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畑の商品をデザインする。

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里山百手プロジェクト、第三回のテーマは「畑の商品をデザインする」。
前回調理した玉ねぎのドレッシングを、実際に商品として販売すると想定した場合、どんなデザインの商品にするかを考えます。

はじめに書いておかなければいけないと思いますが、講師である僕(福田)はデザインを生業としているわけではなく、デザインに関して専門的な勉強をしてきたわけでもありません。素人です。
この授業で伝えたいのはデザイナーになるための知識や技術ではなく、商品を自分の頭と手で生み出すという体験。興味や衝動のタネを蒔きたいのです。
デザインするって楽しい!面白い!って思ってもらえたらいいな、と思って内容を考えてみました。

まず初めに、「ドレッシングのデザイン」と言うと、『パッケージにどんな絵を使うか』というイメージになってしまいがちだと思います。
それではよくないと思い、「デザイン」という言葉が広義に包含する意味について共有しました。

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ここで検討するデザインには、上記のように大きく分けて3つの方向性があると考えます。

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ドレッシングで説明してしまうとネタの先だしみたいになってしまうので、お醤油を例に説明しました。

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①機能のデザイン は、パッケージにどんな絵を使うかではなく、商品の使い心地や使い勝手、機能性を高めるような方向のデザインを指します。

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②装飾のデザイン  は、パッケージにどんな色や絵を使うかということです。

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③文脈のデザイン  は、商品に設定や物語をつけることで魅力を高めたり付加価値を生むことを指します。

商品を紹介しながら、3つそれぞれの「デザイン」という言葉の狭義の意味について説明しました。
今回、①機能のデザイン については、検討するとしたら「ビンの形状やビン以外の容器について検討する」や「栄養的に有益な機能を持たせる」などが考えられますが、それは難易度や時間の都合で省略しました。

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言い換えると、
②ビンに貼るラベルシールをデザインする。
③商品名を考え、なにか設定を加え、商品の背後にある物語を編集する。
という作業をするということ。
⬇︎例えばこんな商品くらい、大いに発想を飛ばして、自由に楽しく面白おかしく考えて欲しいと伝えました。

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インド人完全無視カレー。これは嘘でもない、詐欺にもならない「設定」を加えて商品の魅力を高めている好例として紹介。一見ネガティブに見えるような設定がユーモアを伴ってポジティブに働くこともあります。
このくらい飛ばした発想ができると面白くなってきます。
発想を飛ばして自由に考えてもらうために、特別ルールを設けました。

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大喜利のような状態になってもいいくらいだと思って、生徒のみんなに振ってみたつもりです。
では、デザイン開始。
今日考えるのは、
・装飾のデザイン
・文脈のデザイン
・価格
です。装飾のデザインを制作するのには、パソコンを用い、「Canva」というアプリを使いました。

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南摩中学校のオリジナルキャラクター「なんまん」もデザインに使いたい人は使えるようにデータを用意しました。

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色んな発想のラベルが出てきました。
まだ全部のラベルを見られていませんが、パソコンでcanvaを使ってラベルデザインを作るにはとても楽しいので、
僕が考えていたよりも「かっこよく」「オシャレに」と意識が向いてしまったかなぁ。
でもかっこよくしたい人はかっこよくするもよし。オシャレもよし。
そこに文脈のデザインを合わせた時、しっくりこなかったらまた直せばいいので。
価格、装飾のデザイン(ラベル)、文脈のデザイン(設定や物語)を、行ったり来たりしながら3つのバランスを整える。その思考の行き来が商品を洗練させていくはず。また、その思考は、普段の買い物でスーパーやコンビニに行った時、売っている商品を見る目を肥やすことにも繋がるはずと期待しています。
来週は、実際に出来上がったラベルをビンに貼ってみます。
商品の体をなした自分の作品を手にした時、どんなことを感じるか。みんなの反応が楽しみです。
商品が完成した後には、それを販売するとしたらどう宣伝し、どういう販路を使い、いかに売るかを一緒に考えます。

里山百手プロジェクト 第三回
講師 福田大樹

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