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#10 読書を思考する「14歳」★4:『4TEEN(フォーティーン):石田衣良』(2022-10-04-②06)

★内容紹介(裏表紙より)

東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない――。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。
《新潮文庫:内容紹介(裏表紙より)》

★『4TEEN(フォーティーン):石田衣良』を読んで…

第129回(2003年下期)直木賞受賞作品。東京月島に住む中学2年生のナオト・ダイ・ジュン・テツローの仲良し4人組。悩み多き14歳。彼らは堅い友情で結ばれ、何かあれば集まり語り決定し自転車に乗り行動する。自由のようでそこは揺れ動く14歳。子供っぽさとちょっとした大人っぽさとを併せ持つ微妙な年ごろ。彼らは今日も自転車で颯爽と月島の風を切る…。
身も心も揺れ動く大人への扉14歳。友情をベースに恋、性、病気、暴力や死等悩み受け止め行動し青春を謳歌する。青春時代の厳しくも淡い思いを個性豊かな4人組が表現し駆け抜ける”14歳(4TEEN)”を8編の短編で描き分ける。
読者は4人組にその時の自分を重ね合わせるに違いない。”何故かよき思い出の多い14歳だったなぁ”と色んなことを思い出す。日本版”スタンド・バイ・ミー”とは言い過ぎかもしれないが。”懐かしさ”。そんな読後感が味わえる作品。大人事情の直木賞作品は数作読んだが少年時代の作品は初めてかもしれない。直木賞選考委員北方謙三の「~ハックルベリー・フィンを読んでいるよう~」の評言が印象に残る…。

★14歳…

14歳。中学2年生~3年生に該当する14歳。Wikipediaによると

14歳
日本
・刑事責任を問うことができるようになる(刑法41条)。
・小児科受診の基本的上限年齢(受診を制限するものではない)。
・人口調査上の「児童」上限。
《Wikipediaより一部抜粋》

とされている。”未成年ではあるが刑事責任が問われ、少年法により原則家庭裁判所で審判を受ける”こととなる。つまり法令上責任が問われる年齢が14歳のようだ。”14歳の行動には責任が問われる。しかし未成年ということもあり法令上でも守られている”。また”人口調査上の「児童」の上限であること”。「児童」としての面も併せ持つ。”責任を問われるという大人の面と人口調査上の「児童」としての子供の面とが入り乱れている微妙なお年頃が14歳”ということか。

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☆14歳ってどんなんだったかなぁ~…

本を読みながら”自分の14歳ってどんなんだったかなぁ~”って思い浮かべてみた。思い浮かべてみると以外にも良き思い出が多く浮かぶ…。

勉強の成績がクラスで上位ベスト5に名を連ねるようになる。それまでの中学1年生時は25位前後か。クラスの成績順位が上がり親からも先生からも周りの友達からも褒められるようになったのは嬉しかったなぁ
サッカー部にて一時期レギュラーを掴む。こんなリフティングも50回も出来ないドリブルスキルもなくただ単に走って、芽を摘んで、繋ぐだけの特徴と貢献度しかない選手をレギュラーとして使ってくれたことは嬉しかったなぁ
先生が管理していたクラスのバトミントンラケットを折ってしまい代わりのラケットを持って先生に謝りに行った。先生は特別怒ることなく許してくれた。その後クラスの別の生徒がこれまた先生が管理していたクラスのラケットを破損してしまい先生に報告せずにいた。それを見つけた先生から放課後のHPで皆にお叱りのお言葉があった。その中で先生は”バトミントンラケットを折って謝りに来た生徒がいた。先生は凄く嬉しかった。壊したことが問題じゃない。皆で使う運動具を壊してそのことを報告もなく黙っていたことが問題だ!”と。自分を例にお叱り。叱られたことは致し方ない。自分を良い例に叱ってくれたこと。今でも覚えているなぁ

その他にも幾つか思い浮かぶ。よいことも楽しいことも切ないことも…。今はよき思い出の14歳だったな。

◎つぶやき

4人組の青春グラフィティーといえば”スタンド・バイ・ミー”を思い出す人が多いかもしれない。残念ながら自分は思い出せずひたすら”自分の14歳はどうだったかなぁ”と想像していた。当然”ハックルベリー・フィン”や”トム・ソーヤー”等も思い浮かばず。読後に閲覧したサイトや評言、感想等で知る。想像力が足りないよな。
そんな事を思いつつnote記事に書いてみた。書くことで足りない何かを調べ、創造する。創造することで自分の中でまた新しい何かが創造される。「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」『アイデアの作り方:ジェームス・W・ヤング』にある。多種多様な既存をインプットして知る事で無限のアイデアが浮かび上がる。アイデアは浮かぶだけではそこで終わってしまう。アイデアをアウトプットすることでアイデアが姿形となって現れ現実のものとなる。インプットとアウトプット。偏りは否。多様な創造を生むインプットとアウトプット。苦とならず楽しみながらインプットとアウトプットが出来たらいいですね。

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