【ミカタをつくる広報の力学】 #00 イントロダクション
「ミカタをつくる広報の力学」では、私の実体験をもとにした広報の記事を書いていきます。
ここでは「イントロダクション」として、簡単な自己紹介と「前書き」的なことを書いていますので、本編をご覧になる前にご参照いただきますと、より一層読みやすいかと思います。
簡単な自己紹介
私の仕事について少し触れておきます。
もともとは広告会社でコピーライターを、その後事業会社ではプランナーとしてマーケティングPRや事業企画を担当しました。
現在はPRプランナーとして、ブランドパーパスやパーセプションチェンジなどのお手伝いをしています。
ざっくりいうと「企業や商品の好いところを見つけて、好かれる理由を考えて、わかりやすくみんなに伝える」仕事です。
一貫して業務の内容は似たようなものですが、異なる業種、複数の部署を経験したおかげで、様々な立場の視点を知ることができました。その実体験を活かして、コラムでも多様なインサイトについて触れたいと思います。
コラムスタートの背景
仕事で広報部門の方にお会いすると、「社内で広報が理解されない」という相談をよく受けます。何がどのように理解されないのかは企業ごとに様々ですが、いろいろな部署との連携が重要な広報部門としては、結構つらいのではないでしょうか。
私自身も事業会社でマーケティングPRを担当したときには、社内の理解を得るのに相応の時間がかかりました。それでも結果として様々なPR施策を実行できたのは、根気強く理解してくれた人たちのおかげです。
このコラムでは、「理解されにくい広報を、どうやって理解してもらうか」について書いています。
基本的に自分自身の実体験を元に書いているので、どの程度応用できるかわかりませんが、皆様のデータサンプルの一つになれれば、と思っています。
なぜ「力学」か
媒体を購入して、伝えたい相手に直接メッセージを届けられる広告とは異なり、広報の場合は、メディアやインフルエンサーなど様々な人の自由意思による拡散を通じて、ターゲットへの到達を目指します。
いわば「伝言ゲーム」。
途中の人の解釈次第で伝わり方はいかようにも変わってしまいます。
きちんと伝わってくれないと困るので、広報担当者はいろいろ計算して「情報の流れ」を組み立てていくわけですが、この「風が吹けば桶屋が儲かる」のようなピタゴラ的な構造を、物理学では「バタフライ効果」と呼びます。
また、人々の行動を科学的に考える学問を「集団力学(group dynamics)」と言いますが、同様に、広報で人を動かす仕組みなら「広報の力学」と表現するのが相応しいのではないか。そう考えてタイトルにしました。
なぜ「ミカタ」か
上で説明したように、伝言ゲームでは途中の人がとても重要な役割を果たします。共感して、賛同して、協力してくれる人たちでないと、最後まで正確なメッセージを伝えることができません。そのためには「ミカタをつくる」必要があるのです。
「広報の力学」などという小難しいタイトルを付けてしまったので、修飾語は少しでも親しみやすくと考えて「ミカタ」とカタカナにしましたが、要するに「味方」のことです。
「仲間」ではなくて「味方」。
なぜ仲間ではないのか。
あくまで個人的な見解ですが、「仲間」が「人間関係」を示しているのに対して、「味方」は「利害関係」を示していると考えます。仲間同士の間でも敵味方に分かれるのことがあるのはそのためかと思います。
身も蓋もない言い方をしてしまうと、仲間になるのに人間性は必要ですが、味方になるのには、あまり関係ない気がします。
その証拠に、私のパーソナリティを知らない初対面の人が、私の意見に賛同して、味方をしてくれることもしばしばです。
途中入社した他所者の私に周りの人たちが理解を示してくれたのも、仲間ではなく味方になってくれたからではないかと思います。
連載について
大雑把にメソッド化していますが、あくまでも個人的な実体験にまつわる話です。検証等によるエビデンスはございませんのでご了承ください。
また、個人や組織の特定を避けるため、話をわかりやすくするため、といった理由から、設定を変更するなどの脚色を施している場合がありますので、完全な実体験とは異なる内容もございます。ご了承ください。
有料記事も検討中ですが、とりあえずは無料で不定期にアップしていきます。いつまで続くかわかりませんが、ご興味ある方はお付き合いいただけましたら幸いです。
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