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貴綱 みか
2021年1月9日 08:03
「〇〇さんと結婚して幸せだったのかね」発熱から体調を崩しあれよあれよという間にまさかの心肺停止となり蘇生処置を受けICUで生命維持装置をつけられた意識のない母のベッドサイドで間もなく終わりの時を迎えるであろう母の生涯を振り返るように母の再婚相手である父との結婚が幸せだったのだろうかと母の妹である叔母がゆっくりとつぶやいたそしてその時私は今しかないと思って母に聞かな
2021年1月4日 18:36
母の身体は段々と衰えてきて椅子に座っても身体を支えられなくて上体がグニャっと力が入らない状態になってきた自分で体勢を保つことができなくなると小柄な母をベッドから車椅子に移動させるだけでもそれまでよりかなり時間や手間がかかるようになり私自身の体力と注意力両方の負担が大きくなったもしも自分が体勢を崩したら母も道連れで下手をすると怪我をさせてしまうのでこれまで以上に
2021年1月3日 19:49
ベッドから身体を起こして立たせようとすると足が痛むようで顔をしかめて歩くことができなくなった母「ここが痛い?」と色々なところを触わりながら母に尋ねると足でも足以外のどこでも私が触ったところすべてを痛いと答えてどこがどう痛むのか全くわからずどうしたものかと考えこんでしまいこのまま、もう歩けなくなってしまうのか・・そして寝たきりになってしまうのか・・寝たきりに
2021年1月2日 18:39
母を起こすことから始まるいつもの朝母が寝ている部屋の襖を開けると目に入ってきた母のベッドの景色がいつもと何か違っている一体何が起こったのか?すぐには理解できない光景が飛び込んできて一瞬とまどったがしかしほんの数秒で状況を把握してその途端私は慌ててベッドに駆け寄った母は、介護用ベッドの転倒予防の鉄柵の間の狭い隙間から頭をだらんと下に垂らしその垂れた頭の下の床は
2021年1月1日 10:05
神社に続く急な長い坂道を母が乗った車椅子を息を切らして一生懸命押しながらやっと坂を上りきってその先の神社の境内に入っていく初詣で皆がお詣りをするのは神殿までの数段の階段をのぼった先になるがそこまで歩くことができない母のため神殿が見える階段下に母が乗った車椅子を停めるそして車椅子に座る母に向かって私は少しかがみこんでこうやって手を合わせてお詣りしてねと両手を合わせて
2020年12月29日 09:51
認知症の母の背中側から両脇の下に私の腕を入れて身体を支えて歩かせようとすると歩くのが面倒なのか時々母は軽く足を浮かせてぶらぶらさせて体重を預けてくることがあった小さな子供のお茶目な悪戯のようで微笑ましく思えてクスッとなっていたが小柄な母が足腰も弱って認知症も段々と進んでいって自然と私が母の面倒を見る保護者の立場になって少しずつ親も自分と同じように一
2020年12月27日 08:06
母は要介護4くらいの時から立ち上がるのに介助が必要になり一人ではトイレに行けずリハビリパンツに尿取りパッドを常に使用するようになっていたしかも認知症のせいで時々おむつの中の便を手でさわってしまったりその手を周りにこすりつけたり・・・もちろんそんな惨事に気づいた時には母親自身と周りの寝具などすぐに汚れを落として清潔な状態にしていたがいくら清潔に綺麗に整えても母は常にお
2020年12月26日 20:13
触ってはいけない不浄なものだという事が認知症の母には分からなくなっていて便が出てしまったおむつの中に手を入れてしまう事がある母はおむつの中が気持ち悪くて落ち着かなくて手を入れてしまうのかただ不快を感じたり自分の欲求に従ってやっているだけの事なのだろうが母のベッドに近づいた時に何となく臭ってきたり母の手が汚物で汚れているのを発見してしまったらすぐに対処しないわ
2020年12月26日 08:08
昔、一時期家で東京新聞をとっていた東京新聞とうちの家族のかかわりはただそれだけだったけれどいつのまにか母の頭の中では私が東京新聞に勤めていることになっていたようである日「東京新聞を取り始めました」とデイケアの職員の方が私に言ってきた時にもああ、そうなんだとただ思っただけで仕事に介護にと割と忙しくしていたその頃の私は別に気に留めることもしなかったが後
2020年12月23日 09:54
朝小柄な母が玄関の上がり框に幼子のようにちょこんと大人しく腰掛けている姿を見て自宅に車で迎えに来てくれたデイケアの新しい職員の方が思わず「かわいい」とつぶやいた昼間にグループホームでショートステイ中の母の様子を見に出かけるとちょこんと椅子に埋もれるように座ってテレビを見ている母の横顔がみえたとある夜家の中で転んで入院した母のもとへ着替えや日用品を持って
2020年12月22日 07:57
朝、母を起こそうとベッドの脇まできたがベッドに寝ているはずの母の姿が見えない布団をめくってみたがそこにもいない一体どこに行ってしまったのか母が消えてしまった家の中の伝い歩きも一人ではおぼつかないのでまさか一人で起きてどこかへ行くとは到底考えられない母を起こしに来た時にベッドに密接している押入れが開いていることにはすぐに気づいてはいたが押し入れとベッドに
2020年12月21日 10:44
朝、母を起こしに行くと「今日は行く日ですか?」とデイケアに行く日かどうか尋ねてくることが多かった認知症が進んできた母は時々自分がどこにいるのかさらに自分が誰なのかも分からなくなることもあったがデイケアと認識していなくてもどこかに出かけるか出かけないかは分かっていたらしくデイケアに行く日には私が母に朝食を食べさせおむつを取り替えて洋服を着替えさせて玄関まで手
2020年12月20日 21:09
「○〇(←母の名前)さんの,かっこいい髪形が好きです」毎年母の誕生日にグループホームの職員の方々からのメッセージと母の写真が貼られたカードをいただいていて冒頭の言葉はある年の誕生日カードに職員の方が書いてくださったメッセージだがその頃、母の髪の毛は私がカットするようになっていた介護初期の頃は美容院に行く母に私が付き添っていたがそのうち車いすでも行けるカットのお店になり
2020年12月20日 08:01
朝、いつものようにベッドで目を覚ました認知症の母に「おはよう」と声をかけると「おはようってなぁに?」と尋ねられた母はたびたび自分がどこにいて何をしているのかわからなくなったりはたまた自分が誰なのかわからなくなったり挙句の果てにはある日、年齢を尋ねてみると6歳と答えることもあったがそんな状態の母にとって「おはよう」が分からなくても全く不思議ではない母