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【ミカタをつくる広報の力学】 #48 夏休みの宿題でミカタをつくる

8月になりましたので、今回は夏休みの宿題で子どもをミカタにする方法について書きたいと思います。


夏休みの宿題は子どもたちにとって苦難でもありますが、やり方次第で面白い学習につながって、楽しい思い出になるかもしれません。宿題サポートで子どもたちと仲良くなって、未来のパーセプションを獲得しましょう。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


夏休みの難敵は読書感想文

この夏は猛暑&台風に加えて、感染拡大とメダルラッシュで、報道はかなり加熱しています。

このようにメディアが忙殺されている時期には、メディアリレーションに精を出すよりも、一般向けのブランディングに注力するほうが効果的かもしれません。

一方、今は夏休みの真っ最中で、教育系企業の「夏休みの宿題」に関する調査結果が続々とリリース中。ということで今回は、夏休みの宿題を手伝って子どもたちと仲良くなろうという話です。

子どもたちにとっての夏休みの難敵は、今も昔も変わらず「読書感想文」のようなので、以前少しだけ書いたことがありますが、宿題サポートの例として私の過去実績を書きたいと思います。

かつて所属していた印刷会社が出版と教育に強かったので、読書感想文はドンピシャだったわけですが、そこのオウンドメディアサイトに「読書感想文の書き方講座」を展開しました。

まず推薦図書のストーリーと興味ポイントを一冊ずつ解説したコーナーをつくり、感想文の書き方について、構成立てや言葉選びなど文章法のメソッドを公開し、遂にはメールによる質問相談室まで設置しました。

小説の解説や文章講座は他にもたくさん存在しますが、さすがにメール相談室はレアだったようで結構な反響に。おかげさまで、たくさんの相談メールをいただき、子どもたちのハートをキャッチすることができました(笑)

とはいえ、読書感想文を扱える企業も少ないと思いますので、自慢話はこのくらいにして、比較的多くの企業で展開可能な「自由研究」について書いていきます。


今は自由研究でも「SDGs」

「自由研究」の課題は読んで字のごとく「自由」なので、興味を持って正しい方法で研究するなら「何でもアリ」です。

昨今の文科省の方針には、社会的・職業的に自立した大人になってほしいという考えから、「キャリア教育」という指針があります。

これは、社会の構造や様々な職業の在り方、業務内容などを学ぶことによる将来のビジョン形成を目的としていますので、工場見学や職業体験なども立派な学習となり、企業にとっては打ってつけの課題といえるでしょう。

今はコロナ禍なのでリアルでの実施は難しいですが、工場見学動画やオンライン職業体験なら実施可能だと思います。

ですが自由研究のテーマにおいても、人気急上昇中なのは「SDGs」
学校でSDGsについて習っている子どもたちの方が、むしろ詳しいかもしれませんね。

従来のエコロジー課題の例でいえば、廃材をつかった工作やリサイクルの学習などが中心だったと思いますが、SDGsになると環境問題だけでなく、人権や格差問題、ジェンダーや人種問題、労働問題など、多様性や持続性を問う諸問題すべてが対象になってきます。

企業としても、従業員構成から取扱商品、仕入れのトレーサビリティー、採用活動からガバナンスに至るまで、様々な視点から学習材料を提供できるのではないでしょうか。

ちなみに、自由研究のようにテーマとなる対象を調査して傾向を整理・分析するような学習のことを「調べ学習」と言うそうです。


定量調査だけでなく定性調査も

ではどんなSDGs学習材料を提供すれば良いのか。

SDGsの興味深いところは多様性を含んでいて、立場によって意見が異なる可能性があるところです。
仕事の現場一つをとってみても、性別や国籍だけでなく、経営者と従業員、環境保護の視点と産業労働の視点など、人の立場によって意見は異なる可能性があります。

なので私のおすすめは、「定量調査」によってデータをまとめるだけでなく、別な立場や視点からの意見が見える「定性調査」を含んでいるもの。

例えば、小売店舗であればフードロスや脱プラを考えた施策を実施していると思いますが、その個数や仕組みを調べるだけでなく、考案者や来店客など様々な立場の意見も知ることができたら、より奥行きのある学習に発展する余地があります。

製造企業でも、環境に配慮した商品をつくっていると思いますが、その機能や環境への効果だけでなく、開発者や経営者などの見解を知ることで、たとえレポートには記載しなくても背景を学ぶことができます。

もちろん学校では他の生徒のレポートを見て意見交換などを行うとは思いますが、ご家族やお友だち、他校の生徒など、まったく別の視点を知って学ぶことで、本当の多様性を理解できるのではないでしょうか。

先程ご紹介した読書感想文のメール相談室も、相談の受付はメールですが、回答は広く見てもらえるようにサイト公開していました。
それによって、「自分以外の小学生も同じ疑問を持っているんだな」と共感できたり、「自分とは違うこんな考え方もあるのか」と他人の意見を知れたことが反響につながったようです。

考えてみたら、大人は割とすぐに「ヒアリングしよう」と言いますよね(笑)

今はコロナ禍なのでリアルのインタビューだけでなく、ネットにも意見が掲載されていると学びやすいと思います。


おわりに

今回は、メディアを中心としたPRから少し離れて、子どもと仲良くなる方法について書きました。

前回の最後に、子どもと会話することでSDGsが目指す未来への想像力が膨らむと書きましたが、今回の話はまさに2030年の主役との対話方法です。

成果として結実するのはかなり先になりますが、未来への投資と考えてみると良いかもしれません。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。



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