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#小説
ISSS 小説「In seaside,so said. 」—case:谷生瑞希世—
波の上に、月の光が散っている。少し風のある夜だった。
星がよく見える。上を向いて歩こう……そんな歌い出しは、日本で暮らしていれば自ずと浮かぶフレーズだ。
海のにおいというものは、想像は爽やかなものだが、実際に近づいてみると生き物の匂いがする。というと――やや生臭いということだ。
谷生瑞希世《たにうみきせ》は深呼吸をした。生臭いとわかっているが、どうも癖になる。まだ洗剤の香りが残る生乾き
【予告】小説を公開します
いま書いている小説が普通に一万字超えそうなのと、一回有料noteにしてみたかったので、100〜300円くらいで公開できたらしたいなと思っています。うまく行かなかったら普通に無料です。
小さい町から出たい少女が町のはなつまみもののクソ貧乏なクソ美少女を友達になるというていで利用しようとして近づく話です。
以下サンプル
よろしくお願いいたします。
「あそこにベンツが停まっていますね」から始まるBL
あそベンBL
「失礼。煙草いいですか」
顔色の悪い、よれたスーツを着た男から声をかけられた。ぼんやりと座っていた眼鏡の男は、少し慌ててあたりを見渡した。公園には子連れの親が数人いたが、距離は離れていた。
「ええ、どうぞ」
身を縮めて、ベンチの隣を空ける。
顔色の悪い男が首にかけているストラップが、同じ会社のものだった。
見たことがない。階か部署か、異なるのだろう。
男はどっかりと腰を