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夏野菜を美味しく食べるなら。

さまざまな食材が高騰の一途を辿っている昨今。しかしながら、実はその価格だけでなく、「夏野菜たちの育ち様」も変化しているらしい。そんな情報を、この前ニュースで見聞きした私。それが真実か否か調査するため、私は両親とともにアマゾンの奥地…ではなく近所のスーパーマーケットへと向かった。
なるほど、夏野菜たちの見た目は噂通り、確かにスゴかった。特にトマトやズッキーニは熟れてパンパンになっている。今も弾けそうなくらいだ。私はルンルンご機嫌なままで、美味しそうな野菜さんを、買い物カゴへポンポン入れていく。(買うのは私ではないから、こういうときは入れたい放題である。)

そうして帰宅。それから冷蔵庫の野菜室を確認。
New→ズッキーニ、トマト、黄パプリカ、アスパラガス
既存→たまねぎ、なす、きゅうり(3分の1)、にんじん(5分の1くらい)、にんにくなど
これらの野菜たちを美味しく食べるには…やはりあの料理しかないだろう。

ということで、今日の夕飯は、ラタトゥイユに決定!
夏野菜の旨味を潰すことなく、水分までとことん味わってしまえる一品である。


《材料(3人前)》

ズッキーニ⋯1本
トマト⋯2個
パプリカ(無ければピーマンでも可)⋯1個
アスパラガス⋯3本
たまねぎ⋯1個
なす⋯1本
にんにく⋯2片
☆きゅうり⋯3分の1
☆にんじん⋯5分の1
オリーブオイル⋯適量
塩⋯適量
こしょう⋯適量
砂糖⋯ひとつまみ
顆粒コンソメ⋯大さじ1~2
バジル⋯適量

※相も変わらず、分量はテキトーを極めております。野菜はお好きなものを、お好きなように入れたらそれでオーケー◎
尚、☆のついている野菜は、「残り僅かゆえに、消費したかった野菜」枠の野菜なので、入れても入れなくてもモーマンタイ。


《作り方》
1.トマトを皮剥きする。
今回、トマトの皮剥きをする際に、湯むきではなく「ガスコンロ直火炙り」を決行することにした。炙り始める前に、トマトを冷やすための氷水を、ボウルに入れ用意しておく。直火ファイアーはそれから。
炙り方は至ってシンプル。大ぶりのトマトを、長い棒みたいなやつ(BBQのときにマシュマロ刺す時のアレ)にぶっ刺して、直火で皮を炙る。すると、皮が弾けてパチッとする。そのうち焦げてくるので、いい感じに皮が炙られていたら、トマトを氷水の中にぶっ込む。トマトの機嫌が良ければ、冷えた氷水の中で赤黒い皮が自然にめくれ、果肉や繊維が顕になっていく。トマトの衣服を脱がす気分を味わえるのは、この瞬間だけであろう。

2.野菜を切る。
◎野菜たちの切られ方◎
・湯むきしたトマト→くし切りにすると、美味しそうな見た目になる。
・瓜類→輪切りor半月切りが好ましい。ちなみに今回、ズッキーニは半月切りに、ナスは輪切りに、きゅうりはイチョウ切りにしてみた。(ただ、きゅうりは乱切りでも良かったかも…その理由は後ほど。)
・パプリカ&たまねぎ→(パプリカは、茎の部分は取って、種は取らずにそのままでOK。たまねぎは皮を剥ぐ。)それぞれ、1口大のサイズに切る。結構ザクザクと、大きめに切ってみると、出来上がりの食感もいい感じになりやすい。
・アスパラガス→根元を切り、皮剥きをする(←これサボらずにきちんとやった方がいい!)。切るサイズは4~5等分くらいを目安に。
・にんにく→みじん切り。粗めでも細かくても、どちらでも◎
・にんじん→今回は、5分の1しか残っていなかった上に、3人分なので、ちょっと小さめに切ってみた。サイズ的に言えば、細切り…くらいかしら。

3.野菜を炒める。
まずは、熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、刻んだにんにくを加える。オイルににんにくの香りがついた頃に、「クッタクタにして煮て食べたい野菜たち」を入れる。今回その野菜に選ばれしモノたちは、ズッキーニ・パプリカ・なすである。弱めの中火でこの子たちに、ある程度火が通す。火が通ったら、トマトを除いたその他の野菜たちを加え、引き続き弱めの中火のままで、十分に馴染ませる。

4.弱火でじっくり煮込む。
トマト以外の野菜たちが、幼なじみくらい馴染んだら、いよいよトマトのお出迎えへ(安心して欲しい、トマトは決してアウェイにはならない。コイツは野菜界の「コミュ力お化け」なので、どんな料理のときもすぐに馴染んでくれる)。
フライパンにトマトを加えたらフタをし、最小の火加減(つまりとろ火)の状態で30分ほど煮込む。

5.味を、ととのえていく。
フタをして30分後、おそらく野菜の水分がグツグツと音を立てていることだろう。トマトはぐじゅぐじゅになって、萎んだ姿になっていれば完璧。そのトマトたちを潰してもらって、トマトベースのスープに変身させていく。見た目はもう、ラタトゥイユに近い。
しかし、この時点での味は、ただのトマト味にすぎないので、しっかり味をととのえる必要がある。今回使用する調味料は、主には塩とこしょうを少々。あと、砂糖をひとつまみほど。これだけだと物足りないというお客様は、顆粒コンソメを入れると、深みのある味わいをお楽しみいただけるだろう。

仕上げに、乾燥バジルを適量入れれば、少しイタリアンな感じ(?)のラタトゥイユの完成。


完成したラタトゥイユ(フライパンのままで)

野菜の旨味がギュギュッ!と詰まったラタトゥイユ、やはり食す際にはフランスパンが必須。
お肉が一切入っていないのに、野菜だけでフランスパンをどんどん口に放り込めちゃう。野菜だけの料理で炭水化物が進むという、こんなに不思議な感覚は初めてかもしれない。くったくたに煮込まれた、パプリカやズッキーニ、たまねぎがたまらなく美味しい。フランスパンとの相性も、言わずもがな。
また、トマトの皮も、剥いて正解だった。はじめは、「別に皮があったままでもよいのでは?」とも思った。だがやはり、トマトベースのスープを作る際には、トマトの皮があったままだと、その歯触りの悪さが目立っていただろう。他の野菜たちとの調和は、トマトの皮剥きによって保たれていたと言っても過言では無いのである。(ただ、これは好みの問題なので、面倒であれば皮剥きは端折ってもいいだろう)

ただ、私の個人的反省として、なすときゅうりがさの存在感が無さすぎた!
まず、なすについて、その原因は「炒めるタイミングがマズかった」と考えられる。ズッキーニたちと共に、最初に炒めてしまったために、火を通す時間がかなり長くなってしまった。それがゆえに、クタクタを越えて、ぐにゃぐにゃのなすに変貌を遂げてしまったのだ。
次に、きゅうりについて、原因は「切り方」にあると考えられる。今回、《作り方》を見返してもらっても分かる通り、きゅうりは小さめのイチョウ切りにした。そうやって切ったことで、きゅうりは「ラタトゥイユの水分役」という役回りになってしまったのだ。多分、きゅうりの切り方は、少し大きめの乱切りでも良かったのかもしれない。私にとって、きゅうりの加熱は今回初めての挑戦だった。私は、きゅうりの水分量の多さを見くびっていた。

まあ、このような反省点をもってしても、今回のラタトゥイユは成功と言えるだろう。

私のお料理挑戦記は、まだまだ続く。



今日のところは、こんなもので。

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