32. シックに生きる
「品の良さ」とは、上品とも言い、
その物事が洗練されている様子を指す。
ふと、品の良さって
「出来るけど、あえてやらない」から生まれる、余裕のある雰囲気ではないか、と思った。
例えば、
まだ食べられるけど、あえて食べない。
話そうと思えば話せるけど、あえて話さない。
もっと着飾れるけど、あえて着飾りすぎない。
それはつまり、
やること・やらないことを「選ぶ」ことだ。
書きながら、大好きな本を思い出した。
「フランス人は10着しか服を持たない」
とても有名な本ではあるが、私からも紹介したい。
本の中で登場するマダム・シックは、毎日を特別な日のように生きる、暮らしの達人。
マダム・シックの「シック」は、「上品で洗練された」という意味だ。
この本には、そんなマダムから学んだ、生きるヒントが詰まっている。
読了後、印象に残ったのは、
自分の「好き」に忠実に生きる素敵さ。
ここでいう「忠実」とは、
好きなものを、何でもかんでも、ではなくて
「選び抜かれた、好き」だけに囲まれてること。
選ぶことを怠けない
「選び抜かれた、好き」に囲まれるためには、
当然だが、選ぶ基準が必要だ。
日々の生活の中では、意外とこれが難しく、
選びきれずに、つい、増えてしまうものは多い。
分かりやすい例だと、洋服。
ほぼ無意識的に、一軍の服、二軍の服、
(場合によっては、三軍の服)を持っている方は、一定数いるという肌感覚がある。
しかし、特別な日に着るのは、一軍の服のはず。
つまり、毎日を特別に生きるためには、
一軍のみを選んで残す。
モノだけでなく、言葉も同じ。
日本語には、同じ物事を表す言葉が、何パターンかあるが、きちんと状況にあった言葉や、自分の美学にあった言葉を選ぶこと。
「すみません」
と深く考えずに言ってしまうのでなく、
「ありがとう」「ごめんなさい」
ときちんと表現するのも、その一つかなと思う。
「選ぶ」を繰り返すと、センスが磨かれる
センスが磨かれているかを確かめる方法として
「ちょっとした違和感」に敏感になるという、やり方がある。
例えば、PowerPointのスライドを見たときに、何か変だな……と感じる場合、
おそらく「自分だったら選ばない何か」が、そこにあったということ。
それは、色使い、言葉選び、配置、フォント、
……それ以外かもしれない。
この違和感は、自分なりの選択基準がないと生まれない。
特に、他の人は何も感じていないのに、
自分は違和感を感じる、という場合、
他の人が持っていない選択基準がある
=センスが磨かれている、と考えられる。
たくさんのモノ・コトに触れたい
センスを磨くためには、
まずは、たくさんのモノ・コトに触れて、
いろんな可能性を知ることだ。
その中から、好きと感じるものを選ぶプロセスを楽しみたい。
その先にある「洗練」こそが、
私の思う、品の良さだ。
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