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短歌

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短歌含むの全部。
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#短歌

つづけ

つづけ

つづける

書きつづける

いつか物になると信じ

つづける

現世がダメなら

来世でもいい

つづける

書きつづける

途中で止めてばかり

ブツブツ切れていてばかり

もう切れない

もう切らない

つづける

つづける

つづける

つづけると決めた寒き日始まりと終わりの鐘が響く冬の日

令和5年11月17日9

母親

母親

善き性質と

優しい笑い声を持つ

慈しい母を持ち

それを知ってか知らずか

甘え甘えて

親不孝を繰り返し

悲しい目

泣きはらす涙の目

そんな辛い目に会わせてばかりいる

親孝行がしたいと母に良い思いをさせて上げたいと

心から心から思い

又祈る

神に

良心に祈る

誓いも証言も要らぬ

そんな立派なところには当然

僕はいないので

良心に、内なる神に誓い

又祈る

優しさが

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影(11/13)

影(11/13)

怒りと慈しみを往還し

忙しく漂う川のイリュージョン

その幻に夏の面影と君の笑まいを視れば

儚くも儚くも浮き立つ思い出とかつての恋

瞬時暗転する心の舞台

苦しくも暗くもある我が心に

一つのろうそくを朧に灯す

淡く仄かに照らし出される互いの面影を

遠景となった思い出に捧げれば

速やかに速やかに雲は流れ

暗い現実へと意識を戻し

一つ溜息、一つ微笑み、又忙しくも

現世なるこの世の闘

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短歌(11/12)

短歌(11/12)

秋寒く遠く離れる思い出に憧れ燃やし彼と吾を見る

ブランコの揺れる思いを押しのけて仄か仄かに揺らぐ思い出

思い出となりし夏の日照る川辺今ひと時の光輪を待つ

情景の死せる灰色秋の日々吾れ恋いめやも夏の川岸

人類の黄昏かましテレビジョン灰色の日々似つかわし音

悲しみを悲しと思うこともなく暮るる秋にもトンボは飛びし

黒き色濃き悲しみを湛えたる吾が中流る川のせせらぎ

星空を吾は恋いたる暗闇に瞬

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聖性(11/7)

聖性(11/7)

もしも僕の聖性が

皆の嘲りを照らすとしても

僕は明るく正しく行こう

百万の那由多を越えて

優しく光るその稲光り

鳴神さえが透明にとよむ

僕の胸にとよむ

僕の聖性又内なる神は

昔から、又彼方から伝えられたもの・・・

僕も又優しく抱きしめ

この道を和やかに歩いて行こう

皆の嘲りを引き出すとしても

僕は明るく正しく行こう

鳴神のとよみ照らせる稲光り雨の止みしに星は輝く

嘲りを

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捨てし詩文、燃えし思想、削除せし短歌雑片へのレクイエム(又、愛)(8/6,31)

捨てし詩文、燃えし思想、削除せし短歌雑片へのレクイエム(又、愛)(8/6,31)

8/6、31

死と生と虚無と愛とを闡明し夜と朝との境より踏む

天下りし煌めき、落つる星のごと輝きて手元へ天降し幾多の詩編、思想的雑文、連星のごとき短歌。
吾が掌に遊び、吾が手に拠り消えて去った耿々たる光の粒、光の粒。一つは黄金、一つは銀、一つは鉄、あるは合金の赤黒き金色。一つとて偽金は無かったやもしれぬ、否、一つとて偽金は無かった。吾、自殺企図強かりし秋、進みて消えゆきし、一つ一つの光の命。つ

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短歌、70首くらい(8/7~9/13)

短歌、70首くらい(8/7~9/13)

(ミニノート等に書いていた短歌、ほぼ全部)

(日付不明)

