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オモチャ売り場で、いちばん手前のヌイグルミを買って帰る親友

おもちゃ売り場やおみやげコーナーに、同じヌイグルミがたくさん置いてあります。

あなたなら、どのヌイグルミを選びますか?

糸が出ていなかったり、布がほつれていなかったり、汚れていなかったりするヌイグルミですか?

いちばん手前に置かれているヌイグルミは、たぶん、いろんな人がさわったであろうから、あまり人にふれられていないであろう奥からヌイグルミを取り出しますか?

親友は、いつも、ヌイグルミを一体一体持ち上げては

「(わたしと)一緒に帰りたい?  一緒に暮らしたい?」

と、ヌイグルミに問いかけます。それで

「よし!  このコにする!」

と、そのうちの一つのヌイグルミに決めます。

それが決まって、糸が出ていたり、布がほつれていたり、汚れていたりするいちばん手前に置かれているヌイグルミなんです。

親友が言うには

「だれも買わなくて、このコが可哀想になったり、このコの方から『家に連れて帰って、一緒に暮らそう』と泣きながら語りかけてくる」

そうです。

「糸が出てたり、布がほつれていたり、汚れていたりした状態で、そのままそのヌイグルミを家の中に飾るの?」

と聞いたら

「まさか!  縫って直すし、ヌイグルミ用洗剤で洗うよ」

ということでした。逆に

「買って帰ったヌイグルミって、他の人って洗わないもんなの?」

と言われてしまいました。確かに、きれいに見えても、どのような人がどんな風に売り物のヌイグルミにさわったなんて、分かりませんものね。

親友と出会ってからは、欲しいと思ったヌイグルミは、大量生産であっても、一つ一つの表情が微妙に違って見えてくるようになりました。

そうすると、今、売り場の中でいちばんキレイな状態で売られているかどうかではなく、家の中で末永く一緒に暮らしていきたいかどうか。物を買う基準も変わりました。

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