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わたしの好きな本を紹介していこうと思います📚
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#わたしの本棚

太宰治「女生徒」

太宰治「女生徒」

大学生の頃、太宰の小説が苦手というか、
途中で読んで苦しくなった記憶がありました。
読んだ後の後味も、読み途中も気持ちが塞がる。
「人間失格」も辛うじて、最後まで読むことができたような気がします。

けれど、社会人になり、
自分がそこまで精神的に強くはないと、
自分の弱さを段々認めることができるようになってから、
太宰治の小説が不思議なほど、心に沁みました。
それは共感できる部分も増えたというのも

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川上未映子「黄色い家」

川上未映子「黄色い家」

川上未映子さんの作品は何作か読んだことがあります。
リズムのいい文章に、濃密な内容。
川上未映子さんの書く文章は、文字で大きな絵を描いているような、
「書く」って自由でいいんだと、気付かせてくれる文章です。

そして今回読んだこの「黄色い家」はお金がテーマ。
お金。
お金は生きていくのに必要なものだということは、
一人暮らしを始めて実感しました。

お金がなければ住むことも、食べ物を食べることもで

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「違うこと」をしないこと

「違うこと」をしないこと

2022年を振り返ると、私はどういう風に生きたいのだろうと、模索をした年でした。そしてつい先日、12月21日で今の公務員の職場をやめてきたところです。
来月から派遣社員として、ある外資系の会社の人事部門でとりあえず働きます。

私自身、今まで生きてきて、いつのまにか自分が本当に好きなことってなにかを忘れて、目の前のタスクを一生懸命こなしてきました。
頑張って勉強して、公務員になって、配属されたとこ

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スペンサー•ジョンソン「チーズはどこへ消えた?」

スペンサー•ジョンソン「チーズはどこへ消えた?」

実家にあったこの本。母が、「いいと話題だから買ってみた」と言っていた本です。
私も気になって読んでみることにしました。読み始めると、一時間ちょっとで読み終えられるほどの短い物語ですが、大切なことがぎゅっ、ぎゅっと詰まっているものでした。

登場人物は変化に早く気付く「スニッフ」、すぐに行動に移せる「スカリー」の鼠二匹と、変化に怯え、変化に適応することを拒む「ヘム」、最初は戸惑っても、うまく変化に順

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江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」

江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」

私は社会人になってから江國香織さんの作品に出会い、今ではその虜になっています。

読み返している「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」。
人を好きになったり、愛することは必ずしも楽しいことばかりではなくて、
孤独を感じたり、明るい過去にすがりつきたくなったり、嫉妬をすることだってある。

それでも人を好きになるし、愛してしまう、自分の人生を精一杯生きようとする女性たちのお話です。

静かでキラキ

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