里山百手プロジェクト

栃木県鹿沼市南摩地区で、 地域から得られる 自然の恵み、知恵、技術、人のつながり を共…

里山百手プロジェクト

栃木県鹿沼市南摩地区で、 地域から得られる 自然の恵み、知恵、技術、人のつながり を共有することで、 自由に生きるための百の手段、百手先を見る洞察力、手を取り合える百の仲間をつくることを目指すプロジェクト。

最近の記事

2021年度 里山百手プロジェクトまとめ

2021年度の里山百手プロジェクトで行った授業について、全授業の振り返りをこの記事でまとめたいと思います。昨年度は授業毎に記事を書いていましたが、今年度は本業が多忙になり、なかなか時間が取れなかったのでこのような形になりました。 長くなりますがお付き合いください。 はじめに 本年度の授業は、 ①生徒のみんながやりたいことを地域の方々の力を借りて実現するもの ②僕からの提案 の2つの軸で進めることにしました。 まず①のみんながやりたいことは何か、最初の授業で意見を出し合いま

    • 「私はこうありたい」を考える。

      里山百手プロジェクト、今年度の三年生との授業はこれが最終回となりました。 最後のテーマは、「自分はこうありたい」「こういう風になりたい」を考える。 話の始まりはこの人から。 弘法大師、空海。かの偉人、空海が、海を渡って日本へ持ち帰ったものといえば、【真言密教】です。 空海はその経典とともに、密教の信仰に必要な道具【法具】も日本へ持ち帰りました。 こういうものです。 この法具の役割は、「頭に全て入れておくには深淵すぎる密教の教えを分解し、それらを少しずつ法具に込めることで、

      • 玉ねぎドレッシングのCM動画制作

        里山百手プロジェクト、第十三、十四回目の授業は「玉ねぎドレッシングのCM動画制作」。以前の授業で、加工調理、パッケージデザイン、マーケティングを学んだ玉ねぎドレッシングを実際に販売するべく、その宣伝動画を制作します。 動画の企画、撮影、編集まで全て生徒達が自分達で考えて行います。 今まで行った授業を振り返り、複数回分を横断する思考が必要であること。その上で自分達らしい表現とは何かを考えることを求めました。 また、デジタルツールに慣れ親しむことも重要だと考え、一班に一つずつiP

        • 中学生がつくるカフェ④「ありがた屋」

          里山百手プロジェクト、第十二回目の授業は「地域に感謝を伝えるカフェ」の最後の回。4店舗目は「ありがた屋」です。 どんなカフェにするかを検討した回は以下の記事をご覧ください。 どんなカフェにするかを検討する中で、「ありがた屋」のメンバーは “いかに楽しい時間を過ごしてもらうか”⇄“自分達にできることは何か” この思考を反復させて考察を深めていったと講師として観察していて感じました。 そうして出した答えは 『接客をエンターテイメントにする』! カフェの接客にマジックショーを取り

        2021年度 里山百手プロジェクトまとめ

          中学生がつくるカフェ③「カフェ 穂っと」

          里山百手プロジェクト、第十一回目の授業は「地域に感謝を伝えるカフェ」の3店舗目。 どんなカフェにするかを検討した回は以下の記事をご覧ください。 今回の店舗名は「カフェ 穂っと」。 名前の由来はメニューカードに想いと共に書いてくれました。 "穂っと"に込められた思い 私達が暮らす南摩地区はいろいろなことに恵まれています。自然や人、そして季節ごとに色や形を変えて美しい景色をつくる田や稲穂。私達は穂という字に恵への感謝の思いを込めました。そしてほっとできる時間を過ごしてほし

          中学生がつくるカフェ③「カフェ 穂っと」

          畑の恵みを余すところなく使い尽くして価値の最大化を目指す!

          里山百手プロジェクト、第十回の授業は、給食用の玉ねぎの皮で草木染めに挑戦! 給食で食べるために育てた玉ねぎ。大きく育ったものは予定通り給食に。小さいものは加工してドレッシングに。そしてそれらから出た食べられない部分=皮まで余すところなく使い尽くします。 玉ねぎの原産地は中東アジア。ということは、デパートなどで見かける高級なペルシャ絨毯やギャッベなどにも玉ねぎで染めたものがあるはず。考え方によっては、ドレッシングへの加工よりも更に価値の大変化が生まれる可能性があります! また

          畑の恵みを余すところなく使い尽くして価値の最大化を目指す!

