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弱点ねつ造疑惑!?面白いから私は好きです【ホラー映画を毎日観るナレーター】(528日目)「ファンタズムⅢ」

「ファンタズムⅢ」(1993)
ドン•コスカレリ監督

◆あらすじ
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未だ親友:マイクを捜し続けるレジー。不気味な葬儀屋:トルーマンの仕業により、シルバー・スフィアに閉じ込められたマイクの兄:ジョディの導きにより、彼はゴーストタウン化した街:ホルツビルという街にやって来た。そこで彼は、トールマンにより両親を殺された少年:ティムと、親友をトールマンに殺された黒人女性:ロッキーという2人に出会う。トールマンへの復讐という想いを共有した3人は、トールマンが次にゴースト化した街へ向かうのだが・・・。その街で3人は、マイクの救出に成功するが、それは次なる恐怖への序章であった!!(DMMTVより引用)
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一昨日から見始めた「ファンタズム」シリーズの3作目で、監督、脚本、製作はもちろんドン•コスカレリ氏です。

『これは現実か、はたまた悪夢か』

という一作目の人気要素は大分薄まり、アクション多めのホラーロードームービーとなっています。

過去二作はこちらから↓

一作目で主人公マイクを演じたマイケル•ボールドウィン氏、そしてマイクの兄•ジョディ役のビルソーンベリー氏が再び同役でキャスティングされたことが当時話題となったそうです。

14年ぶりに主役を務めたマイク役のマイケル•ボールドウィン氏(eclipse-movie.co.jpより引用)

しかし一作目が公開されたのは1979年であり、今作までに14年もの月日が経過していることもあり、二人共しっかりおじさんになっています。

その一方で、一作目から登場し続けている友人のレジーは初登場時から若禿げで老け顔だったこともあり、実質主人公となる今作でもほとんど変わらない姿を見せてくれます。

レジー役のレジー•バニスター
一作目から見た目はほとんどかわりません。
四連ショットガンを駆使して、今回も大活躍です。
(eclipse-movie.co.jpより引用)

現在、DMMTVでのみ配信中です。

製作費は前作、前々作の30万ドルから250万ドルへと大幅に増えています。(amazonより引用)
amazonより引用

ちなみにVHS版のパッケージ↑には『伝説のホラー3部作“ファンタズム”ここに永久完結!!』との文言がありますがまだあと2作あります(笑)

この作品の何が凄いって、続編をちゃんと前作の続きから描くところなんですよね。

普通、人気作の続編って舞台がまるっきり変わってたり、前作の子供たちが主人公だったりと世代とか時代を変えるのが一般的というか多いと思うんですけど、「ファンタズム」はびっちり続きからなんです。しかも内容を忘れた方のために前作のラストから見せてくれます。

そんなこんなで今作は、

◇見事トールマンを打ち倒し、霊柩車で脱出するマイク一行。しかしすでにトールマンの魔の手が忍び寄っており、車は襲撃されてしまう…

という所から始まります。

ヒロインのエリザベスは秒殺され、生首のみでのご登場となり、致命傷をオッタマイクとレジーは再びトールマンを倒すべく、泣く泣くその場を後にします。

しかし病院もすでにトールマンの手に落ちており、昏睡しているマイクは絶体絶命!というところで光の中(おそらく死の淵)から兄•ジョディが登場!声に導かれるまま光の方へと向かうマイクを止めます。そして目を覚ましたマイクは窮地を脱します。

病院を後にしたマイクとレジーのところへ、もはやファンタズム名物となったシルバースフィアが現れます。このスフィアはなんと兄•ジョディで、もうすぐここにもトールマンたちがやって来ることを教えてくれます。残念ながら兄スフィアはトールマンによりただの玉にされ、マイクは連れ去られてしまいます。

兄スフィアから聞こえるホルツビルという言葉を頼りに単身でホルツビルへと向かいます。

その道すがら、射撃と運転技術に長けた少年ティム元軍人でヌンチャクの使い手の角刈り美女のロッキーと出会い、レジー一行は兄スフィアの導きのままに今度はボルトンへ向かいます。

