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3対2の練習ドリルの行い方
前回の投稿で書いたように、3対2の練習ドリルも好んでよく用います。その大きな理由の一つは、バスケットボールのゲーム中に起こりうる様々な場面を切り取って状況設定をしやすいからです。
詳しい状況設定については今後の投稿で書いていくとして、まずは3対2練習ドリルのオーソドックスな行い方をまとめておきます。
3対2ドリルの始め方
ドリルを行うオフェンス3人とディフェンス2人は、ともにベースラインから同
3対2の練習ドリルも好き
バスケットボールのコーチングにおいて、3対2の練習ドリルも好んでよく用います。2対1の練習ドリルと同様に、プレイヤーに最も取り組ませたい練習の一つです。
3対2の練習ドリルが好きな理由
1.練習効果が高い
2.練習方法がシンプル
3.パッシングゲームへの発展性
4.多様な状況を設定できる
2対1の練習ドリルであげた以上4点については、3対2の練習ドリルにおいても同様です。オフェンスプレーヤ
宮城リョータをコーチする
湘北高校の宮城にアドバイスするならば、『まず、2対2をやれ!』です。小柄でスピードがありながらもアウトサイドシュートが苦手な宮城に対して、相手ディフェンスは間合いをあけて守ったり、間合いをつめてプレッシャーをかけてきたりします。こうなるとせっかくの宮城のスピードとパスがいかされないので、まずはチームメイトとの2対2のプレーでオフェンスを始めることで持ち味が発揮されると思います。
1. 赤木剛憲と
桜木花道をコーチする
湘北高校の桜木にアドバイスするならば、『サークルムーブであわせろ!』です。ボールを持った状態で1対1を打開できない桜木に対し、マッチアップしているディフェンスは桜木以外のプレーヤーにヘルプディフェンスをしようとする傾向が強くなります。その際にはさらに桜木がノーマークになりやすいので、できるだけゴール近辺でパスがもらえるよう、キャッチと同時にすかさずシュートができるようにあわせて動くことが大切です。
もっとみる赤木剛憲をコーチする
湘北高校の赤木にアドバイスするならば、『まず、スクリーンにいけ!』です。インターハイ中にはシューターである三井へのスクリーンプレーが見られました。このように味方をいかすプレーを心がけながら、ディフェンスとのズレを利用してゴール近辺で自分のシュートチャンスをつくることができると思います。
1. 桜木花道へのスクリーン
ガードの宮城からウィングの三井へパスされたら、赤木は桜木にクロススクリーンをセ
湘北高校をコーチする
『SLAM DUNK(スラムダンク)』の湘北高校は、安西先生の指導のもとで1対1を重視したフリーランスオフェンスを展開します。インターハイ出場時の彼らのチームオフェンスが、より効果的になるようアドバイスできるとしたら、コーチとしてどんなことが伝えられるでしょうか。
湘北高校のアライメント
スターティングメンバー5人で展開されるオフェンスのアライメントは、以下のような「3アウト2イン」とし、数字
Basketball Diary Ep.10 『コロナの頃は』
『人間万事塞翁が馬』
座右の銘を聞かれた時には、そう答えるようにしています。良い時も悪い時も、次にどう転じていくのかをよく見極めなければと思います。
来るもの拒まずの部活動ですから、一学年にたくさんのメンバーが入部してくる年もあります。そんな時は、最後の大会に向けたエントリーメンバーの選抜にとても頭を悩ませます。
ある年、一学年に17人のプレーヤーが集まりました。県大会のエントリー15人に対して余
Basketball Diary Ep.09 『驕り』と『誇り』
プレーヤーは我々指導者の「モノ」ではありません。
高校生スポーツに携わっている以上、プレーヤーに対しては教育的であり、いつも彼らの成長を願って指導しなければと思っています。
インターハイ予選が終わったタイミングで、日本中の高校生プレーヤーの多くは部活動を引退します。年末に行われるウィンターカップに向けてバスケットボールを続けていくことは、大学受験を見据えた高校生にとって非常に酷なスケジュールであり
Basketball Diary Ep.08 『フェイク』と『フェア』
日本バスケットボール協会が提唱する、指導者としての「インティグリティ(integrity)」という言葉が、バスケットボール界では一般的となりました。大切なことは、「インティグリティ」という言葉や、「高潔さ・誠実さ・品位」といった意味を知っているかではなく、その理念の実現に向けて努力できているかどうかだと思います。
ルールブックのファウルに関する記述に「フェイク(ファウルをされたと欺くこと)」という
Basketball Diary Ep.07 『人情』と『無情』
基本的には来るもの拒まずの部活動でありながら、最後にはプレーヤーは選抜されていきます。
バスケットボールのコートに立てるメンバーはわずか5人ですし、各大会のエントリー人数は、20人、15人、12人と、上位の大会になるほどその数は少なくなっていきます。勝ち上がれば勝ち上がるほど、その舞台でプレーできるプレーヤーは少なくなっていくわけです。
間近に迫った県大会のエントリー人数は15人でした。この年は、
Basketball Diary Ep.06 『現象』と『心情』
審判をするためのフィロソフィーなんて考えたこともありませんでした。
単に、プレーに対して機械的にジャッジしていくだけなら、これからの時代の審判は高性能のビデオカメラとAIに取って代わられていくのかもしれません。
ある県立高校との、どちらも負ければ3年生が引退という試合。相手のキャプテンは試合前から気合十分で、ティップオフの瞬間から果敢なプレーでチームを引っ張っていました。しかし、その積極性が仇とな
Basketball Diary Ep.05 『奇跡』と『定石』
スポーツに怪我はつきものです。
とはいえ、プレーヤーが怪我を負った時はとても心が痛みますし、その怪我をどうにか防げなかったかと後悔したりもします。
かつて、3年生最後の大会直前に膝に大怪我を負ったキャプテンがいました。小気味よいプレーと3ポイントシュートが持ち味の彼は、まともに歩くこともままならない、立っていることすら覚束ない状態となってしまいました。大会当日、彼の膝は痛々しいまでにテーピングで固
Basketball Diary Ep.04 『セオリー』と『センス』
ディフェンスを指導するのがとても好きです。
相手チームの特徴を知り、攻めてくるタイミングを計り、その後の展開を予想する。守りきった時の感覚が何とも言えません。プレーヤー5人が、阿吽の呼吸でチームディフェンスを展開したときには、コート上へ拍手を送りたくなります。
勝っても負けても引退となる、3年生にとっては高校生活を締めくくる大切な試合。シーズン最後のこの試合に何としてでも勝ちたいという気持ちとは裏