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しりたかったこと

「〇〇さんと結婚して幸せだったのかね」

発熱から体調を崩し
あれよあれよという間に
まさかの心肺停止となり
蘇生処置を受け
ICUで生命維持装置をつけられた
意識のない母のベッドサイドで

間もなく終わりの時を迎えるであろう
母の生涯を振り返るように
母の再婚相手である
父との結婚が幸せだったのだろうかと
母の妹である叔母がゆっくりとつぶやいた

そしてその時私は
今しかないと思って
母に聞かないでいたこと
知りたいと思っていたことを
叔母に聞いてみた

母が一度目の結婚で
離婚した理由を…

何となくそんな感じはしていたが
女の人ができたから
だそうだ

それを聞いて思わず
「かわいそう」と
何も考える間もなく
私は口にしていた

そして
最初の結婚で生まれた子供か1歳になる前に
協議離婚していたことを
母が亡くなった後に取り寄せた
戸籍謄本から知って

母がどんなに辛い思いをしただろうかと
考えると
更に胸が締め付けられた

私が生まれる前の
母のそんな過去を
慮ることなく
母の抱えていたものを
知ろうともせすに
私はずっと生きてきたのかと思うと

母に対して
私は何かまだしてあげなくてはいけないことが
残っているような気がしてきた



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