千葉雅也の『センスの哲学』を読み始めた…(日記 2024/10/21 月)
また日記が空いてしまったが、もう気にするのはやめることにする。金曜日は飲み会があり書けず、土曜日は二日酔いで書けず、日曜日は前日徹夜したことで夜眠すぎて書けず。
千葉雅也の『センスの哲学』を読み始めた。面白い。
ある種「啓蒙の書」という感もある。ある程度現代芸術の考え方の基礎知識がある人間からすれば「あたりまえ」の記述も多いが、それを知っている自分の目を基準にクサしてもしょうがない。
むしろターゲット層は現代美術に関して「意味わからない」「こんなの俺でも書ける」と、内心それが不当な感想であることを自覚しつつ引け目を感じながらも、しかしとっかかりが掴めないでいる人の一冊目としては最適だと思う。また、誰もが日常で使う「センス」という語から始め、気づけば現代芸術、現代思想の基礎に触れているというつくりもうまい。千葉の前著『現代思想入門』を手に取らなかった人にも届くのかもしれない。
この本は主にフォルマリズムだったりグリーンバーグ的な「考え方」からセンスを説明している。しかし実際の「センス」という語には、「何をセンスが良いとするか」という「コモンセンス」としての権威=流行の問題や、その知識=文脈を身につけこと、またなぜ人は自らの制作物のセンスの良し悪しを、製作直後には客観的に判断できないのかとか、そういう問題もあるよなと思った。これから読む部分では触れているのかもしれない。しかし「啓蒙の書」としてはそんなところまでは触れる必要はないので、書かれていなかろうがもちろん問題はない。
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