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困難な状況でも最後まであきらめずに駆け抜けた。都道府県対抗駅伝の石川チーム。その姿は被災した人たちへ、そして全国へのエールになったはず。40歳ランナーも力走

参加するのに意義がある。そして最後まで駆け抜けたことにも。都道府県対抗駅伝に出場した石川チームは47位だった。避難所生活を送った中学生がいた。エントリー変更で40歳ランナーが走ることになった。それでもタスキをつなぎ走り切った。「最後まで」。この思いが力となり、被災した人たちへ、そして全国の人たちへエールとなったはずだ。

21日に広島で行われた大会。能登半島沖の被害に見舞われた石川の代表チーム。出場の中学生には避難所生活を余儀なくされた選手がいるなど、大会に向けて十分に練習を積めない中での出場となった。

エントリー変更があった中で、40歳の中村高洋選手が出場。大会初の40代ランナーとなった。17年ぶりに石川のユニホームを着ての参加。8.5キロの3区を走った。区間40位。

中村選手はこの結果に「個人的には不本意」としながらも、沿道からの「石川頑張れ」の声援に感謝の思いが強かった。「これだけ多くの石川を応援してくれる人がいるということを、石川の方々に伝えたいと思います」。

大会には2つの中学生区間がある。2区と6区(いずれも3キロ)だ。石川チームの2選手は中能登中学の選手。昨年行われた全国中学校駅伝で3位に入った。本来であれば、その勢いに乗って、今回の大会でも十分に準備を重ねて走れたことだろう。

しかし地震の影響で休校となり、練習できる環境ではなかった。それでも広島の地で勇姿を見せてくれた。これがどれほど大人たちへのエールになったことだろう。健闘した姿に、こちらの頭が下がる思いだ。

石川のメンバーたちは「みんなで明るく、たすきをつなごう」と話していたそうだ。最終7区(13キロ)を走った福山拳太選手は笑顔でゴールした。沿道からの声援に感謝の思いもあったはず。そして被災した人たちへのエールにもなったはずだ。

石川チームは最下位の47位だった。区間最高は3区の27位。準備が十分でない中で、区間40位台の選手がほとんどだったことは仕方ない。

困難な状況にある中でも、努力して最後までやり通す。これは被災した人たちだけでなく、日本中の人たちが受け取ったメッセージだ。

今大会で優勝したのは長野チーム。3連覇を果たし、2時間17分0秒は大会新記録となった。圧倒的な強さを見せてくれた。優勝した長野に祝福を送りたい。

そして最後まで健闘した石川チームをたたえたい。困難な状況の中でもあきらめずに挑む姿。全国の人たちが勇気をもらえた。

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