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人生は何が起こるか分からない。だから、あきらめない。プロ野球は伏兵がサヨナラ打。大相撲は上位陣が総崩れ。競馬は14番人気がGⅠ初制覇。大歓声、座布団、涙の一日

5月のスポーツは荒れ模様だ。プロ野球では不調の伏兵がサヨナラ打。大相撲では1横綱4大関の上位陣が総崩れ。競馬の14番人気がGⅠレース初優勝。ドーム球場には大歓声が沸いた。国技館では座布団が飛んだ。競馬場では騎手の目に涙が浮かんだ。弱者が強者を食う。人生は何が起こるか分からない。だから、あきらめない。

プロ野球では、昨季パリーグ最下位の日本ハムが好調だ。昨季リーグ2位のロッテ相手に3連勝。12日の試合では逆転サヨナラ勝ちを収めた。

殊勲打を放ったのは不調に陥っていた23歳だ。水野達稀選手は前日から5打数連続三振を喫していた。

2点を追う九回裏。日本ハムは同点に追いつき、なお1死満塁。サヨナラのチャンス。ここで、新庄剛志監督は不調の水野選手に代打を送らず、そのまま打席に立たせた。

意気に感じた水野選手は2球目のスライダーをライト前へ運び、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。伏兵の決勝打に、日本ハムのホーム、エスコンフィールドに押し寄せた3万人超のスタンドは沸いた。

そして、両国国技館では、大相撲夏場所の初日。大関の霧島が前頭二枚目の豪ノ山の押し出しで敗れる。続く貴景勝も押し出しで敗れ、さらに琴桜も押し出され土俵を割った。そして豊昇龍は上手投げで敗れて、4大関がすべて敗れた。

ここで結びの一番。横綱照ノ富士が土俵に上がる。上位陣の意地を見せたいところだったが、小結大の里にすくい投げで敗れた。1横綱4大関が敗れる大波乱。

横綱・大関が5人以上出場しての総崩れは、2006年の秋場所6日目以来18年ぶり。初日では昭和以降初だ。国技館は騒然となり、座布団が乱れ飛ぶ事態となった。

そして競馬のGⅠレースでも歴史的な大波乱が起きた。牝馬限定のヴィクトリアマイルが東京競馬場で行われたが、勝ったのは単勝14番人気のハッピーローズだった。2着に1馬身4分の1差を付ける快勝。単勝の払戻金は2万860円と高額配当となった。

15頭立てで行われたレースでブービー人気の6歳馬が先頭でゴールを駆け抜けた。重賞レースを勝ったこともない伏兵の大勝利。昨年8月のレースを勝って以降、7着、6着と、5着以内の着順表示板にすら載らなかった馬がビッグレースを勝ち取った。

鞍上の津村明秀騎手(38)は騎手21年目。GⅠレース48回目の挑戦で初の栄光をつかんだ。レース後、「なかなかGⅠの舞台に手が届かなくて。ここまで頑張ってやってきて本当に良かった」と目に涙を浮かべた。

5月のスポーツ界に押し寄せた大波乱の一日。でも、こういうことがあるからこそ、スポーツの楽しみも増す。人生も何が起こるか分からない。あきらめずに生きていれば、きっと良いことがある。そう教えてくれた大波乱続きの一日だった。

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