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多分、恋をしていた。

夢を見た。私は友人の結婚式でスピーチをしていた。そこで私は小学生の時に見た「プロポーズ大作戦」の山Pのように、スピーチの場で彼に告白をしてしまったのだ。「あなたのことを最終的に幸せにするのはずっと私だと思ってました。でも叶わなそうにないから、どうか誰よりも幸せになってください。」と、いかにも現実の私が言いそうな言葉とともに。基本的に見た夢は覚えていないタイプだけど、この部分だけはかなりしっかりと覚えていて、それはきっと”嫌な夢”という認識と後悔が心に負荷をかけたのだと思う。それくらい冷や汗をかいての起床だった。

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私は自身のことをアセクシャルと自認して生きてきたけれど、実はそうでもなかったのかもしれないな、と真相は分からないけど最近になって、特にこの1ヶ月間を過ごして思う。多分私は恋をしていた。それは「もう会うのはやめよう」とお互いのこの先を考え、笑ってサヨナラをした13年来の友人に。恋をしていた。

隣にいる事があまりに当然すぎて、いなくなってから気がつくとはまさにこの事。恋愛感情が分からなかったのは、すぐそばにありすぎたからであり、彼のことを本当は心で特別に思い続けていたから他の恋愛感情に見向きもできなかったという、激重な私が原因だったのかもしれない。すごいドラマになりそうな、青春漫画みたいな生活をしていたのかもしれない。

驚いた。初めて誰かのことを考えながら時間を過ごしている私や、ふとした時に意思とは関係無く思い出している私に。でもそれ以上に嬉しかった。これがもし、みんなが経験している恋という感情なのだとしたら、すでに失恋になってしまったけど私の初恋が彼で本当に良かったと。


実らなかったというよりも、その気持ちに気がつくのが遅すぎて幕を閉じた私の初恋だったけど、彼から人として大切にされている実感があったし、私も彼のことをいつだって大切に思い続けていたのだから、私の頭の中ではもう実質両想いということにしておこうと思う。妄想って素敵だ。楽しい。切ない。そんな気持ちを知る事が出来てもう十分だ。如何せん、長い片思いだったからこの先彼以上の人は現れないかもしれない。でもまずは、恋愛愛情を持てた事が幸せすぎて、今まで長く悩み続けていたセクシャル問題をこれからは更に優しく、そして親身に包み込んであげられるほど幸せな13年間だったと、今思う。やっぱり私の大切な友人である彼は偉大だと、誇りに思う。



連絡を取るのは一年に3回。お正月とそれぞれの誕生日だけと二人で決めた。彼の11月19日の誕生日が愛おしく待ち遠しい。そして今日で、彼の話をこの場でするのはやめようと思う。どうか幸せになってくださいと、夢でなくても願っている。初恋を教えてくれてありがとう。


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