          畑作業を通した地域交流。

          里山百手プロジェクト、第九回は学校給食用の玉ねぎの定植作業を、南摩中、南摩小、上南摩小の3校の子供たちが集まって、みんなで行いました。 玉ねぎの苗の掘り出し。 中学生が小学生に教えながら植え付け作業。 中学生のみんなが小学生に手取り足取り作業を教えてあげてくれました。 みんな優しかったなぁ。 作業は滞りなく進み、無事に玉ねぎの植え付けが完了しました。来年の給食で実際に自分達で食べることになります。収穫も無事に迎えられますように。 収穫は6月なので、残念ながら中学三年

          畑作業を通した地域交流。

          中学生がつくるカフェ②「Surriento miento」

          里山百手プロジェクト、第八回は先週に引き続き、「地域に感謝を伝える一日カフェ」を開店します。企画の詳細は下記の記事をご覧下さい。 二店舗目は、「Surriento miento」。 新型コロナウイルス感染拡大を受けて、地域の人々はなかなか都内の高級レストランなどで外食することが出来なくなってしまった。それを受けて、少しでも高級レストランで過ごすような時間を提供できたらという想いから。店名の由来は、高級レストランっぽい響きのイタリア語をとった。 YouTubeで“一流の接客”

          中学生がつくるカフェ②「Surriento miento」

          中学生がつくるカフェ①「カフェ ブーケ」

          里山百手プロジェクト、第七回からは、4チームからなる「地域に感謝を伝える一日カフェ」を順次開店していきます。 どんなカフェにするかを検討した授業の様子は、下記の記事をご確認ください。 一店目は「カフェ ブーケ」のチーム。 テーブルセットは手づくりのメニューと、マスクケース、コースター。折り紙でつくった花で彩りを添えて。 店内には南摩地区の風景の写真を飾り付けて、地域愛を表現しました。 時間もない中でしたが、みんなで一所懸命準備して当日を迎えました。開店時間の30分前に集

          中学生がつくるカフェ①「カフェ ブーケ」

          価値の循環を農から感じる。

          里山百手プロジェクト、第六回のテーマは「価値の循環を農から感じる」。 一見すると不要なゴミに思えてしまうものも、循環する価値の一部である。それは価値の循環を俯瞰してみることでわかります。 また、不要なものだと思えるものも、見方の角度を変えると価値が見つかることもある。農を通して、視点の多角化の有用性と、循環する価値のつながりを感じてもらうのが今回の狙いです。 久しぶりに教室を出て、畑での授業です。今回は南摩小学校の三年生、上南摩小学校の三,四年生も参加してくれました。 ゲス

          価値の循環を農から感じる。

          地域に感謝を伝えるカフェづくり。

          里山百手プロジェクト、第五回のテーマは「地域に感謝を使えるカフェづくり」。講師(福田)が営むカフェ「一本杉農園 蒔時」を使って、中学生のみんなが“一日カフェ”を開店することになりました。 クラス28名を7人ずつの4班に分けて、それぞれの班でどんなカフェをつくるか考えます。 まずはじめに、今回のテーマである「地域に感謝を伝えるカフェ」という言葉を丁寧に解釈すべく、ここで言う「地域」とは何を指すものとして今後の話を進めるかを確認します。 漫画ONE PIECEのアラバスタ編に

          地域に感謝を伝えるカフェづくり。

          畑の商品の売り方を考える。

          前回の授業でつくったデザインを瓶に貼ってみました。様々なアイディアが出て、みんなの感性が溢れた素晴らしい作品ばかり。中学生がたった2コマの授業時間で作ったなんてビックリしませんか? みんなすごいなー。今日はこの自分でつくったデザインの瓶を手元に置いて授業をします。 里山百手プロジェクト、第四回のテーマは「畑の商品の売り方を考える」。 “マーケティングの神様”フィリップ・コトラー先生のマーケティング理論をなるべくシンプルに伝えながら、その理論に準えて、人生において役に立つ

          畑の商品の売り方を考える。

          畑の商品をデザインする。

          里山百手プロジェクト、第三回のテーマは「畑の商品をデザインする」。 前回調理した玉ねぎのドレッシングを、実際に商品として販売すると想定した場合、どんなデザインの商品にするかを考えます。 はじめに書いておかなければいけないと思いますが、講師である僕(福田)はデザインを生業としているわけではなく、デザインに関して専門的な勉強をしてきたわけでもありません。素人です。 この授業で伝えたいのはデザイナーになるための知識や技術ではなく、商品を自分の頭と手で生み出すという体験。興味や

          畑の商品をデザインする。

          畑のもので商品をつくる。その価値の変化を考える。

          里山百手プロジェクト、第二回のテーマは「畑のもので商品をつくる。その価値の変化を考える。」。 学校給食用に栽培し、今年の春に収穫した玉ねぎを使って、ドレッシングをつくります。 給食用には調理員さんの作業の都合上、サイズの大きな玉ねぎしか使うことができず、小さな玉ねぎは現状では行き場がありません。小さな玉ねぎの活用法は、学校給食用の野菜を栽培、供給する「なんま夢やさいプロジェクト」にとって課題でした。 そこで今回は、今年とれた小さな玉ねぎを学習の素材として活用し、さらに今

          畑のもので商品をつくる。その価値の変化を考える。

          畑を通して「食べる」を考える。

          里山百手プロジェクト、第一回のテーマは「畑を通して「食べる」を考える」。 実際に畑で農作業をし、その後教室に戻って対話形式のワークショップを行いました。 白菜の苗の定植と、ニンジン、玉ねぎの種蒔き。 ここで育てた野菜は、収穫後、給食で中学生のみんなが自分で食べることになります。 芽吹音農園の石原くんに講師に来てもらい、プロの指導のもとみんなで作業。 みんなまじめにしっかりと取り組んでくれたので、作業はスムーズに進みました。 今後の野菜たちの管理について、育ち方や手順を

          畑を通して「食べる」を考える。