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日々のエッセイ

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2019年から湖畔暮らし。自然、ヤギ、トリ、仕事、考え事の日々。
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#古民家

蔵から宿になるまでの物語【6-10話】

蔵から宿になるまでの物語【6-10話】

2022年の春頃から自宅敷地内にある、築100年の蔵をリノベーションしています。現在はすでに工事を終えて、今年2023年には小さな宿をオープンする予定です。

約8カ月間の再生工事のなかで、感じることがたくさんありました。感じたことをこのまま忘れ去ってしまうのは勿体無いと思い、公式ホームページ内で「蔵から宿になるまでの物語」をエッセイ調で記録しています。

このnoteでは原文は掲載していませんが

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100年の歳月

100年の歳月

わけあって自宅敷地内にある築100年の蔵を改装し、宿泊施設へリノベーションすることになった。工事期間は2022年5~11月頃までを予定していて、実際のオープンは2023年春の予定。

なぜそのような運びになったのかだけ、ここに記録を残しておこうと思う。

***

私が暮らしているのは湖畔の田舎町である。結婚をきっかけに2019年に移住し、2年半が経過した。サツマイモの産地ではあるものの、特に目立

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古い家には物語がある

古い家には物語がある

昨年末にnoteからお知らせが届いた。「あなたの2021年の記録まとめ」というもので、恐らくnoteユーザー全ての人に送られたのではないかと思う。

まとめの中で「今年よく読まれた記事」が5本取りあげられていた。それによると、自分が書いた記事で一番読まれたのは以下だった。

この記事は、我が家(築50年平屋)の一部改装を手伝ってもらった大工さんの話を紹介したものである。

この大工さんは、古民家や

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余白のある場所

余白のある場所

先日、ふとトイレの天井を見上げると、すみっこに足が細長いクモがいることを確認した。隙間だらけの古民家は大体虫だらけだし、クモは毒蜘蛛を除いて益虫だと考えているから、放っておくことが多い。今回もそうだった。

そしてトイレに行くたびに天井のすみっこを見上げる日々が続いた。不思議だったのは、このクモが全然移動しないのと、お尻のあたりに何やら「丸い塊」を付けていることだった。

「変なの」

そう思いな

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古民家に宿るもの

古民家に宿るもの

古い家には、魂が宿っているらしい。熟練の大工さんから伺った。昔の住人の想いが離れていなかったり、建物自体に命が注ぎ込まれ、意思を持つようになったり。

日本は自然が豊かで、良くも悪くも人間の生活は自然とともにある。四季の花があり、収穫物があり、風景がある。自然からの恵みをいつだって享受している。その反面、厳しさもあって自然災害が多いのも事実だ。

だから私たちは、八百万(やおよろず)の神々を信じる

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