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畑のもので商品をつくる。その価値の変化を考える。

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里山百手プロジェクト、第二回のテーマは「畑のもので商品をつくる。その価値の変化を考える。」。

学校給食用に栽培し、今年の春に収穫した玉ねぎを使って、ドレッシングをつくります。
給食用には調理員さんの作業の都合上、サイズの大きな玉ねぎしか使うことができず、小さな玉ねぎは現状では行き場がありません。小さな玉ねぎの活用法は、学校給食用の野菜を栽培、供給する「なんま夢やさいプロジェクト」にとって課題でした。
そこで今回は、今年とれた小さな玉ねぎを学習の素材として活用し、さらに今回生徒のみんなと一緒に見出せるであろう様々な加工、商品開発のアイディアを、今後の規格外野菜の活用に生かしていくことを狙います。

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出来上がったドレッシングは、その場で味見しました。
残った玉ねぎをスライスしたり、講師が当日自身の畑で収穫してきたものや、直売所で仕入れた野菜を下処理して、みんなに思い思いに皿に盛り付けてもらいました。

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↑こちらは講師が盛り付けた見本。

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盛り付け次第で印象がかなり変わりますね。こういうのは楽しくやるのが一番ですが、同じ材料を同じ皿に乗せるだけでも、その美しさの違いで人が感じる価値が変わってしまうことを実感してもらえたのではと思います。

ここからが本題です。

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加工したことによって、玉ねぎの価値はどう変わったのか?

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給食用に、¥110/kgで納品している玉ねぎです。

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ここで頭の体操。数学の問題。ドレッシングにかかった材料の原価を計算してもらいました。回答時間5分。チクタクチクタク…

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答え合わせをすると、こうなります。

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使った玉ねぎは11円分。ドレッシングにするとその価値はどう変わるのか。
ちなみに、Amazonで「ドレッシング」と検索するとこんな感じ。

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南摩中からほど近い、粟野町にある食堂「近江屋」さんでもドレッシングを製造販売していました。それがこちら。

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(近江屋さんはドレッシングはもちろん、お料理もとっても美味しいですよ。オススメです。)

なんとなく価格感が掴めましたでしょうか。
次に、今回作ったドレッシングを、原価を元に一般論通りの値付けをしたらどうなるか、考えてみます。

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原価率3割で計算する方法はこれ。
この式を元に、先程出したドレッシングの原価を当てはめて販売価格を計算してみます。容器代110円も計算に入れてもらいました。回答時間5分。チクタクチクタク……

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こうなります。
一見高いように感じるかもしれませんが、今回作ったドレッシングは550mlほどできているので、ml/円で考えると近江屋さんのものと大差ありません。容器代も100円ショップじゃなくてちゃんと探せばもっと抑えられますね。というわけで、少々乱暴ですがこの価格で妥当であるという前提で話を進めさせていただきます。
では、命題に戻りましょう。
11円の玉ねぎの価値はどう変わったでしょうか?

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この価格で売れると仮定した場合、みんなの手間と工夫によって、11円の玉ねぎの価値は約90倍に跳ね上がったことになります。
凄くないですか?
僕らは土と手があれば、0⇨1の価値を生み出し、さらには1⇨90に価値を増大させることだってできる。
そんな実感を味わってもらいたいと考えた授業でした。

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来週は、実際に今回のドレッシングを「自分ならいくらで売りたいか」を考え(その理由や根拠も考え)、その価格で売るにはどんなパッケージデザインにすればいいのか。そのデザインを自分でつくる授業です。
どんな商品が出来上がるか、今からワクワクします。

里山百手プロジェクト 第二回
講師 福田茜 福田大樹

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