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Basketball Diary Ep.09 『驕り』と『誇り』

プレーヤーは我々指導者の「モノ」ではありません。
高校生スポーツに携わっている以上、プレーヤーに対しては教育的であり、いつも彼らの成長を願って指導しなければと思っています。
インターハイ予選が終わったタイミングで、日本中の高校生プレーヤーの多くは部活動を引退します。年末に行われるウィンターカップに向けてバスケットボールを続けていくことは、大学受験を見据えた高校生にとって非常に酷なスケジュールであり、続けたくても続けられないプレーヤーがたくさんいるのが現状です。そんな中にありながらも、ウィンターカップに向けて頑張りたいという3年生プレーヤーが年によって数名でてくることがあります。そんな選手たちに対して、「この選手は必要だ」とか「あの選手はあんまり・・・」などと軽々しく口にしてはいけないと思っています。プレーヤーのことを「いる」とか「いらない」と表現すること自体が指導者としての「驕り」だと思うからです。むしろ、プレーヤーの頑張りたい気持ちに応え、高校生最後の大会で最高の力を発揮できるよう如何に育てていくかという、指導者としての「誇り」を持つことこそが大切だと感じています。
高校入学から約一年のブランクを経てやっぱりバスケットボールをやりたいと入部してきた2014年の3ポイントシューター。新人戦地区大会決勝で痛恨のパスミスをした2017年のガード。シックスマンとして出場するもなかなか自身の役割を見出せずにいた2021年のガード。3年生のインターハイ予選では主力として活躍することがなかなか難しかった彼らが、もう一度チャレンジしたいと申し出てきた時には本当に嬉しく思いましたし、ウィンターカップ予選ではスターティングメンバーとして出場し、チームの中心となって活躍する彼らの姿は誇らしくもありました。彼らが実感できた自身の成長を、指導対象となるプレーヤー全員が感じられるような、そんなコーチになりたいものです。

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