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短編小説

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#夫婦

『その時差、7時間』

『その時差、7時間』

妻の桜子が、会社からのドイツのデュッセルドルフへの赴任を命を受けて、この部屋からいなくなったのは3年前。その前からふたりで借りていた部屋は、桜子がいないぶん、ひとりでは持て余すほどに広く感じる。たった1年ちょっとしか、ふたりでは居なかった。

こちらはいつものように仕事が終わるとすぐに、桜子に定型連絡のようなメールをする。"おつかれさん。今日はどんな感じかい? こっちは終わったぜ"と。

ドイツは

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『今度は一緒に』

最愛の妻が夭折してから、そろそろ2年。
思い返すだけでも哀しい交通事故だった。

その日から1年ほどして、俺はある日、あんなに大好きだったはずの仕事を辞めた。
「どうしてまた急に…」と上司には言われたが、「とても業務を続けられる精神状態じゃありません。皆さまにご迷惑をかける前に辞めさせてください」と話を通してもらった。
それから妻の温もりや声、たくさんのふたりの記憶の詰まった部屋に引きこもり、彼女

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『ランチデート』

『ランチデート』

 時計は11時半。有楽町のオフィスにいるあたしのもとに、携帯にメールが入る。旦那だ。"おひるどや?(^-^)"とだけ書かれていたが、それで状況は全て理解できた。ランチを一緒に食べよう、というお誘いだ。まったくもう、どんだけあたしのことが好きなんだ。でも、こういう誘いは嫌いじゃない。
 間もなく12時になろうという頃、「桜子さん、そろそろお昼ですけどどうします~?」と隣のデスクの後輩の瑞希ちゃんが聞

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