記事一覧
「気候正義」の若者が立ち上がった!~若者気候訴訟の中身が素晴らしい!~
「気候正義」という言葉から何をイメージするだろうか。COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)の会場周辺で声を張り上げる活動家の姿を思い浮かべる人も多いかもしれない。2015年に採択され、気温上昇の1.5度目標を掲げた「パリ協定」の前文には、次の一節がある。
noting the importance for some of the concept of "climate justice", wh
半田亀崎フィールドワーク
先月の記事に、半田赤レンガ倉庫にて大正時代のドイツ兵捕虜から日本人がパンをはじめとする様々な製造技術を教えてもらったという講座を受講したことを書かせていただいた。その午前中の時間を利用して半田市の亀崎地区をフィールドワークした。
まずは、海に向かって建てられた神前神社へ。社伝によれば、神武天皇は東征の途中に伊勢の国から船でこの地に上陸した。この逸話による神嵜が亀崎《かめざき》という地名・神社
人をどれだけ笑わすことができるかというイグノーベル賞
イグノーベル賞とは、一言でいうと「人々を笑わせ、そして考えさせる業績」に対して贈られる賞だ。
「イグノーベル(Ig Nobel)」という名前は、ノーベル賞の創設者であるアルフレッド・ノーベルの姓に否定的な接頭辞「Ig」をつけた造語で、「下等な、下品な、見下げた」という意味の「ignoble」を掛けたジョークになっている。
もっとも、最高権威と言っても過言ではないノーベル賞と比較しての自虐的な
読書離れする人と読書の好きな私
忙しくて読書をする時間が取れない時ほど読書がしたくなってしまうのは私だけだろうか。図書館へ行くと、嬉しくなってしまう。何時間でも滞在できるのだが、なんだか忙しくて時間的余裕がなくなっているのはなぜだろうか。私は一番好きなのは郷土史のコーナーだ。私は名古屋市民なので、名古屋市の図書館か愛知県図書館を訪れる確率が高い。私自身が暮らしているすぐそばにも、私の知らないたくさんの歴史が眠っている。
新
生きた化石「シーラカンス」の謎
シーラカンスという言葉を初めて耳にしたのは小学生の頃だっただろうか。
3億5千万年前に出現し、その姿をほとんど変えていないとされ、そして今もなお多くの謎が解明されないままとなっている謎の魚だ。大きさは、体長が165~170cm、体重が75~80kg。
恐竜が出現する前からシーラカンスは地球に生息し、恐竜と共に白亜紀末(約6500万年前)に絶滅したと考えられていた。しかし、1938年に現生種が
人間が持ち込んだマングースの悲劇
20年ほど前の話だが、沖縄の修学旅行の引率をしていた関係で、沖縄には10回ほどは訪れているだろうか。たしか「琉球村」というテーマパークで「ハブとマングースの闘い」という今思えばとても残酷な催しが企画されていた。
マングースは、ハブを駆除する目的で沖縄に入れられた後、沖縄や奄美大島で問題になった外来種だ。日本でマングースというと、日本に持ち込まれたフイリマングースを指すことが多い。マングース科
ゴジラが名古屋を破壊した?!
