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オンラインライブを観た⑤(Drop’s/Base Ball Bear/ばってん少女隊)

7.11 Drop‘s×紅布 配信ライブ 「LOVE ON AIR」

Drop’sが新宿・紅布とのタッグで贈るライブ配信。最新作『Tiny Ground』と4年前に出た前作『DONUT』を中心としたセトリ。結果として、4年間でのバンドの変化を流れで示すような公演となった。「グッド・バイ」で厳かに幕を開けたかと思えば、ポップスとしての側面を強めた最新曲「天使とラストシーン」や爽やかな夏の潮風と涼やかな心地をもたらす「EAST70」が続く。往年の歌謡ポップスにも接続する「アイラブユー」、ダンスミュージックのグルーヴを持ち込んだ「Lost in Construction」など多彩な楽曲陣。ブルース/ロック向きなはずの中野ミホ(Vo/Gt)の歌声もいつしか伸びやかな表現力を獲得していた。

中野がアコギに持ち替えての「部屋とメリー・ゴーラウンド」、「どこかへ」といったずっしりした質感のナンバーはどんどん滋味を増しているし、「SEEET JOURNEY BLUES」のようなラウドさを持つ楽曲もよりポジティブに鳴らすようになったのがここ最近のDrop’sだ。愛好家たちにウケる以上の支持を求めるトライアル、その結実は『Tiny Ground』のリード曲となった「Tシャツと涙」に明らかだ。ポピュラリティと本質が折衷された新たな名曲だと思う。アンコールで演奏された「未来」の力強い優しさはこの状況下をも包み込む。今のDrop’sの自然体な強さが詰まった90分公演だった。


<setlist>
1.グッド・バイ
2.天使とラストシーン
3.East 70
-MC-
4.アイラブユー
5.Lost in Construction
6.CLOUD CITY
-トークパート-
7.部屋とメリー・ゴーラウンド
8.どこかへ
9.SWEET JOURNEY BLUES
10.Tシャツと涙
-encore-
11.未来


Base Ball Bear LIVE IN LIVE〜IN YOUR HOME〜(7/9終演)



5月から行われてきた動画公開ツアー、前半の印象はこの記事に書いたけど、ここでは後半の感想を。曲順のストーリー性にグッときてしまうのがベボベのツアーで、今回も終盤の流れが秀逸。長尺でしんしんと降り積もる自己との対話を行う「新呼吸」で深夜から夜明けを描いた後、「changes」の<何かが変わる気がした 何も変わらぬ朝に いつもより少し良い目覚めだった>と繋がる流れ!アルバム『新呼吸』の制作段階で終曲を「changes」にする予定もあり、それを踏襲した9年ぶりの再構築とも読める。東日本大震災を受け、自身の日々と向き合った『新呼吸』の草案をこのコロナ禍に再び編み直す。実にベボベらしい、この日々と自己との対話ではないだろうか。


最終曲は「ポラリス」。ここまで、4ピースの曲をより研ぎ澄ませたり、極限まで削ったりして3ピース仕様に変換する、という曲が多かったのでその差異を楽しむ部分が大きい企画だったけど、この曲に関しては見せ方含めてオフィシャルMVにしたらいいのに、というレベルの、楽曲そのものの旨味が凄すぎる作品。3人が歌うことで決定づけられるオリジナリティは当然あるけど、3人が演奏するという当たり前のようなことでさえ、今や強靭なアイデンティティに変えてしまったのだからこのバンドの道は今後も絶対に面白いはず。近いうちに何らかのアクションもあるそうなので、震えて待つ。

<setlist>
1.いまは僕の目を見て
2.すべては君のせいで
3.転校生
4.GIRL FRIEND
-MC-
5.どうしよう
6.新呼吸
7.changes
8.ポラリス


・ ばってん少女隊 - 結成5周年!!!Specialオンラインライブ(06/21/2020)


節目の公演すらもまともに叶わないなど、コロナ禍のアイドル不遇っぷりはかなりのものだが、ばっしょーは早めに立ち直った。なんせ、昨秋からビクターとの契約は切れるし、キャラクター性抜群のメンバーの脱退など、ただでさえ逆境な状況なわけで、ここからはもう立ち上がるほかない。メンバーカラーを排し、ぐっとシックに仕上げたアーティストイメージ同様、昨年までの勢い重視なスタンスを刷新してある。5年目ともなると、当時のままではいられない。あの頃と現在進行形の今との間で生じる歪みをいかに自然に修正できるかがアイドルの息の長さに繋がってくると思うのです。


そういう意味で、5週連続リリースのシングルは週を追うごとに違う面を見せていくようでとても良い。「ありがとーと」はばっしょーの屋台骨であるスカコア曲で、今までより大きめに描かれたメロディが新しい。「でぃすたんす」みたいなファンクナンバーは当然新たな側面だし、「Over」なんてストンプですからね、アイドルソングとしても珍しい部類では。こういう楽曲たちが昔の曲と呼応し合って、違う景色を描いていく。あぁ久々にライブではしゃぎたいなぁという気分になるライブであった。


<setlist>
1.おっしょい!
2.ありがとーと 
3.よかよかダンス 
4.Killer Killer Smile 
5.ますとばい! 
6.でぃすたんす
7.びびび美少女 
8.ハカタダンスホールベイベー 
9.Over

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