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常識を疑えば活路は開ける。「イチローさん型」の広島・小園選手が4番打者で大活躍。本塁打ゼロでも、4番起用後の5勝すべてで決勝打。パワーがなくても4番は務まる!

常識を疑えば活路は開ける。広島の小園海斗選手(23)が4番打者に起用され大活躍を続けている。プレースタイルで言えば、走攻守三拍子そろった「イチローさん型」。パワーヒッターではないが、今月に入り4番を任されてから、5勝2敗。勝ち試合のすべてで決勝打を放っている。「4番は大砲」という常識を打ち破った広島の戦術が奏功している。

広島は貧打にあえいでいる。今季のセリーグで得点数は84、本塁打数は14といずれもリーグワーストだ。試合数が少ないこともあるが、それでも打てているとは言えない。

そこでチームが選んだ戦術は小園選手を4番に起用することだった。4番といえばヤクルトの村上宗隆選手のように、ホームランをかっ飛ばすタイプが起用されやすい。

広島はそんな常識をかなぐり捨てて、「リードオフマンタイプ」の小園選手に望みを賭けた。

7日にプロで初めて4番を任されてから、小園選手は7試合で7打点を挙げている。しかもチームもその間、5勝2敗と好調。この5勝すべてで、小園選手が決勝打を放っているのだから、この戦術は完全に「大当たり」となった。

17日にホームの広島で行われた巨人戦。初回にいきなり小園選手がチャンスで快音を響かせた。2死三塁で左打席に入った小園選手。相手は今季巨人の開幕投手を務めた戸郷翔征投手だ。

カウント1-1からの3球目。真ん中低めの134キロフォームをとらえると、ライト線への先制タイムリー二塁打となった。

広島は四回に1点を追加し、2-0で巨人を振り切った。4番に定着した小園選手の先制タイムリーが決勝打となった。

小園選手は高校時代、兵庫の報徳学園で主に1番打者を務め、夏の甲子園8強に勝ち上がる原動力となった。走攻守に優れるプレースタイルはイチローさんをほうふつさせる。

小園選手は広島に入団してから、背番号51を付けている。現役時代のイチローさんと同じナンバー。元々、イチローさんは広島の天才打者前田智徳さんに憧れていた。その前田さんがつけていた番号も51だ。

小園選手、イチローさん、前田さんに共通するのは、パワーで打つのでなく、テクニックで打つタイプだということ。小園選手は「安打製造機」の流れを受け継ぎながら、「4番打者」という新たな道を歩んでいる。

小園選手は今季の本塁打はゼロ。プロ入り6年目だが、シーズン最多本塁打は2022年の7本。「大砲タイプ」とは、かけ離れている。

「4番は大砲」という常識を捨てて、広島がヒットメーカータイプの小園選手に4番を任せた策は見事にはまっている。パワーがなくても4番は務まるのだ。

常識を疑うこと。そこから活路は開けてくる。こいのぼりの時期は過ぎても、新たな策を講じたカープが、スイスイ上流へと上がっている。常識をかなぐり捨てた広島と小園選手に、これからも注目だ。

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