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「お帰りなさい、輝星くん!」。地元秋田で、日本ハムの吉田投手が凱旋登板。温かい応援を受け5回途中まで投げる

4年前の夏の甲子園で「カナノウ旋風」を巻き起こしたエース。秋田の金足農から日本ハムへ進んだ吉田輝星投手(21)だ。21日に地元秋田での公式戦で凱旋登板。5回途中までだが、今季最長イニングを投げて、地元のファンらに成長ぶりを披露した。

秋田のこまちスタジアムで行われた楽天戦。吉田投手は今季リリーフ中心で投げており、先発は、この試合が3度目だった。

2018年夏。第100回の全国選手権大会で、秋田代表は金足農だった。11年ぶりの甲子園出場。地元の人たちは並々ならぬ期待を込めて、球児たちを送り出したはずだ。

秋田大会で、吉田投手は初戦を3安打完封。2回戦で150キロをマーク。決勝では昨夏の甲子園出場校の明桜を完封し頂点へ駆け上がった。その決勝で11奪三振。秋田大会での1試合平均の奪三振も11.9と怪腕を見せつけた。

秋田の「ドクターK」ともいえるピッチャーが全国へ行く。そこでも、秋田大会のように大活躍してくれるはず。地元が期待を込めるにふさわしい右腕だった。

そして、甲子園でも快投を続け、秋田県勢では第1回大会の秋田中学以来となる決勝進出を果たした。「決勝の大舞台」に立つ選手たちを、秋田の人たちは喜ばしく応援していたはずだ。

その後、吉田投手は日本ハムのドラフト1位指名を受けてプロに進み。4年目のこの日。地元のマウンドを踏んだ。

「お帰りなさい、輝星くん!」。まるで近所の子が久しぶりに里帰りしたように、温かい応援が、吉田投手に送られていた。NHKのBS放送によると、高校時代の吉田投手の活躍で、野球に興味をもった女性が球場を訪れていたそうだ。

140キロ台中盤のストレートと、130キロ台のフォークを武器に4回まで無失点。5回に2点を奪われマウンドを下りたが、中継ぎ中心で投げている今季の最長イニングを投げた。結果的に負け投手となったけれど、地元の人たちに、十分に成長した姿を見せることができた。

この日に吉田投手を先発させるとは。「ビッグボス」新庄剛志監督の演出も見事だ。東北に拠点を置く楽天のホームゲームだったが、吉田投手の先発で、日本ハムのホームゲームのようにも思えた。

高校野球で活躍した地元の生徒が、プロ選手となってふるさとを離れる。そして、地元で行われる試合で、晴れ姿を見せてくれる。

地元の人たちにとって、最高のプレゼントだろう。こういうシチュエーションでの試合は格別だと思う。私もテレビを前に、「ほっこり」した気分で、野球を満喫できた。

「お帰りなさい、輝星くん!」。秋田に住んでいない私でも、そう声をかけたくなった。


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