さとうたろう|中小企業診断士

中小企業診断士*ダイバーシティ ダイバーシティマネジメントについて紹介します。 ダイバ…

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中小企業診断士*ダイバーシティ ダイバーシティマネジメントについて紹介します。 ダイバーシティ研修に興味がありましたら satotaro.note@gmail.com にご連絡ください。

最近の記事

心理的安全性を損なわない方法【DEI#41】

こんにちは。 心理的安全性が、DEI、特にインクルージョンに寄与する重要な要素ということは言うまでもないと思います。 今回は、ピョートル・フェリクス・グジバチさんの書籍「心理的安全性 最強の教科書」を読んで、印象的だった点をいくつか紹介します。 https://amzn.asia/d/gI1uYPO (1)相手を否定する「なぜ」を多用しないあるあるだと思ったので取り上げてみました。 あなた、もしくはあなたの上司は、ミーティングの場で、誰かの提案に対して「なぜ」を多用していな

    • 女王蜂症候群に出会う【DEI#40】

      「女王蜂症候群」は本当にあるのかと思っていたが、出会ってしまいました。 女王蜂症候群とは「女王蜂症候群」とは、女上司が他の女性を敵と見做して手厳しく対応することを言います。1970年代にアメリカの学者が発表した研究論文で使われた言葉です。簡単にいうと「自分は頑張って苦労してこの立場を得たのに、あの人は努力してっていない」というスタンスのことを言います。おそらく無自覚的なものでしょう。 出来事としては、ある女性取締役と、女性管理職比率の件でお話をしたときのこと。上司による単

      • 職場の健康課題にアプローチをする【DEI#39】

        前回は、PMSなどの女性の健康について取り上げました。「言ってくれたら対応するのだけど、言ってくれないから対応しようがないんだよね。」という本音を持つ方も実は多いのではないでしょうか。 より本質的な課題は、男女問わず、従業員が健康課題を相談できるような職場環境をつくることです。心理的安全性を向上させることが解決策となると思いますが、実際に何をすれば良いでしょうか? 今回は3つのアイデアをご紹介します。 1.管理職が自分の状態を伝えることから始める同僚に話してもらうために、

        • PMSを学ぶことでDE&Iの意識を育む【DEI#38】

          あなたはPMS(月経前不快気分障害)やPMDD(月経前症候群)について理解していますか? 理解していないと思った方にお薦めの本が、「ぼくたちが知っておきたい生理のこと」という本です。 博多大吉さんと産婦人科医の高尾美穂さんが対話形式で、PMSをはじめとした女性の健康課題について紹介しているとても読みやすい本です。 最近読んだおすすめの本はと聞かれたら、この本を紹介するようにしています。 https://amzn.asia/d/jfjW8Fi PMSは女性が月経前に感じるさ

        心理的安全性を損なわない方法【DEI#41】

          ジェンダー格差を実証研究から施策を考える【DEI#37】

          牧野百恵さんの著書「ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか」を大変興味深く読んだ。興味を持ったポイントを自らの印象も交えつつまとめていきたい。 男性と女性の自己評価の違い オックスフォード大学の教授による研究を用いて、「わずかな事実」が思い込みに与える影響について紹介している。 STEM分野に女性が少ないことは日本のみならず世界でも指摘されているが、ステレオタイプが影響している可能性は少なからずありそうだ。 管理職はどうだろうか?いわゆる旧来型のハードワークかつ力強いリ

          ジェンダー格差を実証研究から施策を考える【DEI#37】

          アファーマティブアクションとパワーダイナミクス【DEI#36】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 アファーマティブ・アクションを巡る議論 Youtubeのショート動画で、アファーマティブアクションについてひろゆき氏と女性が議論しているのを見かけた。 「アファーマティブ・アクション」とは、歴史的・構造的に不利な立場に置かれてきた人々に対し、格差を是正する目的で一定の優遇措置を講じ、機会均等の実現を目指すことを言う。 この企画では性別、つまりは女性をマイノリティとした議論が行われていた。明確には覚えていないが、ひろゆき氏の

          アファーマティブアクションとパワーダイナミクス【DEI#36】

          人権DDを考える【DEI#35】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ハーバード・ビジネス・レビュー2023年4月号について、気になったことを頭の整理もかねてまとめていきます。 今回は人権デューデリジェンス(DD)について。人権DDについては、今年4月に経産省、事例集を公表するなど注目が一層高まっています。大企業だけでなく中小企業も対応が求められます。 社会貢献のプラスで負の影響は相殺されない ダイバーシティの文脈で人権遵守を捉える向きがある。多様性と人権は似て非なるものと思うが、いずれに

          シニシズムを排除する【DEI#34】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ハーバード・ビジネス・レビュー3月号について、頭の整理もかねて整理していきたいと思います。 シニシズムの罠 シニシズムは、人々が価値や信念に対して冷淡である態度や哲学を指しており、社会や組織にさまざまな弊害をもたらす可能性がある。シニシズムを持つ人は、職場で噂話をまき散らしたり、攻撃的であったりする。シニカルであることはかっこいいという風潮もあるから困ったものだ。 そんなシニシズムを一掃する方法について紹介しているレポート

