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【小説】重ねた罪に侵食の報いを【最終話】
冀求
「これで全てだな」
手元に集まった素材を確認し、フィルは言う。
「あれから何か分かったか?」
「何も。素材が集まってからじゃないとこれ以上調べようがない」
「そうか……」
「しかし、相変わらず酷い顔だな。今でも呪いに苦しめられてるんだろう。いい気味だ」
当たり前だ。こんな生活を続けていれば誰だって窶れてしまうだろう。でもそんな皮肉も受け止めるしかない。早く、早く楽にしてくれ。
「例えば、な
【小説】重ねた罪に侵食の報いを【第四話】
戮力
明朝、大量の薬を受け取り本部を後にする。帰路を辿る数日間、フィルの話で頭が一杯だった。でもまずは薬を届けなければならない。彼女と再び会うのはそれからだ。
「おかえり、ロージェくん」
薬草師ギルドに着くと、ギルド長が笑顔で出迎えてくれた。
「はい、無事に薬を受け取れました」
「おぉ、これがフィアラの……ほら、お兄さんの分だ。持って帰りなさい」
「ありがとうございます」
「君には大変な苦労を
【小説】重ねた罪に侵食の報いを【第三話】
再起
どれくらいの時が過ぎたんだろうか。殺すことも死ぬことも出来ず、ただ息をすることでしか自分を確かめられない。兄さんの薬と金はみるみる減っていく一方だった。
「ご飯、ここに置いておくね」
動けない俺の代わりに兄さんが食事の用意をしてくれるようになった。
「早く、良くなってね」
——早く、良くなってね
言葉と同時に"気持ち"も頭に響く。呪いは最早そんな強さまで達している。兄さんだって本当は
【小説】重ねた罪に侵食の報いを【第二話】
了知
開いた戸から兄さんの顔が見えた時、何故だかまた泣きそうになってしまった。
俺が人を殺めている事を知ったらなんて思うんだろうか。命を奪って得た金で生きながらえている事をどう感じるんだろうか。何年も何年も前に押し殺したはずの感情がどっと湧き出て、忽ちその場にしゃがみ込んでしまう。
「ロージェ!」
兄さんが心配して駆け寄ってくる。
「ごめん、何でもないんだ」
「何でもない訳がないよ」
背中を摩
【小説】重ねた罪に侵食の報いを【第一話】
夢想
偶に悪夢を見る。街外れの家、父さんも母さんも兄さんも元気に暮らしていた。父さんは作物を耕し、母さんはそれを売りに出して、兄さんは街の聖職者ギルドで神官を務めている。俺は現実と同じように薬草師ギルドで調合師になり、日夜薬の調合に励んでいた。結局理想でしかない非日常な日常を見せつけられ、その度に寝苦しくなる。割り切った筈なのに割り切れない感情が夢という形で顕て眠りを浅くし、俺の身体を休めなく
【小説】君の前に桜は咲かない
※死を取り扱ったセンシティブな内容なので、心が元気な時にお読みいただける事を推奨します。
Bは死を選んだ。
僕たちは、彼を生かす事に責任を負えなかった。
だから彼の意思を尊重した。
「死のうと思う」
8月が過ぎたというのに、残暑と呼ぶには暑すぎる気候。
だからこそビールは美味しくて、友達と酒を飲むのはより楽しくなる。
今日は久々に皆で集まれる日だったので、いつも通り下らない話をしていたのに、B
漫才台本を書いてみようの回
辛気臭くいつづけるのもなんなんで、なんか適当なものを書いてみたい。
しかし以前やったような嘘の日記を書くのも芸がないので、なんとなーく前々から書いてみたかった漫才の台本を書いてみようと思う。
コンビ名と演者の名前は適当に仮名で。
仁科: どもー、涅槃像ですー。
馳: 仁科と馳で涅槃像です。よろしくお願いします。
仁科: 俺さ、ものすっごく怒りっぽいのよ。
馳: あー、しょっちゅう怒ってるも
なぁ、私にも考えさせてくれよ。「野菜のRPG」を……。
先日、オモコロチャンネルにて「野菜のRPG」を考えるという回があった。
ざっと説明すると、野菜をRPGの登場人物に見立てて、世界観やシナリオ、ゲームシステムなどを考えていくといった話だ。
私は幼い頃からゲーム機に囲まれて育ってきた生粋のゲーム好きなので、当然自分もやってみたいと思った。
誰かと話しながらの方がアイデアも増えるし楽しいのかもしれないが、こちとら中学生の時に死ぬほど黒歴史ノートを量産
とうとう来たか、「好きなもの百裂拳」をする時が……
ガムトーク「100に関連した話」。
匿名ラジオで好きなものをとにかく100個言おうという回があって、実際noteでもそれを元に好きなもの100個羅列している記事も散見されていた。
確かにnoteでもネタにしやすいフォーマットではあるんだが、個人的になーんか書くタイミングが見つからなかった。
今回ガムトークでそれっぽいテーマが出たので、折角だから100個好きなものを書こうと思う。
夕立の後とか
嘘のMBTI診断結果
ヨークシャーテリア狂(ぐるい)IWGP-G / IWGP-K
ヨークシャーテリア狂(ぐるい)タイプ(以下、狂(ぐるい))は一見不健康な様相に見えますが、実際にはとても熱い想いを胸の内に秘めています。
歴史には残らない偉業を成し遂げ、その陰の努力で人類の役にたつ様々な利器の発明に貢献してきました。
コラッタの前歯狂(ぐるい)の方はアウトプットが苦手で、時にカナリアの鳴き声に似た叫びを発してしまい
マリリン・マンソンがマリリン・マンソンから脱退するコピペ、マリリン・マンソンの単語をマリリン・マンソン以外にしても面白いのでは?
以下のコピペをご存知だろうか。
これは実際のyahoo!ニュースに載せられた記事ではなく、2ch(現5ch)に掲載されたコピペらしい。
滅茶苦茶面白い。
マリリン・マンソンという単語が執拗な程に羅列され、字面と語感も相まってゲシュタルト崩壊していく訳の分からなさがある。
そして先日ふと思い立った。
このフォーマット、良い感じの語感を持つ単語なら何に置き換えても面白いんちゃう?
要は個人名と