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エッセイ、日記
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2019年2月の記事一覧

棚ぼたゼログラビティ

棚ぼたゼログラビティ

いつも考え事をしながら歩いている。

役に立たない禅問答のようなこと、創作の悩み、給料、科学、女性の裸、古今東西の役に立たないことを脳裏に並べる。

たまにお酒を飲むと、”ちくしょう”という気持ちになったりもする。

例えばパソコンのソースコードのように
僕の思考過程を文字列で並べたら、一日で膨大な量になるんじゃないか。

ただ、脳みそのサイズの問題で、ときどきパンクする。

時間にすると20秒ほ

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若さとのお別れ

若さとのお別れ

25歳をすぎた頃から、僕はもう若くはないなと思っている。

“もうおっさん(おばさん)だしさ〜”

“アラサーおつ”

周りの同年代、男女ともに、自嘲気味に自分の年齢に言及する人が多い。

20歳の頃だって、もう自分は若くないと言っている連中はいた。(人生の先輩方からしたら笑止千万といったところか)

でも、25歳を越えてからの自嘲は、どことなく実体を伴っているような気分になる。結婚とか、上司にな

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埃を拭き取って

埃を拭き取って

ひとは、経験が積み重なって、いろいろな感情に慣れていく。

だから、大人になると時間が早く進んでいるような錯覚におちいるそうだ。そういえば、1月はいつの間に終わったんだろう。ホイッスル聞こえなかった。

今僕の目の前には、文庫本が積み重なっている。読まれずに、ずっと積み重なっている本もある。

控えめに言って引きこもりだったころ、近所の古本屋にだけは出かけていた。昔の文庫小説なら、一冊100円。1

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よく鳴る浮き輪

よく鳴る浮き輪

昨日は、敬愛するノクターンというバンドの自主企画ライブで演奏した。

金曜日、いつもは図書館へ走る電車に乗って、ライブハウスに向かうのはとても気分が良かった。いつも、ギターを背負って何処かに行くときは、その重さに辟易としながら

“浮き輪みたいに空気が抜けたらいいのに”

と思っているのだけれど、昨日は平気だった。

ノクターンは美しい演奏をしていた。一本のライブが映画のようだった。

僕は本当に

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傷つかないために自立する人と、勝手に立ってる人

傷つかないために自立する人と、勝手に立ってる人

かつてスピリッツで連載されていた”ザワさん”という高校野球漫画が大好きで、今でもふと読み返す。

ザワさんという女の子が、私立の強豪野球部に入部していろいろある、といった話。最高なのでぜひ読んでおくれ。

この一コマは、バレンタインデーなのに部員にチョコを作らず、逆に自分がチョコをもらえなくて本気で不機嫌になるザワさんをみた同期のモノローグである。

この通りで、人間は、好きになる人と好かれる人の

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好きなように描いていいよ

好きなように描いていいよ

白い紙とクレヨンを渡されて

“犬の絵を描いてください。”

と言われれば、みんな、犬の絵を描ける。そりゃあ、上手い下手はあるけど描ける。

でも

“何でもいいです。好きなように描いてください。”

と言われたらどうだろう。途端に面倒なことになる。

それでも投げ出さずに、何か描こうとするその意思、すなわち才能を持ち続けられるだろうか。

僕は音楽のことで毎日毎日悩んでいる。苦しいし、手も暮らし

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春のせいにして

春のせいにして

2月に入ってから体調がとても悪い。

もともと1ヶ月に五日間ほどは寝込むのだが、今、今月3回目の寝込みだ。ネコミ。ネコミミ。

冬の間は寒さに気をとられる事ができる。あったかくなると、寒さに取られていた心のスペースがぽっかり空く感じがする。

誰も住んでいない家はすぐに朽ちるそうだ。

僕の心はいま、朽ちているのではない。朽ちないように、僕の無意識が、出来合いの泥で隙間を埋めているのだ。

曇り空

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負け続けて春がくる

負け続けて春がくる

ハルウララという競走馬をご存知ですか。

ひと昔前、サラブレッドなのに、あまりに勝てないことで話題になった馬だ。

結局、113戦0勝で競走馬人生を終えた。

負け続けるさま、報われないさまを見ると、どこか応援したくなる。こういうことは往々にしてある。

ハルウララにも感情があっただろうが、僕ら人間にはなかなかわからない。

ただ、僕が彼女だったら、嬉しくなかったと思う。

僕はメロディを作ると

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