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不測の事態が起きた時に、どう乗り切るか。全国大学ラグビー。落雷の影響で1時間中断。帝京大は前向き思考に切り替えて3連覇達成

人生において、いろんな計画を立てて準備をする。しかし不測の事態は起こりえる。そんな時に、どう乗り切るかが重要だ。全国大学ラグビー決勝でも、試合中に落雷による影響で1時間も中断した。帝京大は前向きな思考に切り替えて、この事態を乗り越え3連覇を達成。どんな時でも前向きに。楕円球のドラマは、人生の道しるべをも伝えてくれた。

13日に東京・国立競技場で行われた全国大学ラグビー決勝戦。2連覇の帝京大に明治大が挑む試合だった。

前半3分に帝京大は、高本とむ選手がトライを決めて先制。このまま一気に帝京が突き放すかに見えた。ただ得意のスクラムで押し込みたいのに反則してしまうなど、気持ちが空回りしていた。

試合開始早々に雨が降り始め、落雷の影響で、前半22分ごろに試合が中断した。試合が中断するなんて、選手たちには想定外だったろう。グラウンドからいったんロッカールームへ引き上げる。帝京大の江良颯主将も「初めての経験で、どうギアを上げようか」と迷っていた。

この時、帝京大前監督の岩出雅之顧問からアドバイスが来る。「あと60分で終わるはずだったのに、(試合)時間が延びたのはうれしいことと考えればいい」。

大学4年生にとっては、帝京のユニホームを着て戦う最後の試合。その誇りと喜びを、中断した時間だけ長くかみしめられる。

中断した時間は約1時間。通常80分で終わるラグビーの試合。中断時間も含めて、計2時間20分も、この試合を戦えるのだ。

再開後、帝京は江良主将がトライを決めてリードを広げた。明治の反撃を受け、2トライを返されたが、2点リードで前半を終えた。

後半は帝京が底力を見せた。2トライを奪う一方で、明治にはトライを許さなかった。34-15と突き放して、大学3連覇を達成した。

雨がみぞれに、さらに雪になる悪コンディションだった。それでも帝京の選手たちは「長く試合ができる」というポジティブ思考に切り替えて戦った。それだから、厳しい試合環境でも、前向きな気持ちを貫き通せた。

不測の事態が起きても、前向きに思考を切り替える大切さ。楕円球のドラマは、人生の道しるべをも伝えてくれた。

悪コンディションの中、3連覇に輝いた帝京大に祝福を。そして前半2点差にまで追いつめて意地を見せた明治大もたたえたい。

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