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七夕に込めた少年の願い。手術へ勇気与える一打。阪神・原口選手が逆転サヨナラ勝ちにつながるタイムリー。自身も大腸がん手術を経験

七夕に子どもたちの願いを叶えたい。手術を控える少年は、大好きな野球チームの選手から「がんばれ」と言ってほしかった。阪神の原口文仁選手(32)は勇気を与える一打を放った。逆転サヨナラ勝ちにつながるタイムリー。自身も5年前に大腸がんの手術を受けて復帰した。九回2死からの快音は少年へ「がんばれ」と発していたはずだ。

7月7日に甲子園で行われたDeNA戦。阪神は追い込まれていた。4-5と1点を追う九回の場面。2死満塁と塁を埋めた展開で、球場内に「原口選手」の名がアナウンスされた。

代打で登場した原口選手。「この場面をイメージして準備していました」。最高のシチュエーションで打席に立った。

原口選手がひと振りに賭ける。その初球。DeNAの5番手投手の投じた151キロの外角直球。原口選手は狙いすましたかのように、ライトへ弾き返した。

極端な前進守備を敷いていた右翼手は、キャッチするとライトゴロを狙って一塁へ送球。しかし、これが大きくそれた。ボールは一塁のファールゾーンを転々とする。三塁走者に加えて、二塁走者も生還。6-5と逆転サヨナラ勝ちだ。

この日、原口選手は「夏のこどもまつり」企画の一環で、今秋に手術を控える小学5年生の少年に会って激励した。少年の短冊には「麻酔や点滴が怖いですが、大好きなタイガースの選手に会って頑張れと言ってもらいたい」と書かれていた。

原口選手も2019年に大腸がん手術を経験して復帰した。少年に「俺も多少の不安はあった」と経験を語った後に、「看護師さん、先生とかお父さんお母さんがずっとそばにいて、一緒にがんばってくれるから、勇気を出してがんばって」とエールを送った。

原口選手は手術を控える少年に勇気を与える一打を放ちたかった。「こういう時に打てて良かったと思うし、お子さんも良い思い出になったのでは」と原口選手は振り返った。そして「勇気を与えたかった。手術がんばって」と少年へエールを送った。

七夕に込めた少年の願い。原口選手がひと振りで応えた。秋に受ける少年の手術が成功しますように。私も願っている。

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