戦後10年に満たない1954年公開の第1作の「ゴジラ」では、東京に上陸したゴジラが国会議事堂を破壊した。当時、第五福竜丸の水爆実験の被爆事故があり、「ゴジラ=核の落とし子=人間が生み出した恐怖」にみたてて、核の恐ろしさを訴えている反核・反戦映画だ。身長50メートルのゴジラは、人間にとっての恐怖の対象であると同時に、人間が生み出した核兵器によって現れた怪獣が人間の手で葬られるという、人間の身勝手さ
もっとみる名古屋の戦後復興~100m道路建設とと平和公園への墓地移転~
名古屋市には100m道路と呼ばれる片側5車線で、その真ん中にイチョウなどの広葉樹が植えられた緑地帯がある。緑地帯は公園が整備されていたり、真上に都市高速道路が通っていたりする。以前はテレビ塔と呼ばれ、現在は中部ミライタワーと呼ばれるシンボリックな建物もある。中部ミライタワーの真下にはカフェスペースや広場、ガーデンスペースがあり、市民にとっては憩いの場でもあり、イベントスペースにもなっている。
ドイツ軍俘虜が愛知に伝えたもの
愛知県半田市の半田赤レンガ建物にてドイツ文化セミナーが開催された。妻と私が受講したセミナーは、愛知県立芸術大学音楽学部専任講師の七條めぐみ講師による「ドイツ軍捕虜が伝えたモノ作り、そして音楽」という内容だ9月16日のことである。当時の捕虜はとても大切にされ、私たちが知っている捕虜のイメージとはまるで違い、わりと自由があり、日本人との交流の機会もあり、ドイツ人捕虜が名古屋市の産業の発展にかなりの貢
もっとみるシンクに吸い込まれる水の向きは北半球と南半球ではちがう?
オーストラリアにはこれまで10回ほど訪れたことがある。その折だったと思うが、「浴槽やシンクでたまった水を流す時にできる渦の回転向きは,北半球と南半球では違う」と教えてもらったことがある。北半球では反時計回り、南半球では時計回りになるそうだ。私も自宅とオーストラリアで渦の回転を確認してみたが、確かに逆向きだった。
その時は、「へぇ、そうなんだ!」と思ったのだが、果たしてこれは本当なのか。いまは
失われつつある「ことば」~日本編~
言語消滅の動きは、日本も例外ではない。日本に消滅する言語があると言われても、ピンとこない方も多いと思う。
(上記地図の引用元:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立国語研究所「博物館・展示を活用した最先端研究の可視化・高度化事業『消滅危機言語・方言の展示を通した最先端兼研究の可視化・高度化』」)
<字数3032文字>
UNESCOが発表した『Atlas of the World’s L
失われつつある「ことば」~海外編~
「消滅危機言語」という言葉があるのをご存知だろうか。
消滅危機言語とは、世界の言語のうち、使用者が減少して消滅の危機にある言語を言う。2023年7月の時点で、世界の242ヶ国に7,168の言語があり、そのうちの約40%が消滅の危機に瀕していると伝えている。消滅危機言語は危険度を表す段階が5段階あり、低い順から「脆弱」、「危険」、「重大
な危険」、「極めて深刻」、そして「消滅」がある。極めて深刻
千葉の干潟と名古屋の干潟
名古屋市には、ラムサール条約に指定されている藤前干潟がある。愛知県と三重県にはさまれ、太平洋に面した伊勢湾には、木曽川や長良川、揖斐川など多くの河川が流れ込み、その河口部に広大な干潟が形成されてきた。しかし、港湾施設や工場、農地などの開発で次々と埋め立てられ、干潟は消失してきた。わずかに残ったのが伊勢湾の最奥部、名古屋市南西部の庄内川と新川、日光川の河口に広がる藤前干潟である。藤前干潟は、日本列
もっとみる「ことば」はどのようにして生まれたのか?
「ことば」はどのようにして生まれたのか?
普段私たちが何気なく使っている言語。そもそも言語とは何だろうか。人類の進化の過程において、言語がどう生まれたのか、どのように、なぜ、いつ、どこで生まれたのか、数多くの仮説が存在する。〈字数:1509文字〉
一つに、ヒトの言語は、もともとは動物の鳴き声のようなもので、それが複雑化して現在のような形になったという説がある。しかし、動物の発する声とヒトの
おじさんが観た「ルックバック」
息子に誘われて「ルックバック」というアニメ映画を観に行った。息子が小学生くらいの時は、よく一緒に「ポケモン」や「名探偵コナン」を観に行ったが、私自身、「ルックバック」というマンガを読んだことも聴いたこともなかったし、そもそもアニメ映画だとも知らなかった。
映画「ルックバック」については、このnoteにもかなり多くの記事が寄せられており、私のような素人があえて語るべき蘊蓄は持ち合わせていない。