ちなみにティムは屋敷に罠を仕掛けたり、かわいいけどちょっとナマイキな感じが完全に「ホーム・アローン」を意識しており、カスカレリ監督の流行りモノには全力で乗っかる姿勢が伝わってきてとても愛おしく感じました。あと、カミソリ付きのフリスビーでならず者を殺害するなどかなり倫理観はバグっています。

道中、レジーの夢の中に現れたジョディは亜空感(ここはよく分かりませんでした)にてトールマンに捕らわれているマイクを発見し、レジーと一緒に助け出して、現実世界に戻ります。

トールマンも後を追ってきます。
この亜空間に繋がる音叉みたいなのも一作目から登場しますが未だに何かはわかりません。(eclipse-movie.co.jpより引用)

ここは本当に謎展開でした。

そしてここで、今作最大のこじつけが発生します。

マイクは自身の少年時代に、トールマンがアイスクリーム屋の冷気越しに自分の方を険しい顔で見ていたことを思い出します。

そして「思い出した!あいつの弱点は冷気だ!」と自信満々にぬかします。

当然レジーからは「なんでそんな大事な事を忘れてたんだよ!」とツッコまれますが、ゴニョゴニョと濁すだけで何の説明もしません。

第一作目にアイスクリーム屋の冷気越しにトールマンが佇むシーンは確かにあります。しかし、その冷気で顔をしかめたり、苦しそうにする様子はこれっぽっちも見受けられません。

せめて何か一言「あの時アイツは冷気に怯んで僕を襲わなかったんだ!」とか「そういえばあの時、何かに怯えていたような」みたいな説明台詞(これも完全にこじつけですが)があればいいんですけど、連続で見ている私からすると弱点捏造するなよ!と思わずツッコみたくなりました。

これリアルタイムで劇場に足を運んでいた方々はどう思ったんでしょうか。気になります。

その後、ボルトンの葬儀場にてまたまたトールマンたちとの壮絶な戦いが繰り広げられるお決まりの展開からの、まだまだトールマンの凶行は止まらない

というオチもこれまでと大体同じです。しっかり冷気を活かして戦いますが…

トールマン
死者の兵隊を増やし、世界征服を目論んでいることが今作で明らかになります。
(eclipse-movie.co.jpより引用)

トールマンは引き続き、アンガス・スクリム氏が担当しており、一作目から見ると大分お年をめされていますがその恐ろしさは健在です。

おそらく監督お気に入りのシルバースフィアはモデルチェンジを遂げ、かなり驚きな要素が追加されています。

眼球付きのシルバースフィア
(eclipse-movie.co.jpより引用)

中には死者(厳密にはドワーフにされた死者)の脳みそが入っていたり、偵察要員で眼球が飛び出すスフィアがあったりとかなり面白くなってきます。

そして今回は敵側の新キャラとしてゾンビが登場します。道中でレジーたちに撃退され死亡したチンピラたちがトールマンの手によって復活させられ、従来のドワーフではなく、いわゆるテンプレのゾンビのような見た目となって再びレジーたちに襲いかかります。

(eclipse-movie.co.jpより引用)

既存のゾンビのように噛みつかれたら感染するなどの要素を足すとややこしなくなると思ったのか、普通に素手で殴りますし、めちゃくちゃ喋ります。ゾンビというよりかは意志のある死者という感じです。

なぜこのチンピラたちだけ他と違うの?とは思いましたが、かなりクオリティも高く、コメディポジションとして機能していたので個人的にはかなり良かったと思います。

ちなみにドワーフに関しては『ドワーフは製造過程の副産物で大脳皮質の残りカス。本能と衝動だけで動く』とトールマンが作中で言及しています。

あと、コスカレリ監督は爆発とカーチェイスがやたら好きですね。当然今回も派手にやってくれます。

「ファンタズム」シリーズも残すところあと2作。少々迷走気味ではありますがしっかり最後まで見ていこうと思います。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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