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「きょうまでの100年、きょうからの100年」。選抜高校野球100年。170秒に込められた選手宣誓。今ありて、未来も扉を開く。球児たちはこれからもがむしゃらに白球を追う

きょうまでの100年。そして、きょうからの100年。選抜高校野球が開幕した。今年で100年を迎える大会。開会式では青森山田高の橋場公祐主将が高らかに選手宣誓を行った。「今ありて、未来も扉を開く」。球児たちはこれからも、がむしゃらに白球を追い続けるだろう。これこそが青春。どんな状況でも、高校生は前へ進み続けていく。

18日に甲子園球場で行われた開会式。大会に選ばれた32校の選手たちが一歩一歩力強くグラウンドを行進した。

選手宣誓では、8年ぶり3回目の出場となる青森山田の橋場主将が高らかに宣誓。冒頭の「今ありて、未来も扉を開く」は、大会歌「今ありて」のサビの部分と重なる。選抜100年を迎えるにあたり、橋場主将は高校野球史をしっかり盛り込んだ言葉を紡いだ。

そして「唯一無二の仲間とともに大好きな野球に打ち込める」喜びを伝えている。歴史と伝統を重ねた憧れの甲子園。これまで数多くの高校球児が夢見てきた聖地。そのひのき舞台に仲間とともに立てた。この喜びを、ずっと忘れないでほしい。

一方で今年の元日に起きた能登半島地震に思いを馳せた。橋場主将の後方には、被災地の石川県から出場する星稜高と日本航空石川高の主将の姿がテレビに打ちし出された。

被災地の方たちが今も困難の多い生活を送っている中で、自分たちができることは何か。「目の前の白球をがむしゃらに追い続けること」と橋場主将は伝えた。球児たちの全力プレーは、被災者の方たちに勇気と希望を与えてくれるはずだ。

「きょうから始まる選抜大会を次の100年に向けた新たに一歩にする」と宣言した。過去があり、今がある。そして、未来へとつながっていく。橋場主将は「きょうまでの100年。きょうからの100年」と宣誓して、締めくくった。

「今ありて」を作曲した歌手の谷村新司さんは昨年10月に亡くなった。作詞した阿久悠さんは2007年に他界している。大会歌に込めた思いを、橋場主将が選手宣誓で伝えてくれた。谷村さんは阿久さんとともに、天国で微笑んで見守っていたことだろう。

170秒に込められた選手宣誓は、高校野球の叙事詩であり、未来に向けたメッセージとなった。密度の濃い2分50秒の宣誓だった。

きょうまでの100年。そして今ありて、きょうからの100年に。選手たちの全力プレーが新たな歴史を生み出していく。白球をがむしゃらに追う選手たちを応援し続けたい。

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