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こんな文章を書いています

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ぼくがとくべつ好きなこたちです 仮想のビートに乗せて どうかどうか
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記事一覧

乱雑な輪郭

乱雑な輪郭

鳩は悲しんでいる。
癒えない夜の真中の隙間に、挟まって、留まってるあなたが邪魔で。尋問して絡まってく価値観。
巻貝の渦巻。鯨の目頭。伊勢エビの殻。鮪の叩き丼。重低音。望まれないまま暮らすクラスタ。
トビウオの世界一周旅行達成目前に巻き込まれた竜巻。その時死んだ最古の微生物が4年後最新のテクノロジーの結集により蘇る。
青函トンネルを彷徨い続ける白い魚の亡霊。
シンプソン砂漠から果てなくサラサラ飛んで

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アンビバレンスジュエリー

どうして
私程度がわかんないんだろうな
妄想して
ほつれた話を
したから疲れたな
破片はなくした
あなたもあの子もきっとそれらを察して
勘ぐっちゃう
どうせってどうせ
底しれたこの目の宝石
どんなに集めたって
土砂に飲まれて死んでく

green romance

うとうと

うとうと

例えばミルフィーユのラビリンスにあなたがいたとして。ミルフィーユのラビリンスってなんだって話ですけどそれはその何層にも積み重なった幾何学的な?あの、そう模様の、迷路だって事が言いたかったんですけど、お菓子の壁でできてるって訳じゃなくてそういう事が言いたかったんですけど、はい。そこであなたが、突然目覚めて、わけも分からないまま連れてこられて目が覚めたら急に、なんだここ、ミルフィーユのラビリンスだ!っ

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見えないもの
忘れたいこと
戻れない今日は
隠れて もういいよ

火照る三日月

火照る三日月


重力150% のっそりゆったり人は歩く

入道雲もゆっくり 淀んだ空気の街は枯れる

相当焦った左車線100キロオーバーバイパスで
透明マントを被ったヒーロー疲れた身体に突如のめり込む

あいや みな ココロから そら 天手古舞舞 自作自演
逃げたいな みな お外から そら 先生揃って 見ぬ振りです
勿体ないからココロしな そら 皆楽しく笑っていたい
超爆発 Let's スーパーノヴァノ

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夜の田んぼ

夜の田んぼ

見つけちゃった見つけちゃった
そんな子供干してしまえ
枯らしちゃった枯らしちゃった
とどのつまりのして蹴った

板に乗ったあなたたちは次の次の遠い君に
苦し紛れ吐いて捨てたもう昔の宿り木に
風を切って放り捨てた夜の田んぼ気持ちいいね
ああだこうだ空に舞った赤と黒の僕の声

見届けてた見届けてた
生ぬるさと暑苦しさ
寝かしつけた寝かしつけた
廻る月の方

見つからないように息を殺して
扉を開けて閉め

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文章から逃げ出してしまいたい。

そこに纏まった文章など無く、断片的な言葉の連続があればそれでいい。

散りばめられたピースから読者が流動的に受け取ってくれればいい。

視覚的で、感覚的で、ロジックはないが、レトリックがあればいい。

情報の紐が肌に巻きついて、擦れて、痛い。

初日の出

口を馬鹿みたいに大きく広げて、ゆっくりと溶け落ちてくる虹の雫を受け取ります。

悴んだ手を分厚いコートのポケットに入れたまま、通りすがりのマラソンランナーに会釈します。

少し山を下ると展望台があって、お正月になると町の人達がみんなそこに集まって同じ初日の出を寄り添って眺めます。

山の頂上から見える景色はいつも靄がかっていて、思うように景色は見えないけれど、見上げれば世界一綺麗な大空が4光年先ま

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大抵寝る前、たまにマシンガンみたいに頭の中に乱射される強迫観念の様な脈絡のない言葉の大群。あまりに煩いので一回書き出してみました。

ものがたりを
かくべきですか

あなたのはなしを
かくべきですか

それはれきしですか
もうそうですか

あなたのれきしは
ぼくのもうそうですか

あなたのもうそうも
ぼくのもうそうですか

あなたのもそうで
ぼくのもそうですか

それとも

あなたのもうそで
ぼくのもうそですか

カノン

カノン

雨 降り始めた夜の11時
曇りガラスを開けずに見た月は
僕に今残った全部の歴史を
今さら摘み直させるんだ
暗闇に飽き飽きした僕は外の声に
ただじっと耳をすまして聞いてみたんだ

神様がいた窓越しの大きな光は
地平線の彼方から伸びる銀河鉄道の線路を
大きな楕円の螺旋状に連ねていた

汽笛を鳴らして何処かへ 連れられて行く君を
追いかけずにただ僕はじっと寝転ぶ夜だ
昔 願った僕の幸福主義を 踏みにじる

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見過ごしたんだ

見過ごしたんだ

池袋駅に止まって開いたドアをじっっと見つめて、ただ見つめて、動かないで、ただじっと見つめる。それが何を意味するでも、その先に待つ何があるでもない。ただその行為思考から、意味を引き剥がしてそれから完全なフラットになるんだ。いいかいそのまま、そのままにしておくんだ。

上板橋〜!上板橋〜!朧気な視界に何とも言えぬ浮遊感。再び産まれ落ちた現実は、生暖かいプラットホームに流れるサイボーグの鳴き声と少し効き

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僕はこの町を待ってた

僕はこの町を待ってた

あれはある昼下がりの、夕方の日差し迫る、いい風の吹く頃の事でした。

いつものように崖を登って空を眺めていると、何処からか列車が通り過ぎてゆく音が聞こえてきました。

当然、周りに線路など無いし、空耳にしてはちょっと長いし鮮明に聴こえたので、これはこれは不思議に思って、ぼおっと、悪戯に時を浪費し黄昏ておりました。

時刻は午後5時過ぎ。

暫くすると夕焼け小焼けのチャイムがじわりと遠くから聞こえて

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イカに蝕まれながら

イカに蝕まれながら

賞味期限切れの感動の名曲を思い出した夕方の車内はセピアで塗り尽くされた遺跡だった。

公衆便所で目を覚ました明け方の僕は、さっきまで気にしていたはずの彼女の在処を既に大海へ流してしまっていて

見知らぬ街は面影を再生するたびに姿形を変えて何処へとやらへ逃げていく。バイパスに面した生活がおもむろに人々の正気を蝕んでいくのが何故だか目を通して解るようになっていた。

失った正気を取り戻した僕は、再び公

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