マガジンのカバー画像

It's my favorite.III

88
何回も読みたい何回も観たい 迷子にならないように保管。III
運営しているクリエイター

#2010年代

書籍レビュー『さよなら、シリアルキラー』バリー・ライガ(2015)連続殺人鬼の息子に生まれて

書籍レビュー『さよなら、シリアルキラー』バリー・ライガ(2015)連続殺人鬼の息子に生まれて

シリアルキラーの息子子どもにとって
「親」という存在は
絶大なものです。

時には、
自分を支えてくれる
バックボーンの一つであり、

時には、
乗り越えなければならない
脅威としても存在します。

本作の主人公の父は、
圧倒的に後者の存在でした。

なぜならば、彼の父は、
21年間で3桁におよぶ
殺人を犯し、

「21世紀最悪の連続殺人鬼」
と呼ばれる男だったからです。

主人公の頭の中には、

もっとみる
映画レビュー『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)栄光など手にしなければ

映画レビュー『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)栄光など手にしなければ

栄光など手にしなければ人間は一度栄光を手にし、
それが失われると、
なんとも惨めな気持ちになるものです。

大スターでなくとも、
世間から見ればどんなに
ささやかな栄光であっても、

その栄光が過ぎ去った時、
誰もが同じような心境になるでしょう。

そんな人間の惨めさを
見事に描いたのが本作です。

本作は2014年に公開され、アカデミー賞、
ヴェネツィア国際映画祭などで、
多くの賞を受賞していま

もっとみる
書籍レビュー『解錠師』スティーヴ・ハミルトン(2009)運命を狂わせる類まれなる才能

書籍レビュー『解錠師』スティーヴ・ハミルトン(2009)運命を狂わせる類まれなる才能

かわいらしい表紙に惹かれて本書の表紙を見た時に、
ビビッとくるものを感じました。

これまでに
表紙やタイトルに惹きつけられて
思わず手に取った本が

ものすごく自分に合う本だった
というのは、何度かありましたが、

これもまたそんな一冊でした。

『解錠師』とは、
なんとも渋いタイトルですが、
表紙のかわいらしさが
それを中和している印象ですね。

原題は『The Lock Artist』、

もっとみる