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2020年ベストドラマ 10

いつも最後のほうになってすまん、ベストドラマよ。これ終わらないと1月ドラマを観始められないな。今回は連ドラだけじゃなくて単発ドラマも入れました。コロナで話数もぐっちゃぐちゃになったし、いい機会かと。今年からはネットドラマ、海外ドラマも入れたいけど、まぁ、流れに身を任せよう。

10位 半沢直樹

これは正確にはドラマとは別物の娯楽作なのでここに入れるのは間違いなのだけど、一応ドラマという形を取っているようなのでここで扱います。7年前の、何となくこういう濃い味だったな、、、っていう記憶をより濃くなぞり倒すような極太演出がキマりきってた。全員どこかネジを外してなければ成立しない、狂人の集いでもある。の割にはヨーロッパ企画とかMONOとか小劇団からのキャスティングがあったり、そこのセンスはちゃんと鋭いのもイイ。ベタな展開で笑わせながら胸を熱くさせられるって最高のエンタメよ。

9位 あのコの夢を見たんです。

山里亮太原作、仲野太賀主演の、実在女優を題材とした妄想ドラマ。妄想の幅が広いので、その分各話のテイストもだいぶ違う。ツボな回(特に森七菜、大友花恋、池田エライザはクオリティ高かった)は以外はウームと思うことも多かったのだけど、最終話で一気に反転。妄想と、妄想の中の妄想、という構造が実に切なく胸に来る。橋本愛が演じるヒロインは数あれど、あの描き方をしたことはなかったんじゃないだろうか。ラストは思いっきり「桐島、部活やめるってよ。」のオマージュで美しくゴールを決めていた。

8位 呪怨 呪いの家

このランキング唯一のNetflix作品。極めて良質のホラー。胸糞悪さと不気味さをてんこ盛りにして、ただビックリさせる、恐怖を突発的に起こすだけに留まらない新しい「呪怨」を作り上げていた。実際の猟奇事件や怪死事件を呪怨の名の下にこれでもかと集結させ、ルポルタージュ的な質感の不気味さもプラス。語り部が荒川良々っていう脱力感だけが癒しかと思ったけど彼も段々怪奇に見えてくる罠も仕掛けられている。そして最終的にはまさかのジャンルをホラーに盛り込み、未来型の恐怖を示してくれた。アイデア大賞。

7位 MIU404

野木亜紀子による刑事ドラマ。正直第1話はあれこんなもんか、と思ったんだけど2話からトップスピードで面白くなっていたと思う。散々語り尽くされた作品なので今更添える話題はあるかな、と思うのだけど、やはりラスボスの配置の仕方がとても新しかったと思う。あの菅田将暉がどこから来たのか誰も知らない、何があったのかを誰も知れはしない。ドラマを作りたがる連中をドラマの中で批判対象とするキレ味たるや。あとゲストのキャスティングも素晴らしい。星野源をなぞってか、兼業役者が多かったような気がする。

6位 Living

坂元裕二脚本。広瀬アリス・すず姉妹、永山瑛太・絢斗兄弟、青木崇高・優香夫妻、中尾明慶・仲里依紗夫妻という実際の家族で家族を演じるという作品。単発だろうと短尺だろうと坂元裕二の筆は実に雄弁。広瀬姉妹の微SFな人類観、自意識に苛まれる青木崇高と現実感のない優香が導く深夜の自己対峙、夫婦という関係性をブラックコメディに仕立てた中尾・仲、、様々な角度で人の中身を覗き込んである。特に印象的だったのは永山兄弟の回。すぐそこにある戦争の存在をキッチンから届けていた。清く濁った世界の話。

5位 これっきりサマー

木皿泉脚本によるNHK大阪制作の短編。僅か10分の作品だが、コロナ禍を色濃く反映。マスクつけた岡田健史演じる、甲子園が中止になった高校球児とマスクをつけた南沙良が演じるフェス好きの女子高生による河川敷のお喋りの記録。誰かが誰かを見つめ、思うことについて、たった10分でもしっかり木皿泉だ。自分にとって身近じゃない悲しみに思いを馳せる時時に必要な一匙の優しさがある。誰かにとっての辛さを蹴落としがちな時代にこそ響いて欲しい。どうにもならなかった夏を閉じ込めた、やるせなく優しい物語。

4位 JOKE~2022 パニック配信!

宮藤官九郎脚本の単発ドラマ。生田斗真主演によるワンシチュエーションドラマ。売れない芸人のネット生配信をノンストップで見せながら、そこで起こっていく事象を絡めて描いていく作品で、クドカンらしいコメディ感もしっかりありつつ、かなり風刺のきいた近未来サスペンスだった。見ようによってはホラー。ブレードランナー、攻殻機動隊の系譜に位置する作品だが、これをほぼ1室で描き切る凄み。じたばたし続ける生田斗真の芝居も相変わらず見事。けたけた笑いつつもしっかりゾッとできる、夏にぴったりの作品。

3位 スイッチ

坂元裕二脚本の2時間ドラマ。松たか子と阿部サダヲの主演でリーガルサスペンスという触れ込みだが大幅に違う作劇であった。前半は溜まりに溜まった毒をこれでもかと吐きまくり、後半はいつしかディープなテーマに突入。これぞ坂元裕二、な構成。人間、誰もがいつだって心の内は正しくあれない。社会的な正しさを捨てても何かをなしたいという気持ちがあるとして、それを止めるのと止めないの、どっちが優しさなんだろう、なんてことを考え続けてしまった。坂元裕二の書く台詞は常に何か心の淵に静かに置いていく。

2位 共演NG

サブカルクソ野郎的には、秋元康が絡んだコンテンツにどう向き合うかは永遠の課題なわけですが、今回は見てよかった好例。監督・脚本が大根仁ということで軽妙洒脱な掛け合いとメタ的な笑いが満載の上質なコメディだった。中井貴一と鈴木京香が抜群でこの2人でなければ成立し得ない作品。2人ともすごく余裕ある雰囲気だからこそ、あの転げ回り方がおかしくて仕方ない。途中で、最初の本筋だった共演NGみたいな部分が一旦解決するのもとても好み。お仕事モノとしてもラブコメとしても、ストレスなく観れた。

1位 コタキ兄弟と四苦八苦


古館寛治と滝藤賢一演じる兄弟がレンタルおじさんとして、色んな人の相談に乗ったり、乗らなかったりしながら進む話。野木亜紀子が「MIU404」の前に書いたこの作品。山下敦弘監督の手によってゆったりとしたテンポとオフビートなコメディに仕上がってはいるのだが、こそっと忍ばせた社会への目線がとても効いてた。両極端な兄と弟が喧嘩しながら会話を交わしていくことが、結果としてメッセージを押しつけない形になっていて、理想的な野木ドラマだったように思う。一緒に学び、アップデートされる喜びってある。

ベスト映画ととともに、上位5作を語るポッドキャストも更新しました。

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