見出し画像

女王蜂症候群に出会う【DEI#40】

「女王蜂症候群」は本当にあるのかと思っていたが、出会ってしまいました。

女王蜂症候群とは

「女王蜂症候群」とは、女上司が他の女性を敵と見做して手厳しく対応することを言います。1970年代にアメリカの学者が発表した研究論文で使われた言葉です。簡単にいうと「自分は頑張って苦労してこの立場を得たのに、あの人は努力してっていない」というスタンスのことを言います。おそらく無自覚的なものでしょう。

出来事としては、ある女性取締役と、女性管理職比率の件でお話をしたときのこと。上司による単一の評価ではなく、多面的な評価登用の仕組みを作りたいと提案をしたのですが、そこで言われたこと。
「アンコンシャスバイアスやガラスの天井なんて存在しない」
「女性はもっと意識高く取り組むべき。少なくとも自分はそうしてきた」
「女性管理職比率なんてきれいごと」「正直、男性の方がやりやすい」など。

定期的な世代交代の必要性

ここまで分かりやすいガラスの天井や女王蜂症候群と出会ったのは初めてでした。対策は何が良いのでしょうか?
一般的な女王蜂症候群の対策であれば、ハラスメントやバイアス研修、上司による介入、配置転換などが考えられますが、取締役にまでなっていると、望むことはできないでしょう。

そう言った意味で、大手銀行の出向の仕組みはよく出来たものだなと思いました。銀行では一定の年齢になると、本社に残す人材と出向•転籍させる人材に振り分けられます。仮に本社に残って経営陣に登り詰めたとしても、長く在留することはなく、3年くらいのスパンで世代交代が行われます。もちろん、一貫した経営方針などデメリットもありますが、耐えず安泰することはなく、権限を長期間持たせないようになっている点はメリットだと思いました。

いくら女性管理職比率を高めるために努力しても、経営幹部や幹部候補は男性が大半を占めるでしょうから、変わりません。そこに女王蜂症候群が加わった日には・・。意思決定層に女性が増えないのは構造的要因もありそうです。

もちろん一般企業に、銀行のような出向の仕組みを持つことは難しいです。ですが、それに代わるような、世代交代をさせる仕組みづくり人材の流動性を高める制度づくりは検討できるはず。
ダイバーシティ経営には世代交代も重要だという結論に至った今回でした。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?