春の夜の花の散り行く川の面にオフェリアのごと悲しみは逝く

輝きて輝きたのち夜あればその裡にすら光宿らん

星と人と花と岩とを守る人に数多甘露の香油の薫る

母と子と子と母を思う愛の果て悲しみを越え胸宿る色

星の人バラやキツネの友のため涙一粒宙へふりまく

8/7(原爆についてのもの)
「葉月なる六日九日十五日」吾神恋うる心加えん

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偽金造り

偽金造り

パソコンで詩を書く詩人がいるとしたら
それは偽物の王で、偽善オリンピックの
金メダリストだ(もちろん、その金も偽のメッキである)
ところがやっかいなことに
僕がそうであった
かつてパソコンで詩や
タブレットで短歌をむやみに書き
文字通り書き捨ててしまった
つまりは削除してしまった
やっぱり頼りになるのは手の感覚と
視覚の微妙である
紙だと火中することになるが
削除すらが美しい
詩が最も美しいのは火

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秋に書いた短歌、26首

秋に書いた短歌、26首

11/14
不惑なる首のたるみし中年がブランコ漕ぎぬ秋の公園

パトカーが不審がらぬは不審なりブランコを漕ぐ中年の秋

メモ帳に短き歌を書きををり揺れるブランコ揺れるペン先

愛の果て秋の果てなるブランコに一人淋しく書ける楽しさ

雨よ降れ止みにし雨よもっと降れ不敵な笑みを吾にもたらせ

交通の標語の添削せし吾に雨降りくればほどく緊張

雨宿りせし病院のベンチにて緊張求め開くメモ帳

秋来れば散れ

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悲しい兎(短歌50首)

悲しい兎(短歌50首)

人住めぬ暑さ寒さの惑星に数夥し墓標は立てり

吹き荒ぶ日の陰りたる砂嵐卒塔婆のごとくビル立ちませり

人影のなき丘の上街眺め滅びの星に祈る石像

東京やソウルや北京NYパリやベルリン祈りの遺跡

死せる人巨きく高きクレーター縁より望む遠き山脈

青々と澄みたる空の真中より落ちたる光世界煌めく

巨き石天より落ちし輝きは世界隅々明々照らす

文明も科学も燃ゆる花の園悲喜交々の地の球が咲く

滅びの日

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トランス、ツリー

トランス、ツリー

「巨樹は星座の瞬きを知る」

ある寝られない夜に、僕はちょっとした旅を思いついた。
思念の旅である。
布団の中で、体の中に流れる川に浸ろうと思った。
だが、冬の寒さゆえ、暖かいものが良さそうだと思いなおす。
大きな樹が良い。千年以上生きている、大きな樹。
その木になれたら、暖かい気持ちを分けてもらえるかもしれない。
地元の神社、好きな大きな樹がある。
榧の大木である。
頭の中で、その木の側まで行く

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雷雨とか雪とか

雷雨とか雪とか

令和五年霜月の天気の記録

11/7
この聖性が皆の嘲りを照らすとしても
僕らは明るく正しく行こう
百万の那由多を超え優しく光るその稲光
鳴神さえが透明に胸にとよむ
聖性また内なる神
昔、また彼方から伝えられたもの
僕もまた優しく抱きしめ
この道を和やかに歩いて行こう
酷い眩暈と吐き気をもたらす呪いの矢
皆の嘲りを引き出すとしても
一つの清らかな稲妻として
僕らは明るく正しく行こう

鳴神のとよみ

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憧れを知る者だけが。

憧れを知る者だけが。

憧れを知る者だけが苦悩するそして眩く鳴る楽の音

憧れを知る者だけが、到達できる音楽を聴いた。
それは音楽の体をした詩であった。
それは不思議な同時性。
一つの作品であり二つの側面を持つ。
二つの側面は三つ目の不可知の側面を示唆している。
音楽であり、詩であり、そして根源たる祈り。
私も書こう。
論文の体で、詩を。
論文の体で、音楽を。
それら、迸る文章が祈りであるように。
わきいづる祈りであるよ

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