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棚ぼたゼログラビティ

いつも考え事をしながら歩いている。

役に立たない禅問答のようなこと、創作の悩み、給料、科学、女性の裸、古今東西の役に立たないことを脳裏に並べる。

たまにお酒を飲むと、”ちくしょう”という気持ちになったりもする。

例えばパソコンのソースコードのように
僕の思考過程を文字列で並べたら、一日で膨大な量になるんじゃないか。

ただ、脳みそのサイズの問題で、ときどきパンクする。

時間にすると20秒ほど。全く何も考えないで歩いている時間がある。

この時間は幸運だ。何も考えないというのは、やろうと思ってもできない。降ってくるのを待つしかない。

その時は何も考えていないのでわからないが、今こうやって振り返ると、身体も心も無重力の中にいるような感じがする。

結局僕は、あの無重力が恋しい。

ここ数年、自分のために自分にとっての快楽を積み重ねることが、僕の生きる意味だと思っていた。でも、それも違うような。

朝 石油ストーブのそばで、犬が眠っている。

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。