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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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2024年3月の記事一覧

完全犯罪に猫は何匹必要か?~読書記録412~

完全犯罪に猫は何匹必要か?~読書記録412~

完全犯罪に猫は何匹必要か? 東川篤哉

「『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!? そこでは10年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた! 事件の鍵を握るのは“猫”? 本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者を招く!

お馴染みの鵜飼探偵

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イスラームの論理と倫理~読書記録411~

イスラームの論理と倫理~読書記録411~

イスラームの論理と倫理  2020年 中田孝/飯山陽

イスラームは、穏健で寛容で民主的な、平和の宗教か? かたや男性・イスラーム法学者にしてイスラム教徒=中田考。かたや女性・イスラム思想研究者にして非イスラム教徒=飯山陽。ともにイスラームを専門としつつも、立場を異にする二者が交わす、妥協を排した書簡による対話。
IS、トルコ・クルド問題、アフガニスタン中村哲氏殺害、ハラール認証、イラン情勢、コ

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幽霊の恋人たち~読書記録410~

幽霊の恋人たち~読書記録410~

幽霊の恋人たち: サマーズ・エンド  ローレンス,アン【作】〈Lawrence,Ann〉/金原 瑞人【訳】

夏の終わり、ベッキーの家にふらりとあらわれた流れ者のレノルズさんは、ベッキーたち三姉妹に幽霊と恋におちた人間の物語をはなしてきかせる…。イギリスの農場の生活や自然の風景の中で展開される話中話の不思議な魅力。

アン・ローレンス(Ann Lawrence、1942年 - 1986年)はイギリ

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平等バカ~読書記録409~

平等バカ~読書記録409~

平等バカ-原則平等に縛られる日本社会の異常を問う 池田清彦 2021年

新型コロナワクチン接種の大混乱
緊急事態宣言下での東京オリンピック強行
拡大し続ける経済格差、公平じゃない消費税、
勘違いした多様性――偽りの「公平」から目を背けるな! 『ホンマでっか!? TV』でおなじみの生物学者・池田清彦が説く、
不平等な現実に向き合う知恵と教養

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり大混乱が起きた

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パティの宇宙日記~読書記録408~

パティの宇宙日記~読書記録408~

パティの宇宙日記 ジル・ペイトン・ウォルシュ 岡本浜江訳

宇宙船の旅はとてもたいくつだった。それにおそろしくながかった。とうとう全員が誕生日を四回もむかえて、この旅が永遠につづくように思えてきたころ、ガイドが、目的地まであと数か月ですといった。けれど、あと数か月ときくと、みんなは喜ぶかわりに不安になりはじめた。

ジル・ペイトン・ウォルシュ(Jill Paton Walsh、1937年4月29日

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心の傷は言ったもん勝ち~読書記録407~

心の傷は言ったもん勝ち~読書記録407~

「心の傷」は言ったもん勝ち 中嶋聡 2008年

「心に傷を受けた」と宣言したら、あとはやりたい放題。詳しい検証もなく、一方的に相手を加害者と断罪する――そんな「エセ被害者」がのさばっている現代日本。PTSD、適応・パニック障害から、セクハラ、痴漢冤罪、医療訴訟まで、あらゆる場面で「傷ついた」という言い分が絶対視されている。そう、「被害者帝国主義の時代」が到来したのだ。過剰な被害者意識はもうたくさ

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専門家の大罪~読書記録406~

専門家の大罪~読書記録406~

専門家の大罪 池田清彦 2022年

新型コロナワクチンの深い闇、地球温暖化・脱炭素の欺瞞、
病気をつくりだす医者、権力に迎合する科学者――
「国民を愚弄するのはもうやめろ!」
『ホンマでっか!? TV』でもおなじみの
“生物学の専門家”池田清彦が、専門家のねつ造・虚言を喝破する!
知の巨人による、真相を見極める知恵と教養

コロナ禍の感染症対策で、「専門家」の言葉がかつてないほど注目を集め、

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空を駆けるジェーン~読書記録405~

空を駆けるジェーン~読書記録405~

空を駆けるジェーン ア−シュラ・K.ル・グウィン 村上春樹訳

村上春樹訳“空飛び猫”シリーズ

翼を持った6匹の猫たちは、納屋の前の庭でのんびり平和に暮らしていました。ところが、ジェーンは同じことのくりかえしでしかない毎日に物足りなさを感じていました。彼女はある日、冒険に出かけます。いくつもの農場の上を飛び、たどり着いた都会で彼女を待っていたものは。『空飛び猫』シリーズ第4弾。

今回も又楽しま

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自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋~読書記録404~

自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋~読書記録404~

自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋 池田清彦 2020年

『ホンマでっか!? TV』でおなじみの生物学者・池田清彦氏が放つ痛快エッセイ。自粛警察という同調圧力、感染者は徹底的にゼロを求めるリスクゼロ幻想、なんとなく多数派にのる政府と国民……コロナ禍で明らかになったのは日本の過剰な「ことなかれ主義」だった。他人にも自らにも過剰に「自粛」を求める結果が、現在の日本社会の閉塞感とも言え

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密室の鍵貸します~読書記録403~

密室の鍵貸します~読書記録403~

密室の鍵貸します 烏賊川市シリーズ 東川篤哉

しがない貧乏学生・戸村流平(とむらりゅうへい)にとって、その日は厄日(やくび)そのものだった。彼を手ひどく振った恋人が、背中を刺され、4階から突き落とされて死亡。その夜、一緒だった先輩も、流平が気づかぬ間に、浴室で刺されて殺されていたのだ! かくして、二つの殺人事件の第一容疑者となった流平の運命やいかに? ユーモア本格ミステリの新鋭が放つ、面白過ぎる

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ヒトの壁~読書記録402~

ヒトの壁~読書記録402~

ヒトの壁 養老孟司 2021年

病気はコロナだけじゃない。そして、死は誰にでも平等にやってくる。新型コロナウィルス禍と五輪、死の淵をのぞいた自身の心筋梗塞、愛猫まるの死――ヒトという生物であると実感し、2年間の体験からあらためて問い直す。人生そのものが、不要不急ではないか。それでも生きる価値はどこにあるのか。84歳の知性が考え抜いた、究極の人間論! 「壁」シリーズ4年ぶり待望の最新刊。

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