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しおさいの日記帳

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日々思ったことや動画投稿のウラ話などをつらつら書く場所です。そろそろHP立ち上げたい。
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#エッセイ

捨てるということ

捨てるということ

 僕は苦手が人よりも多い人間ですが、その中でも特に苦手なことが一つあります。
 何かを捨てることです。

 7つ下の弟が、この春で中学生になります。
 まだ僕の胸の高さまでしか背丈がなかった頃はすでに遠くなり、気づけば肩のあたりに頭が来るようになっていました。今まではランドセルを背負っていたのが、今度は僕が4年前まで着ていた学ランを着るようになります。子どもの成長の速さというのは恐ろしいものです。

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再考―災害とわたし

再考―災害とわたし

 2024年は、まさかの大災害で幕を開けた。

 あの日は福島にある母の実家に一人で帰っていて、親兄弟の合流のため寝る場所の準備を祖母としていた。午後4時ごろのこと。
 千葉も地震の多いところではあるので、少し揺れがくるとすぐピンとくる。「あ、揺れたな」という感じがしながらも、そこまでの揺れではなかったから、そのまま布団を敷いていたら、下の階にある居間から緊急地震速報が聞こえてきた。これは、と思っ

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誤植

誤植

 僕はどうも変なところで細かいことを気にしてしまう性格のようで、20秒後にはすっかり忘れているときもあれば、5~6年、下手すれば10年経っても未だに思い出してしまうことだってある。それはその細かいことがどこまで印象に残るか、または細かいことまで目が届くほどの余裕が自分にあるかという2つに依っていて、たぶん明確な基準はない。
 ただ、そんな小さな違和感を日常の中に偶然見つけると、少なくともそれが自分

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12年という時間

12年という時間

 東日本大震災から12年が経つ。

 僕にとっては、干支が一回りしても、やはり忘れられない出来事だ。

 ちょうど去年の今頃、三陸を訪ねていた。傷つきながらも再出発した街の光景、少し冷たい初春の潮風、奮発したごはんの味、それらが鮮明に思い出される。だが、あの一度だけで三陸のすべてを感じられたわけではなかった。そこにある感情まですくい上げることができていなかった。

 たしかに、僕の祖父母は家を失っ

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高校卒業して思うこと、言いたいこと

高校卒業して思うこと、言いたいこと

 3月1日。高校を卒業した。

 3年前の4月、これから始まる新しい生活に希望に胸をふくらませていた。
 しかし入学式も宿泊研修もなくなり、先生やクラスメイトとまったく会わないまま、最初の2か月が過ぎていった。
 学校に行けるようになってからも、活動の制約や度重なる行事の規模縮小、延期に見舞われた。2年生の冬に行くはずだった修学旅行もなかった。誰かと遊びに行くこともほとんどしなかった。こんな高校生

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それでもニコニコにいる理由

それでもニコニコにいる理由

#わたしとニコニコ

 こんにちは。お久しぶりです、しおさいです。
 国公立の高い壁に打ちのめされて帰ってきました。でも頑張った、それだけは確かですし、打ちのめされるのを選んだことは後悔していません。奇跡を信じています。
 3月中旬には本格的に活動再開できるはずなので、しばしお待ちを。

 さて、僕が動画を投稿し始めていよいよ5年目に突入しました。

2度の受験で累計1年間はお休みしているのですが

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18歳、変わったことと変わらないこと

18歳、変わったことと変わらないこと

 こんばんは、しおさいです。
 先日、18歳の誕生日を迎えました。4月の最初に誕生日を迎えることのデメリットといったらクラスの誰にも祝ってもらえないことですが、今年はクラス替えがなかったのでいろんな人からメッセージをもらいました。ありがたや。
 さて、いつもなら「また一つ年を取ったな」の感想で終わるのですが、今年は18歳、つまり成人したということになるので、かなり大きな節目です。できることの幅が一

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サマー・フライディ・ナイト

サマー・フライディ・ナイト

 今日もパソコンを開いた。

 noteを開いた。

 編集画面を開いた。

 でも何も浮かばない。

 家族はみんな寝た。

 自分だけの時間。

 じゃまはない。

 冷蔵庫の機械音。

 扇風機の回る音。

 そして窓から入ってくる音。

 耳をすませば聞こえてくる。

 静寂。

 でもまったくの静寂じゃない。

 明日は何があったっけ。

 オンラインイベント?

 テスト勉強?

 図

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未来のために、記録を重ねる 未来のために、記憶をつなげる

未来のために、記録を重ねる 未来のために、記憶をつなげる

#それぞれの10年

 10年前の3月11日、僕は幼稚園から帰ってきておやつを食べようとしていました。

 そのとき、自宅を強い揺れがおそったのです。

 最大震度7、マグニチュード9.0という未曽有の大地震。

 揺れによって引き起こされた津波は場所によっては30mに達し、多くの町を破壊しました。

 どこか遠いところでのできごとだと思っていた「地震」というワードが、あの日を境にぐっと近くなりま

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