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「あなたはあなたと付き合いたいと思う?」

もし、あなたがもう一人いたらその人のことどう思う?あなたはあなたと付き合いたいと思う?


この問いは、4月から放映されていたドラマ”大豆田とわ子と三人の元夫”のEP6で出てきた問いだ。もちろんドラマ上の、そして話の流れがある中でのこの言葉だけど私はこれを初めて聞いた時正直、自分に言われているのかと思うほど背筋がゾワっとした。「しいなさんは、しいなさんと付き合いたいと思う?」と聞かれたら、私はとてもじゃないけど首を縦には触れない。特別美人ではないし、学力があるわけでも莫大な貯金額なわけでもない。本当に一般の一般的、ただ模範のような20代だ。ただほんの少しだけ頑固で泣き虫で、負けず嫌いで・・・と並べるとほら、やっぱり一般的な20代だ。


こんな私を「私らしくて良い」と褒めてくれる人達に出会えてきたから、なんとか右往左往しつつも前を見てきたけれど、その人達がいなくなってある時、渋谷にポーンと身一つで放り出されたら、私はそれこそ右左すら分からない。自分の価値なんてあってないようなもので、せめて人とぶつからないようにスクランブル交差になんて近づくことすらしない小心者なのだ。

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毎年手帳の最初のページにある目標欄には、毎年悩んだ結果同じ言葉を。「幸せになりたい」と書いている。私の望む幸せってなんだろうと、漠然と思い続け今年で6年が経つ。20歳の私は今の私を見てなんと思うだろうか。情けないなと笑うだろうか。ハッキリしている私にとっての幸せは、良い時間を過ごすこと。これは旅行・経験を積む事で生活に対しての満足度や気力が上がった実感から念頭にある幸せだ。でも実はもう一個ある。それは自分が誰かから認められることだ。

今 ”LOVE YOURSELF” というワードをよく見かける。それは韓国のアイドルグループBTSの影響もあってか、若い女の子だけじゃなく様々な年代、様々な国家で主張されているように見える。凄まじい影響力だ。私はというと、それこそ10代の中学生の時から、つまり13年前から少しだけ捻くれていて「自分が自分を愛さなければ、誰が他に自分を愛してくれるのだろうか」と本気で考え、自分を大切にする努力をしてきたくらいだ。そう、努力をしてきた、今も大切にする努力をしている。世間の "LOVE YOURSELF" と少し異なり歪な私のそれは、今も根元に存在し、日々の選択肢で頭をよぎる。何か決めるときの基準となっている。


「こっちを選んだら私の姿はどう?大切に思える?」と、そうして悩んで悩んで選んで生きていたらマイナスなことをよく言われていたけれど、いつの間にか「良いね」と言ってくれる友人が現れた。それが何よりも嬉しくて、それを幸せに感じたのだ。


自己愛が強いと思われがちだけど、自己愛が満たせなくて満たそうとした結果の今だ。しかもまた満たしている途中。幸せの基準は人それぞれだ。その幸せを時々味わう事ができるようになった私だけど、冒頭に戻ると自分と付き合いたいとは思えないのも事実。きっと頭の上に、ポケモンゲームのHP表示のように自己愛バロメータが表示される世界ならば、私のバロメータは赤になりそうな黄色だ。低いけどピコンピコンと危険な音が鳴らないように、自分を好きでいようと意識し続けている。


その形がいつか形となり自信に変われば、私はきっともう少し遠い世界に行けるのだろうか。幸せな世界をゆっくりでいいから歩いてみたいと、思っている。自信を持って「自分と付き合いたい」と言える日は来るのだろうか。

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