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認識したらもうアウト!鼻歌混じりにやって来る“あのコ”は誰なのさ「あのコはだぁれ?」現在上映中【ホラー映画を毎日観るナレーター】(592日目)

「あのコはだぁれ?」(2024)
清水崇監督

◆あらすじ
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夏休みに臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのかの目の前で、ひとりの女子生徒が突然屋上から飛び降りて不可解な死を遂げる。教室にいるはずのない生徒の謎に気づいたほのかは、補習を受ける三浦瞳や前川タケルらとともに、生徒たちの間で囁かれる“あのコ”にまつわる驚きの真実にたどり着く。(映画.comより引用)
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ジャパニーズホラーの巨匠•清水崇監督の最新作です。おそらく同監督が手掛けた「ミンナのウタ」(’23)の続編のようなスピンオフのような立ち位置にあたるんでしょうか。

「ミンナのウタ」にも登場した“谷口さな”にスポットをあてており、彼女の歌を聴いてしまった君島ほのかや生徒たちが騒動に巻き込まれていくという展開になっています。

主人公•君島ほのかと生徒たち
(映画.comより引用)

ちなみに「ミンナのウタ」は、今をときめくGENERATIONSのメンバーの皆様がまさかの全員御本人役での出演で話題を呼び、さらには清水崇節炸裂の恐怖演出の数々でGENERATIONSのファンのみならず、我々ホラー映画ファンにも相当な衝撃を与えました。個人的にもかなり面白かったです。

よかったらそちらのあらすじも貼っておきます↓

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◇人気ラジオ番組のパーソナリティを務める「GENERATIONS」の小森隼は、ラジオ局の倉庫で「ミンナノウタ」と書かれた古いカセットテープを発見する。その後、小森は収録中に不気味なノイズと少女の声を聞き、行方不明となってしまう。事態の解決を急ぐマネージャーの凛は、元刑事の探偵・権田に捜査を依頼。メンバーたちに話を聞くと、彼らもリハーサル中に少女の霊を見たという。やがて霊の正体は「さな」という女子中学生であることが判明するが、彼女が奏でる呪いのメロディによって恐怖の連鎖が引き起こされていく。
(映画.comより引用)
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脚本の角田ルミさんをはじめ、制作陣も前作から引き続き続投する形になっており、出演者もマキタスポーツさん、今井あずささん、山川真里果さん等も前作と同じ役で出演されています。

マキタスポーツさん大好きです。(映画.comより引用)

「ミンナのウタ」を見ていなくても十分に内容は理解できますが、見ておいた方が理解も深まりますし、登場人物の関係性なども分かるのでより楽しめると思います。私も前々からずっと楽しみにしており、あえて予告などの前情報は一切入れずに鑑賞したため、思っていたよりも前作との繋がりが多いことに驚きました。

映画.comより引用

※まだ公開してまもないのでネタバレは控えて感想を書かせていただきます。

◇自分の目の前で恋人•悠馬が突然の事故で意識不明となった君島ほのか。彼女はとある中学校で臨時教師として夏休みの補習クラスを受け持つことになった。教室にいるのは自分の他に5人の生徒だけ。しかし、そこにいるはずのない“あのコ”の存在に気づいてしまう。あのコの姿を認識し、歌を聴いてしまった者は彼女の世界に連れ込まれてしまう。

という

『過去に起きたとある事件が現在にまで繋がってくる』

という構成でかなり見応えがありました。偶然事件に巻き込まれたと思っていたほのかや悠馬も一連の事実が明らかになるにつれて、それが必然であることが判明するなど脚本の妙も感じられます。

映画.comより引用

体感としては前作よりもストーリー重視で怖さは少々控え目かつ登場人物の味付けも最小限に留めている印象です。ですが一つ一つの恐怖シーンはもちろんインパクト大です。前作「ミンナのウタ」でMVPとまで言われたさなの母親•詩織は今作でも縦横無尽の活躍で観客の心を鷲掴みにしてくれます。

山川真里果さん、マジで凄いです。

映画.comより引用

補習が始まってすぐに“あのコ”がしれっと席に座っており、誰も会ったことがないはずなのに「あいつ誰?」とか「どこのクラス?」とか発言しないのがめちゃくちゃ怖いんです。“あのコ”つまり“さな”の存在を各々が認識してしまった時点で、もうそこに“さな”は存在しているので、「何でいるの?」とはならないんですよ。この違和感や異物が自然と日常に溶け込んでくる感じが王道のジャパニーズホラーという感じで大好きです。

映画.comより引用

ちょっとだけ気になったのが

夏休みの補習で集められたのが瞳の他、ヤンチャ(蓮人と大樹)、ギャル(まり)、ガリ勉(タケル)というメンツなのが不自然に感じました。勝手なイメージですけど補習って勉強が苦手な子たちが集められる印象で、そこに普段から真面目に勉強をしてそうな瞳やタケルもいるのが個人的に違和感があり、

例えばなんですけど

まり∶「何でガリ勉のあんたが補講受けてんだよ」

タケル∶「風邪で試験受けられなかったんだから仕方ないだろ」

みたいな会話があったりすれば状況としては理解できるんですけども、何でこのアンバランスな面々が一緒くたに補習受けてるんだろうとめちゃくちゃ気になってしまったんですけど、気にしすぎでしょうか。

瞳とタケル
それぞれの母親が“さな”の事件に大きく関わっています。
(映画.comより引用)

あと中盤で、ほのかたちが一連の事件の鍵を握るカセットテープを聴くために前作にも登場したやさぐれ探偵の権田(マキタスポーツさん)と接触を図るために居酒屋を訪れるシーンではGENERATIONSの中務裕太さんが友情出演されています。

そのシーンで権田と一緒に飲んでいた中務さんが突然ほのかの腕を掴み、「取り込まれますよ」と意味深なセリフを残します。

ワンシーンだけの御出演ですが流石の存在感です。
(映画.comより引用)

これは前作を見ている方へのサービスシーンだとは思うんですけど今作だけを見ている人からしたら、いきなり中務裕太さんが登場するわ、意味深なこと言うわ、なんのこっちゃ分からないわで置いてけぼりにされてしまうと思うんですけど、そこまで気にしないんですかね。

映画.comより引用

あと、ほのかたちが現在は施設にいるサナの両親(Wikipediaの情報だと父親は80歳、母親は71歳)を訪ねる終盤のシーンに登場する介護職員役の俳優さんたちの所作が物凄く気になってしまいました。

おそらく痴呆の症状が出ている足腰の弱った老人がソファに座る際も一切支えようとしませんし、母親が錯乱して倒れた際は力任せに抑えようとしたり、無理矢理抱き起こして引きずるようにして歩かせたりと「そんな乱暴にしたら怪我しちゃうって!」と違う意味でハラハラしてしまいました。

こういう細かいところを指摘するのは野暮かもしれませんが、介護に関する所作の監修が無いのであれば色々ドラマや映画を見て研究することもできますし、他の役者さんたちとどう動くかなど話し合うこともできると思います。

ここだけすごい勿体なかったです。残念でした。

映画.comより引用

多少気になるところはありましたが、しっかりと怖さもありつつ、“さな”の行動原理や目的も明らかになりすごくスッキリしました。クライマックスからのあの終わり方も相当好きです。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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