カップ一杯のひととき
味わう。いつもよりも長く口に留める。苦い、でもとても良い香りだ。微かに酸味も感じる。今日僕は初めてコーヒーを注文した。カフェに立ち寄っても注文内容はストレートティーの一択のみというつまらない男だった。他人からどう思われようと関係ない、ストレートティーが大好きなのだから何も気にする必要がないだろうと自分に言い聞かせ数あるメニューの中から瞬時にストレートティーを見つけ出す。もしかしたら僕の前世は豪華絢爛なお城に住む英国貴族なのかもしれないとふと思う時もあるほどだ。ストレートティー