「土俵際」のDeNA。日本シリーズ。ホームでソフトバンクに2連敗。ここから逆転の下剋上を果たすために、必要なのは先取点
「土俵際」に追い詰められたDeNA。日本シリーズで早くも黄信号だ。ホームの横浜でソフトバンクに痛い2連敗。29日からアウェーの福岡で戦うことになる。両チームが対戦した前回2017年の頂上決戦では、DeNAはアウェーで3戦全敗だった。過去の結果からDeNAは瀬戸際に追い詰められたことになる。逆転で下剋上を果たすために必要なのは?
27日のホームゲーム。前日の試合を落としたDeNA。この2戦目をものにして、シリーズ成績をタイにしたいところだった。
しかし、この目論見はいきなり「絵に描いた餅」となる。初回、いきなりDeNAは先取点を許した。2死一塁で打席に立ったのは、ソフトバンクの4番山川穂高選手だった。
DeNA先発の大貫晋一投手がカウント1-2から投じた4球目。119キロのカーブが真ん中に入った。相手のスラッガーのバットが一閃。打球は空高く上がりレフトスタンドへ。いきなり2点を奪われることに。
前日ノーヒットだった4番打者に、先制アーチを浴びた。初戦で敗れたとはいえ、相手の4番打者に快音は出なかった。ここでシリーズ全体を通じて、山川選手を相手打線のブレーキ役にできれば、DeNAに活路が見えたかもしれなかった。
それがいきなりホームランを打たれたことで、ソフトバンク打線の火付け役にしてしまった。これで勢いに乗ったソフトバンクが三回に3点、四回に1点を追加して、6-0と大量リードの展開に。
DeNAは五回に2点、七回に1点を返したが反撃もここまで。3-6でゲームセット。ホームで痛い2連敗を喫した。
DeNAが日本一になるためには、29日から行われる福岡の3試合のうち最低2勝を挙げなければいけない。しかし過去のデータから、そう簡単にはいかないのだ。
2017年の日本シリーズ。両チームが対戦したが、福岡で行われた第1、2、6戦でDeNAは全敗しているのだ。
今回のシリーズはホームで0勝2敗。計算上、まだ一つ負けることができるが、悠長なことは言っていられない。早くも「土俵際」に追い詰められたと考えるべきだ。
ここからDeNAが逆転で日本一となるためには。過去の失敗を繰り返してはいけない。
前回の対戦で、福岡で敗れた3試合は、いずれもソフトバンクに先制点を許している。まずはDeNAが相手の強力打線を抑え続けて、打線が先取点を取ることしかない。これでDeNAペースに持ち込み、試合を進めていくしかないのだ。
これは「弱者の兵法」かもしれない。しかしセリーグ3位から勝ち上がってきたDeNAには、下手なプライドをかなぐり捨てる勇気があるだろう。パリーグを圧倒的な力で制したソフトバンクに勝つためには、残された手はわずかしかないのだから。
ホークスファンほぼ一色となる福岡での戦い。DeNAには厳しい戦いが予想される。「土俵際」からの逆転日本一。かすかに残された希望を胸に、第3戦以降も奮闘してほしい。29日の第3戦が楽しみだ。
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