見出し画像

人が裁くのだから、間違いもある。高校野球のリプレー検証はセーフ?アウト?高野連の議論「賛否は半々」。青春の完全燃焼へより良い環境を!

人が裁くのだから、判定に絶対はない。当然、間違いもある。高校野球の判定をめぐりリプレー検証を導入するべきか議論されているそうだ。賛否は半々と言われている。球児たちの全力プレーは青春の完全燃焼だ。運営側も最大限配慮してほしいところ。果たして、リプレー検証導入はセーフか?アウトか?

日本高校野球連盟の宝馨(かおる)会長は1日、理事会後の会見で、リプレー検証導入について議論されていることを伝えた。「審判委員の中でも賛否が分かれているが、ビデオ検証の議論をしている」と語った。

あの試合が議論の契機になっているんだなあと思った。今年の夏の神奈川大会決勝の九回の場面のことだ。

この試合は慶応対横浜のゴールデンカードで、会場の横浜スタジアムは満員の盛況だった。春夏甲子園出場を狙う慶応と、夏の神奈川大会3連覇をめざす横浜。人気校同士の好カードだった。

試合は八回を終えて、横浜が5-3とリードする展開だった。慶応は最終回に先頭打者がヒットで出塁。次打者は二塁正面へのゴロ。併殺と思わせたが、二塁も一塁もオールセーフの判定となった。

この直後に慶応は3ランが飛び出て、6-5と試合をひっくり返し、そのまま頂点に駆け上がった。

その時のセカンドゴロは二塁手がショートへ送球、これがセーフと判定され、誤審ではないかとネットを中心に騒ぎになったのだ。審判はショートの選手が二塁ベースを踏んでいないと判断したのだ。「踏んだ、踏まない」論争がその後、繰り広げられた。

もしも二塁がアウトだったならば、その後にホームランが出ても、慶応は同点止まり。延長戦でどちらが勝っていたかは分からない。

おそらく、この判定が契機となって、リプレーについて議論されることになったのだろう。神奈川の決勝でゴールデンカード、勝敗を左右する場面での判定だったために、高野連側でも議論が必要となったはずだ。

リプレー検証をめぐっては、「教育の一環としてやっている高校野球でそこまでしないといけないのかという意見がある一方で、誤判定がいつまでもインターネット上で流されてしまう時代なので、そういうことを防ぐ意味でも」と宝会長は語っている。

この発言だけで判断するのは軽率だが、私には選手側の思いが反映されていないように思われた。「教育のためにやってあげている」「ネットに流されると審判が困る」。大人の事情が目立ち、選手たちの思いが反映されていない。

一球一打に全力を尽くす球児たち。それは青春の完全燃焼だ。選手たちの思いを考慮するならば、より良い環境でプレーしてもらう。そう努めるのが大人のあるべき姿ではないだろうか。

むしろ、私が懸念するのは、運営側の各地方高野連にそれだけの余力があるかどうかだ。地方大会の開催では潤沢な資金のある高野連がある一方で、財政面で厳しい高野連も存在する。リプレー検証を導入できる資金的、人的余裕があるかどうかなのだ。

人が裁く以上、判定に間違いもあるだろう。それを防ぐためにも、余裕があるならば、リプレー検証は導入されるべきで、より正確なジャッジができる環境で、選手たちに試合をしてほしい。

青春を完全燃焼できる環境を整えてほしい。その視点を踏まえたうえで、リプレー検証を議論してほしいと切に願う。

この記事が参加している募集

スキしてみて

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?