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酔いどれ雑記 38 水の都


ヴェネツィアには4度くらい行ったのですが、ほとんど写真を撮っていません。どうせまたそのうち来るだろうと思って写真を撮らなかったり、土産を買わないのはちょっと旅慣れた旅行者あるあるだと思いますが、後悔する確率が高いので、これが最後かもしれないと写真を撮るなり、行きたい場所を見学しておくなりしておいた方が賢明そうです。また行くことが出来たとしても、観たかった場所が見られなくなっているという可能性もゼロではありませんからね。

イタリアで、ヴェネツィア以外の大きな都市で行ったことあるのはローマ、ミラノくらいです。フィレンツェに行ったことがないのは痛恨ではありますが、ルネサンス美術にはさほど興味がないしまぁいいやと思っておきます。生きていればいつか行くかもしれません。ヴェネツィアは何だかいるだけで幸せな場所でした。当時はちょっぴりリア充だったというのも無関係ではないのでしょうが、あの街の雰囲気はほかのどこの国のどの街にも比べがたいものです。

ヴェネツィアの思い出で印象深いのは、ドゥカーレ宮殿を見学していた時にアメリカ人と思しき母子がいて、男の子が「ねぇママ、'Doge'ってなぁに?」「'Doge'というのはね、昔ヴェニスを治めてた偉い人達のことよ(総督)。Not like B..h」と時の米国大統領の名を出したので思わず吹き出してしまったことです。

あとは、同行者と夜、とあるレストランの予約をしていて、水上タクシーで向かったのですがドライバーがパトロール中の警官に停められてしまいました。どうやら休業しなくてはいけない日に仕事してしまっていたようで(イタリア語はからきしですが、やり取りから何となく分かりました)、調書を取られ、おそらく罰金も払ったのではないかと......。その間30分くらい、私たちはボートの上でただ待つだけしかできず。これが陸地というか路上なら「別のタクシー拾うから!」ってことになったんでしょうけれど、ヴェネツィアならではのハプニングですね。まぁ予約も間に合ったし、こういう予期しないことでもあとで「あの時はね......」と笑い話になるようなことなら楽しい旅の思い出と言えるでしょう。

あらまぁ、私にしては随分普通の、癖のない話でしたね。タイトルも安直ですし......。今ちょっと重いテーマについて書いているので、その箸休め的に思い出したことを綴ったのです。たまにはこういうのもいいでしょう。ああ、書いていたら「私が死ぬまでにもう一度行きたい街」にヴェネツィアも入れたくなりました。現在6か所ですが7か所に......?斯くして私はなかなか死ねそうにないのである。

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