          シニシズムを排除する【DEI#34】

          チームメンバーの率直さを高めるために【DEI#33】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ハーバード・ビジネス・レビュー3月号について、頭の整理もかねて整理していきたいと思います。 今回、特に面白かったのが、A New Social Contract for Teamsというレポート。チームの力を生かすための取り組みが紹介されていました。 ブレットプルーフィング 本音の時間 「心理的安全性」についてよくある誤解が、「心理的安全性のある職場は対立のない優しい職場」ということです。 心理的安全性のある組織では、

          チームメンバーの率直さを高めるために【DEI#33】

          心理的安全性を高める工夫【DEI#32】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。 先日、ある企業のダイバーシティ担当とMTGをしました。  先方:ダイバーシティ経営について何から取り組むべきか?  私 :Inclusion、心理的安全性について取組むべき。  先方:心理的安全性を高めるためにはどういう方策があるのか?  私 :部門横断的なプロジェクトをつくることが有効だと思います。     あとはCEOからの情報発信。失敗を許容する文化をつくることも   

          心理的安全性を高める工夫【DEI#32】

          牛丼チェーン・女性蔑視発言を心理的安全性から考えてみる【DEI#31】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。 牛丼チェーン・女性蔑視発言を考えてみる牛丼チェーンの常務取締役本部長(当時)が「生娘をシャブ漬け戦略」と称し、「田舎から出てきた右も左もわからない女の子を無垢・生娘のうちに牛丼中毒にする」「男に高い飯を奢ってもらえうようになれば、(牛丼は)絶対に食べない」などと発言し話題になったのは、記憶に新しいところだと思います。 この事件については、 本人の資質の問題や、当牛丼チェーンに

          牛丼チェーン・女性蔑視発言を心理的安全性から考えてみる【DEI#31】

          心理的安全性と従業員エンゲージメント【事例研究】【DEI#30】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。 心理的安全性と従業員エンゲージメント前回ご紹介したエイミー・C・エドモンドソン氏の「恐れのない組織」の中で、「心理的安全性と従業員エンゲージメントとの関係性」が述べられていました。 「従業員エンゲージメント」という言葉、最近、企業のディスクロージャー資料でも見る機会が増えたように感じます。 今日、ほとんどのマネジャーが、従業員満足度は重要だが十分ではないことを理解しているので

          心理的安全性と従業員エンゲージメント【事例研究】【DEI#30】

          「心理的安全性」について学ぶ【DEI#29】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。 ダイバーシティについてコンサルティングを進めようとすると寄せられるのが「女性優遇ではないか」「逆差別ではないか」という発言です。 どうしても ダイバーシティ = 女性登用 というイメージが強く、 それに対して嫌悪感が示されるケースが一定程度存在します。 このようなコメントは、男性だけでなく女性からも寄せられますので難しいところです。 そうした時には、「Inclusionから

          「心理的安全性」について学ぶ【DEI#29】

          リモートワーク導入のポイント~オフィスは目指すべき場所【DEI#28】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。 ダイバーシティ経営を提案する上で、 最近避けて通れなくなっているのが、「フレキシブルな働き方」です。 フレキシブルな働き方=ダイバーシティというつもりはないですが、 フレキシブルな働き方を拡充しないと優秀かつ多様な人財を惹きつけることが難しい時代になっていると思います。 ハーバード・ビジネス・レビューの2022年3月号は、 『「働きやすさ」のマネジメント』がテーマであり、様々

          リモートワーク導入のポイント~オフィスは目指すべき場所【DEI#28】

          ハラスメントはなぜ減らないのか?【DEI#27】

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。 企業のダイバーシティやインクルージョン施策を検討すると、結果的に突き当たるのが「ハラスメント」です。 最近は、大手企業におけるハラスメント対応への優先順位が下がっているような気がしてなりません。SDGsやESG施策への優先順位はどんどん上がっていますが、ハラスメントへの対応は変わらず残ったままというケースによく出会います。 ハラスメント対応を強化としても、社外にはアピールしよう

          ハラスメントはなぜ減らないのか?【DEI#27】

          ダイバーシティの前にまずはインクルージョンを【事例研究】#26

          こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。 ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。 インクルージョンがダイバーシティを創るダイバーシティがなじみにくい業界の企業に対して、 ダイバーシティをどのように捉えるべきか悩んでいた時に出会ったのが、 サイボウズの代表取締役社長・青野慶久さんのコメント。 順番が逆なんですよね。インクルージョンを追求していくと、多様な人が集まり自然とダイバーシティになります。「誰もが働ける組織」を目指すのが先。いろんな人が集まってきた結果

          ダイバーシティの前にまずはインクルージョンを【事例研究】#26