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「甲子園はこの男のためにあるのか!」。日本ハム・郡司選手は仙台育英と慶応が母校。プロ入り初の2発を放ち、両校の後輩たちに最高のエール


「甲子園はこの男のためにあるのか!」。こう叫びたくなるプロ野球選手がいる。日本ハムの郡司裕也選手のことだ。母校は仙台育英高→慶応大。23日に行われる全国選手権決勝で、仙台育英と慶応のどちらが勝っても気分は最高だろう。そして前日の自らの試合ではプロ入り初となる1試合2本塁打を放った。両校の後輩たちへエールとなる一発に思えた。

郡司選手は仙台育英時代に2015年の春夏の甲子園に出場。夏は決勝まで勝ち進み、東北勢初の甲子園Ⅴまであと一歩と迫った。大学は慶応大に進学した。

実は高校時代の第1志望は慶応高だった。しかし不合格。慶応大に進んだのも、「KEIO」のユニホームへの憧れがあったからだろう。

「慶応は、大学も含め義塾としてやっている」と話す郡司選手。だから今回の決勝進出の2校は郡司選手にとって、どちらも後輩なのだ。

2019年に中日にドラフト4位指名を受けてプロ入り。今年、日本ハムにトレードで移籍した。プロ入り4年目の25歳は北の大地でレギュラー争いに必死の日々だ。

そして22日にホームの北海道で行われた楽天戦。6番指名打者でスタメン出場した郡司選手は初回にレフトへ2ランを放った。六回にもレフトへソロ本塁打。プロ入り初となる1試合2発を放ってチームの勝利に貢献した。

自らの活躍で、甲子園決勝を戦う後輩たちにエールを送った。試合後は決勝を戦うどちらを応援するのかと尋ねられると、郡司選手は「それを聞かれたらどうしようかと思っていました。中立でお願いします」とかわした。どちらが勝ってもうれしいはずだ。

そして2年前の甲子園決勝でも、どちらが勝ってもうれしい元名将がいた。高嶋仁さんだ。智弁学園と智弁和歌山で指揮をとり、いずれも甲子園に導いた。智弁和歌山では春夏3度の優勝に導いた。

その両校が2021年に「智弁決戦」に臨んだ。高嶋さんのお孫さんの奨哉さんが智弁和歌山の選手としてプレーし、優勝に貢献。高嶋さんは終始にこやかな表情で、この決戦を見守った。

今年の決勝を、郡司選手は高嶋さんのように終始笑顔で見ることだろう。自分があと一歩で手にできなかった全国制覇を、どちらが勝っても後輩が成し遂げてくれるのだから。

冒頭に書いた「甲子園はこの男のためにあるのか!」。このオリジナルのフレーズは「甲子園は清原のためにあるのか!」。38年前の甲子園決勝で2本塁打を放ってPL学園の日本一に導いた清原和博さんのために、テレビの実況が叫んだフレーズだ。

エースの桑田真澄さんとともに「KKコンビ」で甲子園に一時代を築いた清原さん。プロ入り後も活躍を続け2000本安打を達成した。その清原さんの次男、勝児選手が慶応の選手として決勝に臨む。父子2代の全国制覇は達成されるだろうか。

多くの人たちからのエールを受けて、23日の甲子園決勝が行われる。ガンバレ仙台育英!ガンバレ慶応!そしてプロの世界で先輩の郡司選手もガンバレ!

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