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短期決戦の勝ち方、教えます。楽天が創設20年目で交流戦初V。18試合でわずか6失策。堅守のチームは「サイレントキラー」。最終戦もセリーグ首位の広島に守り勝った

このチームは短期決戦の勝ち方を知っている。楽天が球団創設20周年の節目にセパ交流戦で初の優勝を果たした。全18試合でエラーがたった6個と堅守が光った。それは最終戦でも変わらなかった。セリーグ首位を走る広島に守り勝ち。交流戦で13勝5敗と8つの貯金を積み重ねた。クライマックスシリーズ(CS)に進出したら、恐ろしい存在となりそうだ。

17日にホーム仙台で行われた楽天の交流戦ラストゲーム。セリーグトップの広島との戦いは初回から楽天の持ち味が出た。

それは守備からリズムを作ること。初回、1死一、二塁のピンチを背負った楽天。しかし相手の4番打者をショートゴロに打ち取り、「6-4-3」のダブルプレーで難を逃れた。

二回の守備も1死一、二塁と得点圏に走者を抱えた。しかし相手の8番打者をピッチャーゴロによる「1-4-3」の併殺で無失点に切り抜けた。

楽天は堅守でリズムを作り広島に重圧をかけていく。それが二回の攻撃に表れた。1死から浅村栄斗選手と渡辺佳明選手の連打で一、三塁の好機を作る。

続く太田光選手の打球はショートゴロ。二塁に送球して併殺コースと思われたが、ショートからの送球を二塁手が捕球ミス。楽天が1点を先制した。さらに2死二、三塁では内野ゴロを一塁手が後逸して2点を追加。楽天は計3点をプレゼントされた。

守備の明暗が序盤の展開を如実に物語っていた。楽天の好守が試合の流れを引き寄せていく。それが攻撃にプラスに働く。三回には鈴木大地選手が今季1号となる2ランを放って5-0とリードを広げた。

「楽天好守劇場」はまだ続く。七回。この回先頭の広島の6番打者がセンターに抜けそうな当たりを放つ。しかし、ショートの村林一輝選手が回り込んでキャッチすると一回転しながら一塁へストライク送球。アウト!ファインプレーで相手にチャンスを作らせなかった。

楽天は終盤に3点を返されるが、5-3と逃げ切った。両チームの守備が明暗を分けた試合。楽天は守り勝った。

この日、楽天が勝ち、優勝争いを繰り広げていたソフトバンクが敗れたため、楽天が交流戦初優勝を決めた。

交流戦の打率ランキングで楽天の選手は上位10人に入っていない。防御率トップテンでも早川隆久投手が0.39で3位に入っているだけ。

派手さはない。それでもしっかり守備で試合の流れを作って、勝利を積み重ねた。

交流戦は別のリーグの6チームと3試合ずつ計18試合を戦う短期決戦。その中で勝ち上がるには、しっかりリズムを作りチームが波に乗ること。楽天は好守で流れを引き寄せて、短期決戦の栄冠を手にした。

楽天は現在パリーグ4位。首位ソフトバンクに11ゲーム差をつけられているが、2位日本ハムとは2.5ゲーム、3位ロッテとは2ゲーム差だ。十分にAクラス入りを狙える位置にいる。

楽天がプレーオフのCSに進出したら恐ろしい存在となるだろう。しっかり好守でリズムを作り、自らの方へ流れを引き寄せる。守備は地味かもしれないが、じわりと相手のリズムを崩していく。楽天は好守で「サイレントキラー」的な存在となるだろう。

楽天にとって20年目の節目に好守でつかんだ交流戦初V。守備力の強さは短期決戦のCSで大きな武器となるだろう。楽天が交流戦の勢いに乗って、CSへ進出するか。期待を込めて見守りたい。

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